「香りに触れ合うヒトトキ」ワークショップレポート
日本のお香と西洋のフレグランスの文化を融合させたインテリア・アロマインセンスブランド「東京香堂」。その東京香堂を主催するペレス千夏子氏を講師としてお招きし、ふだんはなかなか触れることのできない調香前お香の素材について学び、実際にお香作りも体験できるワークショップ「香りに触れ合うヒトトキ」を4月15日と16日の2日間にわたり開催しました。
今回は2日間で計4回の会を行い、のべ20名の方に参加いただきました。はじめての開催でしたが「満足できる内容だった」「楽しかった」というお声もいただくことのでき、笑顔あふれる開催とすることができました。
お線香メーカーで生まれ、香りの世界に魅せられてフランスで調香を学ばれた稀有なキャリアをお持ちのペレス氏。だからこそ、日本の暮らしや気候にも合わせつつ、香りの国フランスのエレガントさやエスプリを兼ね備えた他にはない提案をされています。
そんな同氏が1番大切にされているのは、香りを作り出す素材たち。その素材の多くは花や木など植物から抽出されたものだそう。「お香は植物そのもの」とおっしゃるペレス氏。ワークショップではそんな素材たちの奥深さや魅力についても自身の経験や想いを交えながらお話いただきました。
前半に行ったのは、hito/tokiに使われている素材をひとつひとつ体験してみる「香りの聴き比べ」。
調合されたひとつのhito/tokiの香りの中に、20から30種類くらいの素材が使われているそう。
香りを聴いていきます。
頭の中のイメージを越えてくる抽出された植物の香りに感動!
同じ素材でも蒸留所が異なるだけで生み出される香りがまったく別物になるそう。また、同じ素材でも採取場所が違えば香りは異なるそうで、なんと、同じ場所でも朝に採取するのか夕方に採取するのかだけでも香りが違ってくるとのことです。実際にオークモスという苔の一種から抽出されたものを聴き比べさせていただくと、まるで同じ素材とは思えない香りの違いに、参加されていた皆さまもとても驚いていました。
後半に行ったのは白檀と椨粉(たぶこ)だけを使った「お香作り」。椨粉というのは椨の木の粉で成形時のつなぎの役割をします。
まずは用意していただいた乳鉢の中で白檀と椨粉を混ぜます。ほんのり優しい香り。
ある程度混ざったところで少しずつ水を加えてさらに混ぜます。耳たぶくらいの固さになったら手で捏ねて成形。
成形する太さや長さ、かたちによって焚いたときの香りの現れ方が違うのだそう。皆さま思い思いのかたちに仕上げていきます。
完成したお香は3日から5日ほどかけて自然乾燥させます。自然に乾燥して仕上がっていく、そんな待つ時間も楽しんでほしいとおっしゃるペレス氏。いつの間にか夢中になって自分だけのお香を作っている皆さまの表情は真剣でそれでいて楽しそうでした。
ワークショップでは初対面同士の方も多かったのですが、はじめて出会う香りに驚いたり感動したり笑ったり、夢中で混ぜたり捏ねたりお香を作っているうちに「気持ちいいですねー!」「すごい!」「どこから来られたんですか?」と参加者さま同士も打ち解け、1時間の会があっという間に過ぎてしまう、和気あいあいとしたワークショップとなりました。
今回のワークショップの講師を行っていただいた、ペレス氏が主催する東京香堂のお香は、若林佛具製作所京都本店でも取り扱っております。どの香りも今までの体験を覆すようなステキな香りばかりです。ご興味のある方はぜひお気軽にお立ち寄りくださいませ。
販売部・S川