福知山城下の寺町に並ぶ寺院群の一つに、今回納品してきた海眼寺様があります。海眼寺様は臨済宗南禅寺派に所属する寺院で、境内地には山門・本堂・庫裡・観音堂・鐘楼を構え、いつもきれいに整備されています。 今回弊社に御下命のあった仏具は、観音堂宮殿と六葉や高欄金具など建築金物の修理でした。海眼寺様をご紹介いただいた能勢先生は、福知山に工務店を構える建築士さんで、京都府文化財マネージャーの先輩でもあります。 今回もたくさんの社員さんと職人さんに助けられながら、無事納品することが出来
先日、アメリカのある浄土真宗本願寺派の御寺院様からお預かりしている御像の修復にあたっている仏師から「蓮台の心棒に墨書きがある」と連絡がありました。 確認してみると、写真のように「御本山御用達」の文字とともに「大佛師十四世 畑治良右エ門」と墨書きがあります。 ところで、京都の七条には、運慶の流れを汲む仏師が代々幕府や朝廷の造像御用を請け負ってきた「七条仏所」という職人集団が定住していました。 その中でも特に技量の高い者は「大佛師」を名乗っていたと云われています。この墨書き
この企画は、50以上ある京都の仏教諸宗派本山をS木くんと一緒に参拝し、それぞれ興味のあるネタを探して、S木くんがInstagramに、わたくしF倉がnoteに、同時にネタをアップするInstagram&note連動企画です。 そして、専属カメラウーマンT辺さんが帯同してくれて、すばらしい写真を撮影してくれています。さらに、今回はS子さんも参加して賑やかな取材となりました。 令和5年の年末に差し掛かり、今回訪れたのは真言宗大覚寺派大本山・大覚寺さん。言わずと知れた旧嵯峨御所の
この企画は、50以上ある京都の仏教諸宗派本山をS木くんと一緒に参拝し、それぞれ興味のあるネタを探して、S木くんがInstagramに、わたくしF倉がnoteに、同時にネタをアップするInstagram&note連動企画です。 そして、専属カメラウーマンT辺さんが帯同してくれて、すばらしい写真を撮影してくれています。 今回は京都市上京区にある日蓮宗本山、本法寺さんへ行ってきました。 豊臣秀吉の聚楽第建設計画のため、堀川寺ノ内に寺地移転を余儀なくされた日蓮宗本山は多く、室町時代
ようやく修了しました、京都市文化財マネージャー(建造物)講座。長かったー! 今年1月14日に開講されたこの講座、7月22日の修了課題発表会まで、ほぼ隔週土曜日朝10時から17時まで、みっちり文化財に関することが学べます。そして、受講費用は3万円という破格の値段!この金額で、これだけ充実した内容を学べるのはなんともお得! 今回で第13回を迎えるこの講座は36名の受講者で構成され、1班あたり6名で6班に振り分けられますが、各班に数名の建築士さんが配置されます。年齢や職業、住ま
和歌山県伊都郡高野町にある高野山真言宗の総本山、金剛峯寺様に「千体仏」を納めてきました。 金剛峯寺様の公式HPはこちら↓ 金剛峯寺様は高野山全体に境内が広がる伽藍配置で、山上には大塔や金堂、経蔵など様々な建造物が立ち並び、中門を潜ると一気に「壇上伽藍」の名称そのままに”雲上の宗教都市”に誘われます。 その最深部には「奥之院」という最も神聖な地域があり、弘法大師空海様が今も御入定〈瞑想〉されている御廟を中心に、灯籠堂や不動堂〈護摩堂〉、御供所などを備え、壇上伽藍とは一味違っ
この企画は、50以上ある京都の仏教諸宗派本山をS木くんと一緒に参拝し、それぞれ興味のあるネタを探して、S木くんがInstagramに、わたくしF倉がnoteに、同時にネタをアップするInstagram&note連動企画です。 そして、専属カメラウーマンT辺さんが帯同してくれて、すばらしい写真を撮影してくれています。 今回の『本山へ行く!』で訪れたのは、京都市北区にある大徳寺さん。 大徳寺さんは鎌倉時代末期正和4年(1315)に大燈国師・宗峰妙超禅師(しゅうほうみょうちょう
とりあえず3回連載企画『本山へ行く!』だったので、2021年12月の『其の十二 四天王寺』を最後に打ち切ろうと思っていましたが、1年の充電期間を経て再開いたしました『本山へ行く!』。 この企画は、50以上ある京都の仏教諸宗派本山をS木くんと一緒に参拝し、 それぞれ興味のあるネタを探して、S木くんがInstagramに、わたくしF倉がnoteに、同時にネタをアップするInstagram&note連動企画です。 そして、専属カメラウーマンT辺さんが同道して、すばらしい写真を撮影
京都本店店頭販売のS川です。今年の4月より、店長になりました。 改めてよろしくお願いいたします。 実は現在京都本店では店頭販売として一緒に働く仲間を募集しています。 こういった求人サイトでは、多くの方にみていただけるものの、私たちの仕事や想いをお伝えするには制限があるので、今回の募集にあたっての想いをnoteに書かせていただくことにしました。 若林佛具製作所についてこの記事をご覧になられた方の中にはこの記事を偶然見つけた、という方も少なくないと思います。当社は1830年
大阪府高槻市の浄土真宗本願寺派円覚寺様で、漆塗工事を施工してきました。 内陣正面敷居を黒漆塗蝋色仕上げ、内陣床を赤摺漆仕上げ、黒色唄金具を金箔押しに変更するという内容で、今回は珍しい赤色の摺漆仕上げについてお話ししたいと思います。 円覚寺様の本堂は、200~300年ほど前の日蓮宗寺院の仏堂を、いつの頃か現在地に移築して浄土真宗寺院の本堂に改築した建造物で、歴代のご住職やご寺族、ご門徒様が大切に守ってこられました。 床板には、灯明油のシミや落とした物の傷が付いていたものの
日本のお香と西洋のフレグランスの文化を融合させたインテリア・アロマインセンスブランド「東京香堂」。その東京香堂を主催するペレス千夏子氏を講師としてお招きし、ふだんはなかなか触れることのできない調香前お香の素材について学び、実際にお香作りも体験できるワークショップ「香りに触れ合うヒトトキ」を4月15日と16日の2日間にわたり開催しました。 今回は2日間で計4回の会を行い、のべ20名の方に参加いただきました。はじめての開催でしたが「満足できる内容だった」「楽しかった」というお声
この度ご注文をいただいた御掛軸は、『十字名号』御掛軸と言います。本紙中央に書かれた「帰命盡十方无碍光如来」という十個の漢字で構成されているので十字名号、読み方は「きみょうじんじっぽうむげこうにょらい」と読み、意味としては「阿弥陀様を心から信じます」ということです。 この御掛軸、福井市にある浄土真宗本願寺派・平乗寺様からお預かりしていたもので、『真宗重宝聚英』第1巻(同朋舎メディアプラン、平成18年)にも所収されている貴重なご法物です。 今年に厳修される住職継職法要に向けて
とりあえず3回連載企画『本山へ行く!』の第12回目記事になります。 この企画は、50以上ある京都の仏教諸宗派本山を寺院営業部・S木くんと一緒に参拝します。それぞれ興味のあるネタを探して、S木くんがインスタグラムに、わたくし工芸舎・F倉がnoteに、同時にネタをアップするインスタ&note連動新企画です。 年内最後の配信になります。第12回目の『本山へ行く!』は、京都を飛び出して大阪市天王寺区にある和宗総本山・四天王寺さんに行ってきました。 なぜ四天王寺さんに来たかという
とりあえず3回連載企画『本山へ行く!』の第11回目記事になります。 この企画は、50以上ある京都の仏教諸宗派本山を寺院営業部・S木くんと一緒に参拝します。それぞれ興味のあるネタを探して、S木くんがインスタグラムに、わたくし工芸舎・F倉がnoteに、同時にネタをアップするインスタ&note連動新企画です。 年内最後か?!第11回目の『本山へ行く!』は、京都市東山区にある臨済宗東福寺派大本山・東福寺さんに行ってきました。 取材当日は、暖かな陽が差す秋晴れでした。そして狙い通
とりあえず3回連載企画『本山へ行く!』の第十回目記事になります。 この企画は、50以上ある京都の仏教諸宗派本山を寺院営業部・S木くんと一緒に参拝します。それぞれ興味のあるネタを探して、S木くんがインスタグラムに、わたくし工芸舎・F倉がnoteに、同時にネタをアップするインスタ&note連動新企画です。 記念すべき!第十回の『本山へ行く!』は、京都市東山区にある浄土宗総本山・知恩院さんに行ってきました。 知恩院さんの境内地は上段・中段・下段で構成されています。上段は知恩院
とりあえず3回連載企画『本山へ行く!』の第九回目記事になります。 この企画は、50以上ある京都の仏教諸宗派本山を寺院営業部・S木くんと一緒に参拝します。それぞれ興味のあるネタを探して、S木くんがインスタグラムに、わたくし工芸舎・F倉がnoteに、同時にネタをアップするインスタ&note連動新企画です。 今回の『本山へ行く!』は、宇治市にある黄檗宗大本山の萬福寺さんに行ってきました。 黄檗宗は禅宗の一派です。禅宗には黄檗宗の他に、栄西によってもたらされた臨済宗や、道元によ