涙の少年は、誰かのヒーロー。
子どもの頃、早く大人になりたいと思った。
子どもながらに傷ついたこと、哀しかったことを、全部忘れないまま大人になるのだと心に誓った。
大人にとっては些細なことでも、子どもと等身大で痛みを分かち合いたいから。
そのときは、いつか子どもだった頃の私は抱きしめられて、寂しさを許せる日が来ると思っていたの。
そんな大切なことを、私たちはいとも簡単に忘れてしまうけれど。
でも、ふとした瞬間に心中をかすめる日もある。
たとえば、朝日を見ながら、珈琲を飲んだ時。
あるときは、ふかふかの毛布に包まれた余韻の中。
そして、またある時は、こんな飾らない囁きを読んだとき。
私たち皆が同じ経験をしたことはないはずなのに、不安な気持ちを重ね合わせて、ちゃんと追体験できる。
初めて出会う他者の一幕に、私たちは「私」を探すのだ。
そして、ドラマは展開され続ける。
知らない街の、知らない人の心の中で。
だからこそ私たちは言葉を探し、あなたの言葉は、どこかの誰かを救うのだ。
✩𓇼✩𓇼✩
p.s.お返しに。