検証は主観的ではならない #138 客観的評価
組織において評価が厄介なのが、「頑張った」や「一生懸命やった」などの主観的な主張です。
確かに頑張ったのだろうし、一生懸命にやったのだと思います。
決して、その主張を決して疑うつもりはありません。
しかし、それを評価する場合には、何らかの基準が必要となります。
それが相対評価なら、組織内の人たちと比較する必要があります。
絶対評価なのであれば、絶対的な評価基準を設定して、それと比較する必要があります。
大切なのは比較する上で、基準を如何に客観的に設定できるかです。
マネジメントサイクルとも言われるPDCAサイクルで考えます。
そもそも、マネジメントとは、成果を出すための機能です。
PDCAとは、[Plan計画]→[Do実行]→[Check評価]→[Act改善]を意味します。
つまり、[C評価]を検証する上での基準を[P計画]の段階で設定する必要があります。
売上100万円を獲得するために、顧客1社当たり10万円が必要なのであれば、10社から受注する必要があります。
そこから10社から受注するためには、逆算思考で、何社と商談する必要があるのかを設定します。
この商談件数がKPIとなります。
KPI(Key Performance Indicator)とは、計画を達成させるための行動指標です。
つまり、KPIとは、[D実行]することで、[P計画]を達成することを前提に定めた客観的な指標となります。
ここを主観的な曖昧なものにしたら、絶対にPDCAは回りません。
しかし、PDCAサイクル当初のKPIは、仮説であると言えます。
実際には、KPIを[D実行]したからといって、[P計画]を達成できない可能性が高いともいえます。
そのために必要なのが、[C評価]です。
KPIが曖昧なものであれば、この[C評価]も曖昧となり、一向に成果を得ることはできません。
決して主観的に評価するのではなく、数字による客観的な評価が重要となります。
例えば、100万円の受注を目指して、10社×10万円の成約を取るためにKPIとして50件の商談を実施したとします。
結果、80万円しか受注出来なかった場合には、どの様な評価をするのかです。
とにかく、原因を順に[C評価]できるロジカルな仕組みづくりが大切です。
切り口は様々です。
成約率が低く、そもそものKPIが50件では不足していた可能性があります。
また、1件当たりの10万円を多く見過ぎたのかもしれません。
あるいは、商談1件に要する時間が不足していたり、質が低かった可能性もあります。
この[C評価]で新たな仮説を設定して、[A改善]した行動、あるいは、[P計画]の見直しなどを行うこととなります。
何事も初めて取り組むことは、仮説要素が多くなります。
しかし、仮説要素が多いからこそ、主観的ではなく、客観的な評価を行える仕組みが必要になります。
この様に客観的な指標によってマネジメントを機能させ続けることで、確実に成果に近づくものと考えます。