【毎日note*141日目】組織の機能とは何か?
ドラッカーの『イノベーターの条件』より。
今日のように、多様な組織に権力が分散した「多元社会」では、組織は3つの次元から捉えることができる、とドラッカーは言います。
①機能
②責任
③正統性
①の機能は、さらに3つの側面に分けて考えることができます。
・目的の明確化(社会)
・マネジメント(組織)
・人に関わる問題(個人)
ドラッカーは、組織とは“社会が必要とするものを生み出す道具”であり、「成果」こそが組織の唯一の存在理由であると言います。
社会に必要なものを生み出すこと=成果とすれば、
成果を上げるためには、まず組織としての「目的」を明確にし、何が自分たちの成果であるのかを明確にすることが不可欠です。
そして、その目的や成果に向けて、適切なことを適切に行うための意思決定能力が必要になります。企業でいえば、経営者の最も重要な役割です。
目的や成果のための戦略が定まったら、それを組織としていかに実行するかを決定し、組織全体に落とし込んでいきます。実際に成果を上げる行動をするのは従業員たちなので、彼らに理解させ行動を促すためには「マネジメント」が必要です。
大きな組織であるほど、様々な目的や想いをもって働く人が多くなるので、彼らの目的が組織の目的と必ずしも一致している訳ではありません。組織が一体となって成果を上げるためには、組織の目的と一人ひとりの役割とを調和させるマネジメント能力が求められます。
また、ドラッカーはこのようにも言っています。
「自らの能力、知識、努力の1割程度の成果を上げている者さえほどんどいない」
私たちは本来持っている能力を完全に使いこなすことはできておらず、そもそも持ち合わせた能力がどのようなものなのかを理解していない場合がほとんどであるということだと思います。
ドラッカーは組織について、“そこに働く人たちにとっての道具”であるとも言います。
組織として最大限の成果を出すためには、そこに働く一人ひとりが成果を上げる能力を高めていく必要があります。たとえ組織として優れた戦略や目標を立てたとしても、それが上手く実行されなければ、組織として成果を出すことができません。
とはいえ、忘れてはならないのは「成果」は組織の外にあるということ。
企業は従業員のために存在するのではありません。ただ、実際に実行する従業員たちの同意、納得、態度に影響を受けるということは確かです。
だから働く者が信頼しない組織は機能しなくなります。
組織と個人の信頼関係を築くためにも、彼らの組織の中での「位置づけ」と「役割」を与えることも、組織としての役割であると言えます。
組織は、「集中」することでのみ成果を上げます。
成果は組織にとっての基盤であり、働く個人にとっての基盤ともなります。そして組織と個人とを結ぶものでもあります。
組織としての目的を果たすために、一人ひとりが成果に集中できるように環境を整えていく必要があります。また働く個人も、組織の目的や自分たちに求められる成果をしっかり理解し、そこに向けた行動に集中していく必要があります。
〈まとめ〉
組織の機能の3つの側面。
・目的の明確化(社会)
・マネジメント(組織)
・人に関わる問題(個人)
「組織」として、社会が必要とするものを生み出すための行動に集中するためには、どのような取り組みが必要か。
組織全体と個人の両面から考える必要がありますね。