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2022年7月の記事一覧
成田山の二股大根:0141
成田山にて、二股大根が供えられているのを見かけた。
大本堂の左手、重要文化財の釈迦堂(1858年建立)の隣、小さな白い社。聖天堂だ。祀られてあるのは、大聖歓喜天。聞いたことない神様だ。
お社の左右に、このように二股大根の絵馬が供えられている。
お隣茨城住まいだから、道祖神に生の二股大根を供えられている風景はよく見かけるが、まさか石の絵馬になっているとは。
祀られている歓喜天様は、
ガンガゼの棘を抱いて:0139
夜中とび起きて、眠れなくなった。
時々眠ると身体中がむずむずする。シーツの擦れさえも忌々しくて、痛いのと痺れるのとがごちゃ混ぜになって頭に押し寄せてくる。感覚過敏と、名前は分かっていても、やはりつらい。
こういう時は、心の中で一緒に横になってる友人とくだらない話をするに限る。
『ガンガゼって毒があるよね。ウニとよく似てるけど、ウニはどうして毒がないの?』
と聞かれたから、仮説を話し合って
電信柱は道祖神の夢を見る:0136
青々とした一面の田んぼ、といえば夏の風物詩だろう。
ただ、田舎暮らしの僕にはだいぶ飽き飽きした光景だ。
地平線が見えるほどの広い空。
ざわざわ波立つ緑の草むら。
都会から帰省して見るくらいなら、郷愁に浸ることもできるだろうが、ここは田んぼしかない。車で畦道を延々と走ってると、どれくらい走ったか分からなくなる。目に刺激が欲しい。
そんな暮らしをしているうちに、転々と侘びしく立っている
あじさい、がらん:0135
顔と同じくらい大きな花を鋏で落として、両腕いっぱいに抱いて縁側に戻る。紫陽花は香りで名高い花ではないが、においはある。
鼻を近づけて花に顔を埋めると、蜘蛛や小さな虫がこわごわとこちらを見返している。
香りで集まらない虫達の、梅雨をしのぐ住処だ。
借宿のような、よそよそしいおうちの匂いがする。
雨は止んで、もう夏だ。虫達は、紫陽花の下から少しずつ旅立っていく。
がらんとした紫陽花が、俺