【もう夏休みが怖くなくなる薬 -- 書評『だれでも書ける最高の読書感想文』】
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タイトル: #だれでも書ける最高の読書感想文
著者: #齋藤孝
書籍: #文庫
ジャンル: #文章術
初版年: #2012年
出版国: #日本
出版社: #KADOKAWA
全巻数: #1巻
続刊予定: #完結
全頁数: #254ページ
評価:★★★★★
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【あらすじ】
夏休みの宿題でも特に嫌いな子も多い「読書感想文」。興味のない課題図書選び、苦痛で苦手な読書、「読んで感じたこと」とか知らない、文章も何を書けばいいのか分からない……そんな大人でも頭を抱える悩みを明治大学文学部教授で国語教育のエキスパート、齋藤孝先生が優しく教えます。「コツがわかれば、どんな人でもスイスイ書けます!」の宣言通り、感想文の宿題に苦しむ子どもからSNSに感想を書きたい大人まで、《シンプルなメソッド》だからこそ誰でも習得出来る読書の森の授業を親子で受けてみませんか?
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【感想的な雑文】
読書は大好きだし、読んだ本の感想をブログに書きたい。だけど、肝心の書き方が分からないから読書する度にどこか心が重たくなる…。そう思う人は一人や二人ではないはず。かく言う私もそういう人で、その壁にぶつかるほど机に並ぶこの本に何度もお世話になっている。小学生向けに書かれた指南書だが、だからこそ面倒な説教ではない丁寧な文体は、実は学びたい大人の頭にもすんなり入る。
齋藤先生の唱えるメソッドのなかでも、自分にとって大きい収穫だったのが「書きたいことを3つにしぼる」ということ。
例えば大好きな漫画でグッときた場面をあげると10も20も超えてしまうもの。だけど、その全てを感想文に落とそうとすると結構な確率でまとまらない。それは薦めたい場面を人に伝えるには、その場面に至るまでの前後の説明が必要だから。その前後の説明もひとつひとつ生真面目に書くとなると膨大な量になる、かつ「この作品は面白い!」という当初の論点もブレてしまう。
人は多くの情報を一気には処理できないから3つにしぼって書くことが感想文で重要だと紙面から先生は教えてくれる。ちなみに「3つ」にこだわる理由は、カメラの三脚のように物を支える大きい柱の最低本数は「3つ」で、古来から人は「三本柱」に支えられているから。
また、その作品の持つ100のポイントを3にしぼる行為は選択能力を鍛える訓練になるので、読書感想文が学校の宿題になる理由もここにある。何より100あるポイントを3つ選ぶとなると他の人の感想と被る確率はグッと減るので、自分の書いた感想文は自分だけのオリジナリティを帯びて、同じ作品の100人書いた感想文はほぼ誰も被らない。その差異を読み楽しむのも読書感想文の醍醐味だと齋藤先生は語る。
たかが読書感想文と思われたものが、これほど奥深い世界に変えてくれたのは齋藤先生の豊富な知識量と語彙力による賜物。
私もいつか豊かな感想文を書きたいので、再び机の本棚に手を伸ばす。
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【おまけ】
……とは言いますけど、頭ではそうだと分かっていたって、いざ本番となったら「やっぱどう書けばいいのか分かんない…」と悩むし、親としても説明難しいですよねえ。それなりに文章の勉強を続けて感じたのが……
①最後まで読めそうな本を選ぶ
◆最後まで読めなそうなら直ぐ変える
◆夢やペットなど自分に身近な本もオススメ
②あらすじより『自分の思ったこと』をインタビューする
◆何でこの本にしたの?
◆自分と登場人物の違いは?
◆この本の出来事に対して、自分だったら何をする? どう思う?
◆最後に『いい話だったなあ』を自分の言葉で書いてみる
◆「知らない人への書き言葉」より「知ってる人への話し言葉」の方が話が楽しくなる
◆インタビューに沿って段落や章に分ければ形になる
③最後は声出して読んでみる
◆一文(。)の目安は自分が一回で読める量
◆句読点(、)は途中で息継ぎする部分に打つ
◆同じ語尾使い続けると読む側がしんどい
◆家族にも声出して読んでもらう
上の3点+齋藤先生の「話題は3つまで」を意識して書き始まると綺麗な読書感想文になる率がグッと高くなるので、もうすぐ始まる夏休みなど必要になったときの助言にどうぞ。
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【本日の参考文献】
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【あとがき】
本書と川崎昌平『はじめての批評 勇気を出して主張するための文章術』を交えた解説文も書きましたので、どうぞよろしくお願い致します…!
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