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備えよ 常に #49 リスクマネジメント

企業にとっても、その価値を維持・増大していくために、経営を行っていく上で障壁となるリスクおよびそのリスクが及ぼす影響を正確に把握し、事前に対策を講じることが重要となります。
それによって、危機発生を回避するとともに、危機発生時の損失を極小化させる取り組みであるリスクマネジメントを徹底させる必要があります。

そもそも、リスクと危機そのものではなく、予想通りにいかない可能性や起因する損失などのことです。
典型的なのが災害ですが、受け身ばかりではありません。
攻めの戦略においても、その備えは重要です。
例えば、メイン戦略に対して、リスクマネジメントとしてサブ戦略を備えておくことも重要となります。

全国各地で、地震、台風、豪雨、津波、雪崩、噴火などの自然災害が頻発しています。
2024年は年明け早々の1月1日に能登半島地震が発生して甚大な被害をもたらしました。
首都圏直下地震が起こる可能性が高いともされています。
そのため、地域を限定することなく、火災などの二次災害も含めて防災対策は重要視されております。

例えば、行政としても次の様な責務を掲げ活動しています。
・災害対策を的確かつ円滑に実施するとともに、防災体制を整備する。
・平時より防災関係機関、他の地方公共団体との連携、協力を図る。
・住民、防災住民組織、事業者、ボランティア等との協力体制の構築に努める。

また、企業である事業者に対しては、次の様な努めなどが求められています。
・管理する施設および設備の安全を確保する。
・従業員、来訪者等の安全を確保する。
・災害時は、行政や防災住民組織等と連携、協力し、地域の応急活動等を行うよう努める。

そもそも、災害に限らず、事が起きてから慌てても時、既に遅しです。
大切なのは、事が起きる前に、どれだけ準備できていたかで、対応成果が大きく違ってくることを理解しておく必要があります。


また、企業である以上、社会に貢献する存在です。
もし、その活動が停止したら社会活動にも大きな影響を及ぼしかねません。

そのため、各社には、BCMの徹底が求められています。
BCMとは、Business Continuity Managementの略で、事業継続マネジメントのことをいいます。
経営資源を平常時、緊急時に限らず、途絶えることなく確保するため、事業継続・復旧の優先付けを行うなど、重要な経営判断の実行性を確保することが求められるものです。
その対象は、自然災害だけではなく、感染症、設備事故、火災、テロなど多岐に渡ります。

そのため事前に、BCPの策定が求められます。
BCPとは、Business Continuity Planの略で、事業継続計画のことをいいます。
この中では、企業が緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。(中小企業庁ホームページより抜粋)

つまり、BCMは、あらゆるリスクを想定して、事前に備える体制をつくることとなります。

そのために災害時の安全確保の観点から、避難訓練、消火訓練、安全パトロールなどを実施してます。
また、災害が起きてしまった際の対処方法として、AED(自動体外式除細動器)の操作やケガをした際の緊急処置であるRICE処置などの社員教育も定期的に実施する必要があります。

これは、企業に限ったことではなく、住まいのあるコミュニティにも言えることですが、災害対策では、自助・共助・公助の連携が重要です。

特に重要視しなければならないのが自助でないかと考えております。
共助にしても、公助にしても、組織によるものです。
そして、その組織を構成するのは、個人です。
・平時より自ら災害に備える。
・災害時は、自分と家族の安全を確保する。
・会社や地域など身近にいる人同士が助け合い、安全を確保する。
まずは、各個人が各々で、この自助精神を持つことが、より価値の高い自助・共助・公助の連携となり、防災成果につながるものと考えます。

私は、2011年3月11日の東日本大震災の被害を現地で体験しています。
自助に関しては、正直、ほぼ無防備でした。
仕事もまともに出来ないどころか、食べ物や水の確保すら困難な状態でした。
しかし、共助・公助の連携が救いでした。
私自身も、瓦礫の撤去などのボランティア活動に積極的に参加したことを思い出します。
平時だからも決して油断してはなりません。

また、受け身だけでは事業を継続することはできません。
ビジネスの環境が変われば、社会や顧客が求めるニーズも変化します。
既存の事業に満足して現状維持のままであれば、いつ事業が衰退あるいは消滅するかわかりません。
そのためのリスクマメジメントとも言えるのが、新規事業などの新しい取り組みへのチャレンジです。
また、そのような新しい取り組みだからこそ、失敗する確率も高くなります。
よって、ここにも、失敗を考慮したリスクヘッジ策を準備しておく必要があります。
正に、事業を推進する如何なる場面にもリスクマネジメントが伴うものであると捉えるべきです。


備えよ 常に (Be Prepared)


いつ如何なる時も、リスクに対して、個々が常に備えることが大切です。
そして、それでも予期しないことが起こるのも現実として覚悟する必要があるのだと思います。

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