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#417 耳の痛い話をどう受け止めるか?

耳が痛い話には理由がある


誰もが経験したことがある「耳の痛い話」。自分の信念やこだわりを揺るがすようなフィードバックは、できれば避けたいと思うものです。でも、もしその耳の痛い話の中にこそ、成長のヒントが隠されているとしたらどうでしょうか?特に飲食業界にいる僕たちは、日々お客様やスタッフから多くの意見やクレームを受けます。時には「自分なりにうまくやっている」と感じているのに厳しい指摘が飛んでくることもありますよね。

それでも、振り返ってみれば、そういった耳の痛いフィードバックが、自分や店の成長に必要不可欠なものであったことに気づくことが多いのです。自分のこだわりを守りたい気持ちは理解できますが、耳をふさがずにその声に向き合うことで得られるものは非常に大きいのです。
#耳の痛い話

なぜ耳の痛い話を避けたくなるのか?


それでも、なぜ僕たちは耳の痛い話に耳を傾けたくないのでしょうか?その理由にはいくつかの心理的な要因が関わっています。

まずプライドです。僕たちは、自分の作り上げたものや仕事に誇りを持っています。それを否定されたり、批判されることは、まるで自分自身が否定されたように感じ、反発したくなるのです。特に飲食業界では、料理やサービスは僕たちの「生活」の一部ですから、そのフィードバックがより個人的に感じられることも多いです。

次に、防衛反応です。耳の痛い話というのは、しばしば「自分が間違っている」「何かが足りない」というメッセージを含んでいます。それを認めるのは決して楽なことではなく、つい「そんなことない」と反論したり、聞き流したくなります。

そして、変化への恐れも大きな理由です。耳の痛い話を受け入れるということは、何かを変えなければならない可能性があります。しかし、人は本能的に変化を恐れる生き物です。これまでのやり方でうまくいっていると感じている場合、「今のままでいいだろう」と思いたくなるのは自然なことです。しかし、その思い込みこそが、成長のチャンスを逃してしまう原因になることがあります。
#防衛本能

聞き流さずに受け入れるべき理由


とはいえ、耳の痛い話を聞き流さず、しっかりと受け入れることが成長に繋がります。特に飲食業界では、お客様からのフィードバックが店の評判や売上に直結します。僕たちは、耳の痛いフィードバックの背後にある「本質」を見極め、それをどう自分や店の改善に活かすかを考えなければなりません。

例えば、僕が若い頃にソムリエとしてワインのペアリングを選んでいた時のことです。ある常連のお客様から「このワイン、酸味が強すぎて料理と合わない」との指摘を受けました。当時の僕は、「いやいや、これがこのワインの個性で、料理とのバランスも考えて選んだんだ」と自信を持って返しました。確かに自分なりに計算しての選択だったので、そのフィードバックを軽視していたのです。
#きっとお客様は親切心で言ってくれたはず

しかし、同じようなフィードバックが何件か続くと、無視できなくなりました。そこで、他のお客様の意見やデータをもとに、思い切ってペアリングの見直しをすることにしました。僕が最初は「この料理には合わないだろう」と思っていたワインを試してみた結果、意外にもその組み合わせが抜群に合い、お客様の満足度が大きく向上したのです。

これをきっかけに、僕は「教科書的なペアリング」に囚われず、柔軟に考えることの重要性を学びました。耳の痛い話を受け入れることで、結果的にお客様の満足度が向上し、ワインの売り上げも急上昇しました。意外な組み合わせこそ、新しい発見や驚きを生むことが多いのだと体感した瞬間でした。
#教科書的なペアリング

耳の痛い話を受け入れるための具体的なステップ


耳の痛い話を受け入れるのは簡単ではありませんが、次のようなステップを踏むことで、そのフィードバックを活かしやすくなります。

①一度冷静に受け取る

フィードバックを受けた時、まずは感情を抑えて冷静にその内容を聞きましょう。防衛的になる前に、一歩引いて意見を受け入れる姿勢を持つことが大切です。

②具体的な改善点を見つける

フィードバックの中から、具体的に何を改善できるかを分析します。全体的な意見であっても、部分的な改善点を見つけることで、次のステップが明確になります。

③小さな変更を試してみる

大きな変更をするのは勇気がいりますが、まずは小さな部分から修正を加えることで、その効果を見てみましょう。小さな改善が積み重なって、大きな結果を生むことが多いです。

④フィードバック後の反応を観察する

改善を加えた後、その結果やお客様の反応を観察し、フィードバックの効果を確認します。もしポジティブな結果が得られれば、それが次の改善への自信に繋がります。
#フィードバック

耳の痛い話は成長のチャンス


耳の痛い話は、自分が見逃していた問題点や課題を見つけ出すためのチャンスです。それを受け入れ、改善に繋げることで、個人としても店としても成長することができます。僕たち飲食業に携わる者として、常にお客様やスタッフのフィードバックに耳を傾け、その声を成長の糧にしていくことが大事なことだと思います。

次に耳の痛いフィードバックを受けたとき、少しの勇気を持ってそれを「成長の機会」と捉えてみましょう。フィードバックを受け入れることで、あなたの仕事やサービスがより一層素晴らしいものになるはずです。自分にとって不快な意見こそ、最も価値あるヒントを含んでいることが多いのです。
#成長の糧

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