ドント・ウォーリー

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マガジン

  • 花に嵐の映画もあるぞ(洋画編)。

    わたしの好きな映画を、「褒めること」意識してつらつら書いていきます。 取り上げる映画は、時にニッチだったり、一昔前だったりしますが、 そこは「古いやつでござんす」と許して、ご容赦を。

  • 映画の名セリフ、、引いてみた。

    甘い言葉がある。辛い言葉がある。英語だとわかるニュアンス、日本語の方が腑に落ちやすいフレーズもある。 そんな映画の英語の名セリフを、拙訳と共に引いてみる。 目標は和田誠の「お楽しみはこれからだ」。 僕はまだ端くれ。拙い日本語で、ごめんなさい!

  • 花に嵐の映画もあるぞ(邦画編)。

    • 250本

    わたしの好きな映画を、「褒めること」意識してつらつら書いていきます。 取り上げる映画は、時にニッチだったり、一昔前だったりしますが、 そこは「古いやつでござんす」と許して、ご容赦を。

  • ゲームレビュー・攻略

    これまでにプレイしたゲームのログ、攻略情報、感想など、ごたまぜに投稿しています。対象のプラットフォームは スマートフォンゲーム(ios) ・Apple Arcade ・iPhone 買い切り PCゲーム ・Amazon Games ・EPIC GAMES

最近の記事

本邦初公開のニュージーランド映画!にもかかわらず、がっかり「バトルトラック」(1983)

日本含め、「マッドマックス2」のパチモンは雨後の筍のように作られたが、ニュージーランド映画「Battletruck」(別題: 「Warlords of the 21st Century」)もその一つにして、なんと日本初公開のニュージーランド映画。1983年公開は、ジェーン・カンピオン監督「ピアノ・レッスン」の10年前、パーシー・ジャクソン監督「ロード・オブ・ザ・リング」の20年前。 ニュージーランドの牧歌的だが曇り空が広がって陰気な景色に、黒煙と爆音をあげて黒い戦闘トラック

    • ペキンパーの描く、トラック野郎の度胸一番星「コンボイ」(1977)

      1977年に戦争映画の傑作「戦争のはらわた」を監督した巨匠サム・ペキンパーが、次に手掛けた作品が、トラック運転手たちの抗議行動を描いた「コンボイ」だ。 大型トラックの運転手マーティン(クリス・クリストファーソン)と保安官ウォーレス(アーネスト・ボーグナイン)の確執をきっかけに、マーティン、ピッグ・ペン(バート・ヤング)、スパイダー・マイク(フランクリン・アジャイ)ら運ちゃんたちが集団で走行するトラック(=コンボイ)がメキシコに目的地を定め、保安官らの包囲網を突破するべく熱風

      • シトロエンじゃなくてマスタングなのだ。まだふたりは若いのだ。映画「男と女」(1966)。

        もはや半世紀前の遺物…とは言わせない!ヌーヴェルヴァーグの代表作の一つ。事故で夫を失った女と、妻を自殺させた男とが、パリを離れた地方都市の冬景色の中で知り合い、孤独な心と心とが寄り添い逢う、フランシス・レイの音楽があまりにも有名なラブストーリー「男と女(原題:UN HOMME ET UNE FEMME '66、フランス映画)」より。 そのあらすじを、起承転結で追いかけてみよう。 起。カラー。 物語は、ある日曜日、主人公のジャン・ルイ・デュロック(ジャン・ルイ・トランティニヤ

        • 極彩色の大決戦(ギャング版)「ディック・トレイシー」

          「スカーフェイス」の衝撃。おかげで以降、アル・パチーノ=ギャングというイメージが付きまとうようになったのは、言うまでもない。 そんなパチーノが、見るも無残な特殊メイクをさせられ、正義漢:ウォーレン・ビーティに付け回される悲劇を描いた、同名のアメコミを、その雰囲気のままに映画化した「ディック・トレイシー (1990・米 105min) Dick Tracy」より。 1930年代のアメリカ。ギャングたちが闊歩(かっぽ)する街で、正義を守ろうとする刑事ディック・トレーシー(ウォー

        本邦初公開のニュージーランド映画!にもかかわらず、がっかり「バトルトラック」(1983)

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        • 映画の名セリフ、、引いてみた。
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        記事

          「いつだってやめられる」三部作(2014~2017年)。これは、ポストクたちの反乱。

          イタリア人と言えば、時間にルーズ、公私混同が激しい、C調、浮気癖というネガティブな言われ。他方で彼らは、物事が望むようにならなかったときも、柔軟に対応して、どんな状況にも対応し、人生を楽しむ力を持っている。 2010年代後半、突如すい星のように現れたシドニー・シビリアは、まさにこの手の「最後は何故かうまくいく」イタリア人を主人公に、胸のすくようなドラマを、洒脱な語り口の中に描いてみせる。 シビリアの描く主人公は、時に声を荒げることもイライラすることもあるが、解決策を見出すため

          「いつだってやめられる」三部作(2014~2017年)。これは、ポストクたちの反乱。

          「ローマ人の言葉を知っていても、死んだローマ人とは話せませんよ、センセ!」_"S.W.A.L.K. "(1971)

          子供たちの気取らないナチュラルな姿を写しつつ、エモーショナルな瞬間を切り取り、なぜか日本では本国と違いヒットした1971年のイギリス映画「小さな恋のメロディ(原題:S.W.A.L.K.または MELODY)」より。 舞台はロンドン東部の下町にある、公立小学校。甘えん坊でいたずら小僧のダニエル(マーク・レスター)が、ガキ大将のオーンショー(ジャック・ワイルド)と友情を深めるのと同時進行で、ちょっとおませな女の子メロディ(トレイシー・ハイド)を好きになり、二人はついに将来を誓う。

          「ローマ人の言葉を知っていても、死んだローマ人とは話せませんよ、センセ!」_"S.W.A.L.K. "(1971)

          クライマックスにあの大物が…ミュージカル映画「マペットの夢見るハリウッド」(1979)

          マクドナルドは起業家レイ・クロックが52歳のときに出合ったその洗練されたシステムにほれ込み作り上げた帝国。レイは徹底的な現場主義と不屈の精神で、マクドナルド兄弟との契約の落とし穴やナンバー2との決別といった幾多の困難を乗り越え、全世界的チェーンをつくりあげた。 もちろん、その急激な拡張に軋轢が生じなかったはずがない。 日本に初めて出店した1971年の翌年には早くも、同じくハンバーガーチェーンのモスバーガーが発祥。マクドナルドと競い合うようにして全国展開を進める。そのモスバー

          クライマックスにあの大物が…ミュージカル映画「マペットの夢見るハリウッド」(1979)

          「マヨネーズだよ!マヨをくれよ!」French Connection 2(1975)

          70年代のハリウッドでは珍しい続編もの(あと有名どころでは「猿の惑星」くらいしか思いつかない)である、1975年の映画「フレンチ・コネクション2」より。前作で逃がした麻薬密売組織のボス、シャルニエ(フェルナンド・レイ)を捕えるため、単身、 フランスのマルセイユに乗り込むジミー・ポパイ・ドイルの活躍を描いている。 続編と言っても、ハックマンとシャルニエ役のフェルナンド・レイ、音楽のドン・エリス以外、キャストとスタッフ は一新。監督はウィリアム・フリードキン…ではなく、フランスが

          「マヨネーズだよ!マヨをくれよ!」French Connection 2(1975)

          “15回もジサツしちゃった(テヘペロ”_”Harold and Maude”(1971)

          いまだったらA24が配給するだろうが、当時は何を血迷ったか大手メジャー:パラマウントが配給した1971年の映画「ハロルドとモード 少年は虹を渡る」より。 日本配給元(CIC)も宣伝に頭悩ませたことだろう、音楽を担当したキャット・スティーブンスにクローズアップしたビジュアル、 というやっつけくさい惹句が涙を誘う。 キャット・スティーブンスの甘ったるい声の中で、少年は首を吊る、衝撃の展開から、映画は始まる。「死ぬ死ぬ詐欺」で構ってちゃんする少年は、困ったちゃんだ。 周りを取り

          “15回もジサツしちゃった(テヘペロ”_”Harold and Maude”(1971)

          「日曜日、(銀行強盗)以外にやることなんて、あるかい?」"The Thomas Crown Affair"(1968)

          70年代前夜、スティーブ・マックイーンが「ブリット」以降のマッチョな役に転じる前夜、さわやかで飄々としたキャラクターを持ち味とした実質最後の作品「華麗なる賭け」(原題: "The Thomas Crown Affair", 1968年、ノーマン・ジュイソン監督)より。 1999年のピアース・ブロスナン主演の無味無臭なリメイク「トーマス・クラン・アフェア」と違って、本作は、いま見てもめちゃくちゃオシャレでカッコイイ映画だ。 監督は、日本ではマイナー、カナダにおいては自国映画産

          「日曜日、(銀行強盗)以外にやることなんて、あるかい?」"The Thomas Crown Affair"(1968)

          「チャーチルはそこの椅子に座っていました。優しい人でした。」_"Queen"(2006)

          ダイアナ事故死から十年も経たず、登場人物の大半が存命という状態で製作された生々しい2006年のイギリス映画「クイーン」より。 といっても、スキャンダラスな内容ではなく、あくまで、実在人物そっくりの俳優たちが、その内幕を再現する静かなドラマとして演出されている。 1997年、労働党の若き党首トニー=ブレアがイギリス新首相に決まり、エリザベス女王は世代ギャップを感じながら彼を首相に任命する。その直後に元太子妃ダイアナがパリで事故死し、ブレア首相は彼女を「国民のプリンセス」と表現

          「チャーチルはそこの椅子に座っていました。優しい人でした。」_"Queen"(2006)

          「身を隠すには良い土地さ。誰もが覗きたくない土地だから。」 「Sorcerer」または「The Wages of Fear」(1977)

          ウィリアム・フリードキンは1970年以降のアメリカ映画の最も重要な要素の二つであるアクション映画とA級ホラー映画を、ある批評家の言葉を借りれば、「実質的に発明」した。ダーティハリーと合わせ、その後の映画とテレビにおける刑事物のパターンを決定した「フレンチ・コネクション」とオカルト映画の走り「エクソシスト」だ。 音響馬鹿、演出過剰、鋭いカッティング。 ヌーヴェルヴァーグの革新の風をハリウッドに持ち込んだ、フリードキンが2つの世界的大ヒットの後、次に手掛けた作品が「Sorcer

          「身を隠すには良い土地さ。誰もが覗きたくない土地だから。」 「Sorcerer」または「The Wages of Fear」(1977)

          ”1951年 テキサス州 アナリーン 変わるはずのものは何もなかった…” "The Last Picture Show"(1971)

          「ラスト・ショー」という懐古的、ノスタルジアな甘い響きに反して、その味は非常に鬱屈。1950年代初頭テキサスの小さな町を舞台に、閉鎖する映画館とともに若者たちの青春とアメリカの失われた夢の終わりを淡々と描いた秀作だ。 起伏のある展開というものはない。主人公のソニー(演: ティモシー・ボトムズ)は、くたびれた機動音を奏でる1951年のフォード・カスタム デラックス(Ford Custom Deluxe)を乗り回し、テキサス州の小さな町、アナリーンをあっちへ行ったりこっちへ行っ

          ”1951年 テキサス州 アナリーン 変わるはずのものは何もなかった…” "The Last Picture Show"(1971)

          ジープにヘリコプターに野獣がふたり。「新宿アウトロー ぶっ飛ばせ」

          渡哲也と原田芳雄という70年代を代表する男の色気たっぷりの大スター2人の共演作。前者はスタジオシステム育ち、後者は劇団俳優座出身。当時の映画界にとっては主役に起用するには正統派と異端の好対照。好きな人にとっては、観ずにはいられないだろう。 じっさい、しょせんダイニチ映画という誹り、しょせん日活末期の映画というには、観る者の期待値以上のエネルギーに満ち満ちている映画である。 渡哲也が冒頭からカッコよく飛ばす。何せ、出所後、泥だらけの道を優雅にタクシーで、新宿を目指す、大盤振る

          ジープにヘリコプターに野獣がふたり。「新宿アウトロー ぶっ飛ばせ」

          「私は自らの手で冠を戴くのだ。」_リドリー・スコット監督「ナポレオン」(2023)。

          ナポレオン・ボナパルトの生涯をリドリー・スコットが描いた2023年の映画「ナポレオン」より。 その数期極まる生涯を1本の映画に収めるのは相当に無理がある。作劇において、リドリー・スコットは割り切った。つまりホアキン・フェニックス演じるナポレオンは、ジョーカーのような預言者すれすれの狂人としてでもなく、(同じくスコット作品たる)「グラディエーター」のコモドゥス帝のような愚王としてでもなく。平板で平凡で、そして女の愛を求める、功名心の強い成りあがり者として、おおよそ大王らしくな

          「私は自らの手で冠を戴くのだ。」_リドリー・スコット監督「ナポレオン」(2023)。

          印パ冷戦のスパイもの。「ミッション・マジョヌ」。

          インドとパキスタンの冷戦をNETFLIX映画「ミッション・マジョヌ」。 興味ある人もない人も、まずは独立後の印パの歴史からおさらい: インディラはサッチャーに並ぶ、いやそれ以上の「鉄の女」であった。1971年の暮れ、東パキスタン(現バングラデシュ)独立を助けて、インドが隣国パキスタンとの間に第三次印パ戦争をおこすや、インディラ・ガンディーはただちに電撃作戦を展開し、わずか二週間でパキスタンを降伏に追いこんだ。それは初代首相のネルー、2代目のシャストリも、ついになしえなかっ

          印パ冷戦のスパイもの。「ミッション・マジョヌ」。