449*一汁一菜に真心を込める
903の読書会に初参加。
(田心カフェ・自然農法学ぼう会)
今回の本は『料理と利他』土井善晴 (著), 中島岳志 (著)
Amazon.co.jp: 料理と利他 (MSLive!Books) : 土井善晴, 中島岳志: 本
「自然」と「食べる人」との間に「作る」という動作がある。
料理とは自然と繋がること。
よく、「一汁三菜」と言われるけれど、それだけが全てではない。
むしろ日本食の基本は「一汁一菜」で、ごはんとみそ汁に漬け物のセット。
余計な手を加えていない、自然のままの素材を活かした食文化。
足し算の西洋食に対して引き算の日本食。
西洋と東洋の文化の違い(歴史や環境の違いが大きいのではと思う)
一汁三菜を継続するのは難しい。
でも、一汁一菜なら誰でもできる、という部分が特に印象的だった。
思い出したのが、韓国ドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』でのセリフで「1杯の水でも器に盛られた瞬間から料理になる」という言葉。
米も野菜も同じ。たとえ1品でも、食べる人の状態や好みなどを知り、その時に必要なものを提供する「真心」が大切。それが料理やその人自身に対する信頼につながる。
「信頼」とは「安心」とは違う。
安心とは、法律やルールで守られていたり、機械的に検査しているから大丈夫、といった信用に近いもの。これには「間」が少ない。
信頼は、この人が作ったものなら大丈夫、というようなもので、顔の見えるつながりといった、人と人との「間」の中で生まれるもの。
会社や組織の中でも、今後はますます「信頼」の部分が求められていくと思う。顔の見えるつながり。この人に任せたい、一緒に仕事をしたいというような信頼関係。それを作るためにも、その仕事を通して自分が相手に与えられるものは何かを考えることが大切。
一汁一菜を丁寧に味わうように、仕事や日々の人間関係も、丁寧に真心を込めて取り組んでいきたい。