【素人が演劇にチャレンジするシリーズ】セリフの重み、どうやって出せばいいのか？
プロローグ
まったくの素人が演劇ワークショップに通って、昨年5月に下北沢のホールで舞台にたちました！
いろいろ大変なことはありつつも新しいことにチャレンジすることは楽しいし、奥が深い演技の世界！
そこで、演劇を続けるべく、月１で演劇ワークショップに通っています。
どうやったらうまく演じられるのか？ということは、どうやったら、観客に演じる役の気持ちを共感してもらえるのか、ということと直結するので、演じることを学ぶことは、普段の生活にも良い影響をもたらしてくれそうです。
さ、学んだことを記録します！
私たちの言葉はなぜ軽くなるのか？
役作りのポイント（前提）
演じるということは、ウソをつかないこと（演じる役を理解し、本当に自分の言葉として発し、行動すること）
役作りのポイント：以下を解釈して、演じる！
①関連性
②時間、場所
③直前に何していたか
役作りをきちんとしなければ、言葉は軽くなってしまう
役作りの肝として、上記①②③の理解に加え、キャラの意志（すべてのキャラクターがもっているうす甘い希望で、何かしらの痛みを伴っているもの）を表現する必要がある。
そのキャラの意志に真に共感した観客は、そのキャラのセリフの重みを感じることとなる。
共感し、応援したくなるキャラは、ジレンマの状態にある（この状態がドラマティック）
運命と意志がぶつかっている間に主人公は存在する。
セリフに重みを増すためには、説得力が必要。痛みが説得力となる。
例えば、ワンピースのルフィ。
海賊王に俺はなる！といっていた少年ルフィを助けるため、海賊シャンクスは腕を失った。ルフィの顔にも胸にも傷が残っている。悪魔の実を食べたため、海にでれない体になった。（痛み）
この初回のエピソードがあるから、「海賊王に俺はなる！」というセリフに重みを感じて、ルフィに共感し、応援したくなる。
セリフには、論理（ロゴス）と感情（パトス）cf アリストテレスの要素があり、人の心を動かすのは感情のほう。
前述のうす甘い希望の背後にあるものは、痛み。この主人公の痛みに共感するからこそ、セリフに重みが増す。
セリフの重みを増すためには？
痛みが共感性を増す、ということであれば、演じる際には観客に痛みを共感させればいいことになる。
たから、その役が抱えている痛みはなに？と考えてみる。
（一つの方法として、悩みを身体的に痛みに置き換えるとわかりやすい）
その痛みを思って、泣ければ言葉に重みが増してくる。
共感の事例として、いくつか挙げる。
①ヒトラーは演説がとてもうまかった、騒乱罪で起訴されたとき、その裁判において裁判官が無罪にするほど！😲血と鉄、敗戦、ドイツの自信喪失、ハイパーインフレの痛みが大きく、その痛みの共有の効果は甚大だったということ
②田中角栄も地元にインフラを整備する観点から、求心力が高くなった（地方の交通事情の痛みの共有）
③いわゆる、アート映画・文学などは、痛みが共有できるとそのその価値を理解できるということになる。例えば、苦役列車、人間失格など
セリフに重みを持たせるための台本読みのヒント
いいにくい言葉はあるか、いいずらい言葉、独特のノリ、乗れるところか、自分と違うところに着目する。
①まずは丁寧に読むこと、口になじませる。
ただし、日本語はながら喋りのほうが伝わりやすい
②何かをしながら喋ってみる。
言葉のリズムを掴むをところが肝、ブレスのタイミングがどこか、読点はプレスしてOK
③語尾などもチェック
ドラマや映画から会話のテンプレートをひろって見てみると色々あることに気づく。名作１００選などチェックしてみてもいい。
④わからない言葉は調べる。
読むは客観、話すのは主観が入る、口を通すと体験になる！
セリフのゲシュタルト化が起こる！
セリフ読みとは、すなわち、違う視点をインストールすることである。
エピローグ
セリフを読んでみて、どうしてもつまってしまうところがある。自分だったらこんなふうに言わないから、セリフを声に出すと、その違和感が半端なく際立ってしまう、という感覚をもっている。
でも、今日のワークショップの内容を通して、それは、当然のことなんだ、ということが腑に落ちました。なぜなら、その役の痛みを理解せずに、機械的にそのセリフを声に出しただけで、その言葉尻をただただ練習して発声すると、空々しくなってしまうのは当然だから。
最後のほうで、話すと主観が入る、口を通すと体験になる、ということ聞いて、改めて非常にワクワクする。
だって、セリフを話すことによって、自分では体験できないような体験ができるようになるということだから、それってとってもおもしろそうです！！
さ、5月の公演に向けて、練習は続きます！！
見守っていただけると、嬉しいです😊