【キネマ救急箱#7.5】人生で一度でも、ハリー・ポッターに夢中になったことがある全ての人へ
こんにちは。
ニク・ジャガスです。
私は、ついに観てしまいました。
『ハリー・ポッター20周年記念:リターントゥホグワーツ』を。
「U-NEXT入会の魔術」にかかってしまい、気づけば再生ボタンを押していました。
結論。
『ハリー・ポッター』と一緒の時代に生まれて良かった。
約10年間、8作品を同じチームでやり遂げた「ハリー・ポッター」という映画シリーズ。
それは、映画史において非常に稀有な作品群だと思います。
そんな魔法のような10年間を回顧する『ハリー・ポッター20周年記念:リターントゥホグワーツ』は、
人生で一度でも『ハリー・ポッター』に夢中になったことがある、全ての人に見て欲しいドキュメンタリーです。
感動の再会に喜ぶキャストたちを見ていると、なんだか胸が熱くなって思い切り泣いてしまいました。
プロローグ
冒頭シーン。
シリーズが終了して、それぞれの日々を過ごしている、
ハーマイオニー役のエマ・ワトソン
ネビル役のマシュー・ルイス
ハグリッド役のロビー・コルトレーン
が映し出され、ひょんなことからホグワーツ入学許可証を受け取る場面から始まります。
場所が変わり、キングスクロス駅の9と3/4番線のホーム。
停車しているホグワーツ特急にエマが乗り込みます。
カメラが車内に映るとお馴染みのキャストが談笑していたり、「T・フェルトン」「G・オールドマン」等と名札のついた荷物が映し出されたり…。
この時点で開始2分ですが、すでに涙腺が危ない。笑
これは余談ですが、マシュー・ルイスがイケメンになってて一瞬わからなかった。
アダム・レヴィーンとスティーブ・カレルを足して2で割った感じでしたね。笑
ホグワーツに到着すると、巨匠ジョン・ウィリアムズの名曲とともに大広間へ。そこには、我々が10年前に別れを告げたはずの世界が広がっています。
懐かしの共演者と次々に抱擁を交わすエマ。
中でもグッときたのがハグリッド役のロビー・コルトレーンとの抱擁。
この感情を、なんと表現すればいいか分かりません。
ただ、心から熱い何かが溢れます。
画面は変わり、ホグズミードへ。
そこで皆さまのお待ちかね、ダニエル・ラドクリフが姿を現し、本編がスタートします。
本編は、以下の4つの章に分かれて進行します。
第1章:生き残った男の子
(賢者の石、秘密の部屋)
クリス・コロンバス監督、J・K・ローリングがキャスティングに奔走した記憶を回想する場面から始まる第一章。
いや〜。
私は声を大にして言いたい。
クリス・コロンバス無くしてハリー・ポッターは始まらなかった!!!!!
演技経験のない子供がうじゃうじゃいる中で、長期間に渡る撮影をまとめ上げた手腕はもう、匠の技としか言いようがない。
ハリー、ロン、ハーマイオニー役を始めとするキャストの基礎、そして、映画作品としての『ハリー・ポッター』の世界観の基礎。
それを作り上げたのは、間違いなく第一作目の『賢者の石』であり、クリス・コロンバス監督の功績だと思います。
最終章のイメージなんて一つも持たないまま集まったスタッフ、キャストたち。
彼らにも「初めまして」の日があったんですね。
途中、各国の子供たちが本屋に列を作り、開店と同時に走って「ハリー・ポッター」の本を手に取るシーンがあります。
子供たちの満面の笑みを見ながら、「自分も、あの中の一人だったな」とジンワリ思い返しました。
もう二度と、あの時の幸せを味わえないのだと思うと、この感情こそ憂いの篩に閉じ込めたくなる。
なんだか切ないな。
それにしても、メイキング映像ではしゃぐ子供達を見ていると「こんなに幼かったの?」と改めて驚きます。
同世代だったので、何も違和感なく見てましたが…
ハリー、ロン、ハーマイオニーの3人はオフショットを見ていても、各役柄そのもの。
教師陣の俳優も含めて、キャスティングがウルトラ神がかっていたことを思い知らされます。
面白かったのが、マルフォイの父“ルシウス・マルフォイ”役のジェイソン・アイザックスの話。
別の役を希望していたジェイソンは、絶対にルシウス役に選ばれたくなくて、オーディションで嫌味な演技をしたら見事合格してしまったらしいです。笑
あくまで個人的な感想ですが、やはり「ハリー・ポッター」といえば『賢者の石』と『秘密の部屋』のイメージが未だに強いため、第1章は懐かしさで胸が張り裂けそうでした。
幼少期に抱いた高揚感は、大人になっても忘れられないものですね。
第2章:大人になること
(アズカバンの囚人、炎のゴブレット)
『アズカバンの囚人』が公開された当初、観客全員が思いましたよね。
「3から重くね…?」
ダークな雰囲気が増し、13歳を迎えたハリー達が大人の階段を上がる作品。
本作から監督が交代となり、アルフォンソ・キュアロンが務めました。
本編にはありませんでしたが、クリス・コロンバス監督の後継者の中にM・ナイト・シャマランの名前も挙がっていたそうです。
シャマランが監督だったら、トラウマ級のディメンターが登場したかもしれませんね。笑
『賢者の石』『秘密の部屋』ではまだ、共演者の凄さに気づいていなかった子役達。
しかし、『アズカバンの囚人』で初めて、彼らが畏怖するビッグボスが登場します。
その名も、ゲイリー・オールドマン。
ゲイリーと再会したダニエルは、とても嬉しそうではありますが、未だに緊張した面持ちになるのが印象的でした。
シリーズ4作目の『炎のゴブレット』では、初めての死者が出ます。
さぞかし強面の監督に代わったのだろうと思いきや、マイク・ニューウェル監督は笑ってしまうほど声が大きくて、とにかく明るいおじさんでした。笑
「反抗期の子供を惹きつけるにはデカい声だぜ!!」
これは彼の名言です。
また、忘れてはならないのがレイフ・ファインズ様の降臨ですよね!!
後に吸血鬼として活躍する彼が、本作ではヴォルデモートに魂を吸い取られてしまい、闇の帝王が復活…
私は『謎のプリンス』までLordの真の姿がレイフ様だということに気が付きませんでした。笑
第3章:内なる光と闇
(不死鳥の騎士団、謎のプリンス)
『不死鳥の騎士団』から参加組のヘレナ・ボナム=カーターがダニエルと再会。談笑するヘレナがベラトリックスそのもの過ぎる!
子供のように笑い、エネルギッシュに動くヘレナにダニエルも少し気圧されてましたね。笑
また、ルーナ・ラブグッド役のイヴァナ・リンチも個性が強い!
ルーナ役オーディションに参加した際、ダニエルとのスクリーンテストでまともに会話しなかったそう。
その不思議でマイペースな雰囲気がルーナにピッタリ!と、役を勝ち取ったイヴァナ。
「ハリー・ポッター」のキャスティングにおいては、“役者の素の姿“と“キャラクター像“に乖離がない、という点が重要なんでしょうね。
第4章:守るべきもの
(死の秘宝 Part.1 Part.2)
ここで、シリーズ出演後に早すぎる別れを告げた共演者達を悼みます。
スネイプ役のアラン・リックマン
オリバンダー役のジョン・ハート
ダーズリーおじさん役のリチャード・グリフィス
初代ダンブルドア役のリチャード・ハリス
マルフォイ母役のヘレン・マックロリー
どの俳優さんも、共演者達に影響を与え、とっても愛されていた事がヒシヒシと伝わってきました。
アラン・リックマン…もういないんだもんな。。
エピローグ
本編も終盤。
ダニエル、エマ、ルパートの3人が、特別な絆で結ばれていることを再確認し、共に支えあって過ごした怒涛の10年を讃え合います。
「ハリー・ポッター」というセンセーショナルな作品に携われたことへの感謝。
それが、誰かの人生を変えるほどの作品になったことの喜び。
家族同然の仲間に恵まれ、これから先もつながれることの幸せ。
自分達がこの世を去った後も、作品は色褪せることなく、誰かの孤独を癒し、人生の支えであり続ける。
キャスト、スタッフ、そして世界中の「ハリー・ポッター」ファンの絆は、深い愛情で結ばれ、永久に繋がっていくことを共有して、幕引きとなります。
「ハリー・ポッター」に夢中になったのは20年も前なのに、見終わった後は涙が止まりませんでした。
あぁ、この作品に出会えてよかった。
同じ時代に生まれてよかった。
心からそう思える作品でした。
今回も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました☺️