田宮二郎、黙っていても、もの扱いでも、いい男。増村保造監督「爛」。
"「ただ自分の現実を描く」ことしかなく、「作者が持ち得るべき思想」が一切なかった""次第に文学者仲間以外の興味も同感もひかぬ特殊な内容を持つようになった""作家が社会の塵埃を知らない、本質的にはのほほんとしたエリートであるが故の、自我の孤独と優越の文学"etc. 今となっては功罪半ばして評価される、日本の自然主義文学。
本家のモーパッサンやゾラと異なり、映像化の恩恵をまるで受けていないのも、この世代の作家に共通した特徴。田山花袋、国木田独歩、正宗白鳥、近松秋江、岩野泡鳴、真山