『本山へ行く!』其の九 萬福寺
とりあえず3回連載企画『本山へ行く!』の第九回目記事になります。
この企画は、50以上ある京都の仏教諸宗派本山を寺院営業部・S木くんと一緒に参拝します。それぞれ興味のあるネタを探して、S木くんがインスタグラムに、わたくし工芸舎・F倉がnoteに、同時にネタをアップするインスタ&note連動新企画です。
今回の『本山へ行く!』は、宇治市にある黄檗宗大本山の萬福寺さんに行ってきました。
黄檗宗は禅宗の一派です。禅宗には黄檗宗の他に、栄西によってもたらされた臨済宗や、道元によってもたらされた曹洞宗があり、この2宗派は鎌倉時代に中国から日本に伝わった仏教宗派です。黄檗宗はちょっと遅れて、江戸時代に日本にやってきました。
萬福寺さんは中国明朝の建築を色濃く伝えています。それぞれの御堂もいいんですが、たくさん掛かっている額にも目を奪われます。現在でもこの色鮮やかさなので、創建当初は非常に豪華絢爛だったでしょう。
今回は建築ネタではなく、仏具ネタになります。
梵音具ってわかりますか?音によって何かしらの効果(=利益)を得る仏具を、総称して梵音具といいます。
一番有名なものは”除夜の鐘”の梵鐘かと思います。
↓こちらが萬福寺さんの梵鐘です。
お寺さんには、実に様々な梵音具があり、
↓こちらは鏧子
↓こちらは木魚
木魚は、萬福寺さんの開祖隠元隆琦禅師が中国からもたらしたものといわれています。
隠元さんのお名前にピンっと来た人は鋭い!インゲン豆も隠元禅師がもたらしたものの一つです。
↓梵鐘の小型版である喚鐘です。
↓これは木版といいます。萬福寺さんでは巡照版といって、木の板を叩いて合図を送る仏具になります。
↓こちらは雲版。雲のようなもこもこっとした形が特徴です。たとえば起床、食事などの開始の合図で鳴らされます。
↓こちらは銅鑼。
若林佛具と同じ七条通りには『笹屋伊織』さんという和菓子屋さんがあり、東寺の『弘法市』に合わせて期間限定で作られる”どらやき”が私は大好きです。一般的に思い描く形のどらやきではなく円筒状で、もちもちした食感がたまりません。
閑話休題
変わったところでは魚版があります〈※萬福寺さんのHPでは開梆となっています〉。
これが見たくて、ここに来ました。私的には”萌え””映え”仏具です。
↓ちゃんと歯が並んでいて玉をくわえているんです。リアル!かわいい!
生涯3回目の萬福寺さんでした。
ちなみに笹屋伊織さんはこちら
工芸舎・F倉