
- 運営しているクリエイター
2021年2月の記事一覧
210211【香港15days】番外編全文無料公開:使えない「Android版COCOA」を「入国時の誓約」だとゴリ押しする、日本という国の不毛さと無責任
「COCOAをスマホに入れていただくという誓約のもとで入国が許可されることになっています」
突然現れた男性職員は空港警察官を後ろに従えてこう言いました。入国前の検疫手続きでなんどか「AndroidのCOCOAは入れても役に立ちませんよね? だったら入れません」と断り続けた結果です。
それまで何人かわたしに困った顔をしてみせた女性職員の後で、その男性が警官を従えて現れたのです。
――わたしも入
210210【香港15days】さよなら香港、また来るでー!
さて、最後の回となりました。現在、シンガポールのチャンギ空港で、真夜中2時の飛行機に乗り換えて日本に戻ります。
それにしても今回の香港との「別れ」は、久しぶりに辛いものがありました。
3週間の隔離期間中、外には出られなくても香港にいること、香港の食べ物、香港人スタッフの悪気はないけどつっけんどんな対応のすべてに懐かしさを感じていたし、外に出ることができるようになってからの2週間は毎日のように友
210209【香港15days】「華人住民は国籍に関わらず中国公民」と行政長官。ならば「華人」とは? そして東南アジア移民の末裔は?
朝市でZと朝食。彼女はわたしが隔離に入った後、山のような食べ物を届けてくれました。わたしは「まぁ、強いて言えばポテトチップかな」といったにも関わらず。
見てくださいこれ(笑)。果物と同時に皮むき器まで入っていたのには感動しました。
あと、隔離中には階下のベーカリーからバナナケーキを差し入れしていただいたり、遠く元朗(元朗事件のあの元朗。すでにすっかり日常に戻っています)から直産の「老婆餅」を届
210207【香港15days】記録する、知る、そして考える。「今回は絶望していない」
今回は雨傘運動が失敗に終わったときほどの絶望感はない。
駆け出しジャーナリストのPが言った。
雨傘が終わったときは本当にショックで、もうなにも考えられないくらい絶望した。でも、今回は違う。これからどうするか、希望について考える余裕がある。そして今絶望している子たちに声をかけるの。彼らはかつてのわたし。でも大丈夫よ、先を見て歩くのよって。
210206【香港15days】帰国のPCR検査を手配、でも「標準フォーマット日本人として生きるのはコストかかりすぎ」
帰国便が決まったので、日本入国のためのPCR検査の手配を朝一番に。
出発前に、日本在住の香港人の友人が「もし日本の状況が変わって帰国にPCR検査が必要になったら、いつでもメッセして。わたしの妹がPCR検査をやってるクリニックで働いてるからお手伝いできるかも」と言ってくれていたので、一安心。彼女自身も11月に香港に一時帰宅した時に、日本入国の際にPCR検査陰性証明が必要だったんだそうです。
でも
210205【香港15days】「衆新聞」:わずか10人だった編集部に、中国報道プロたち10人を受け入れたツワモノメディア
「香港国家安全維持法」(以下、国家安全法)に揺れているのは、もちろんメディアの世界も同じ。同時に香港では毎日のように「政治事件」が起こっている。それをいかに伝えるか、どういう視点で伝えるか、どこまで深く掘り下げるか…が、メディアごとにかなり違う。
だから、香港事情をチェックするには一つのメディアだけを読んでいてもわからないことが多い。それは親中メディアか否かだけではない。非親中派メディアだけでも
210204【香港15days】中国から香港へ、そしてイギリスへ:香港で身につけた技能で再出発
なんだか知らないが、今回の滞在は前日どこかの場所で誰かと会った後、翌日はからずもまた同じところで別の人と会う、というパターンが多い。けしてわたしが会う場所をしているわけではないのに、相手から飛び出す場所が前日訪れた場所と同じ、というケースがなんどか。不思議な話だ。
ということで、またまた尖沙咀のウォーターフロント。ただビクトリアハーバーを一望できる、湾に張り出した長い廊下の「麥兜像」あたりで、と
210202【香港15days】民主派の派閥間の思考が始まっている――歩み寄りはまだだけど
本日は短いけれど、香港島を東西に走るトラムから撮った映像をどうぞ。
「香港にはさまざまなバックグラウンドの人たちが市民として暮らしている」というお話は、1月31日のリポートでも触れました。
今日はまず、北京時代に知り合った元ジャーナリストの友人に会いました。その元ジャーナリストは学生時代から含めて10年北京で暮らし、後半の6年間をジャーナリストとして過ごし、その後1年ほど故郷に帰って過ごしてか
210201【香港15days】アカデミアの世界が揺れている…留学生が気がついた微震
「香港のいくつかの大学から香港専門の研究者の募集が来てる。研究者が抜け始めているようだ…」
今年、香港の大学院で博士号が取れることになっているMが小さな声でつぶやいた。彼の専門は政治統計で、できれば香港の大学でポストを得たいと考えているところだ。ヨーロッパの某国出身の彼には香港の大学院で3年間学んだという以外、彼と香港研究という専門性との接点はこれまでなかった。
「ぼくは香港を専門的に研究して