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人は無意識に無駄を増やす #76 パーキンソンの法則
人は一人で成せることに限界があります。
より大きなことを成すために、同じ目的を持った人たちと協力し合うための機関が組織です。
そのため組織には、目的を果たす使命、そして、成員には、それに貢献する使命があります。
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イギリスの行政機関を研究していたシリル・ノースコート・パーキンソン氏が、組織における無駄を生み出すメカニズムとして1957年にパーキンソンの法則を発表します。
その中で、組織の無駄には、基本的には2つの要因があるとしています。
まず、自分の仕事の負担を減らすために人員を増やすことを望む傾向があったとしています。
また、人を増やすことによって、お互いの仕事の責任を軽減あるいは転嫁させる傾向もあるともしています。
それは、組織において、仕事の量とは無関係に時間や経費が無駄に増え続けるというものでした。
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具体的には、3つの法則があります。
第一法則
・仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
第二法則
・支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
凡俗法則
・組織は些細な物事に対して、不釣り合いなほど重点を置く
これらは、現代の企業組織にも通じるところがあります。
常に時間がないが口癖の人を見かける時があります。
実際、資料提出などでも、期限ギリギリか、遅延の常習者です。
それを考慮して、本来、5日間の期限にしたいところを余裕を持たせて10日間にします。
しかし、そのような人は、やはり期限ギリギリか結局、期限から遅れます。
売上目標をなかなか達成できない人です。
毎月、常に90%前後の達成率で終わってしまいます。
そのため売上目標を10%程度下げてみると、結局、達成率は90%前後となってしまいます。
コミュニケーションを重視するあまり、何事も会議で解決したがる人です。
結果、簡単な案件でも、多くの人の時間を拘束し、無駄な議論や時間を費やすこととなってしまいます。
こうした事例はパーキンソンの法則に陥った典型的なものです。
パーキンソンの法則は心理学にも通じる人間の本質的な性質でもあります。
目的や目標を果たそうとした場合、最初から余裕を持ったリソースを投入しようとします。
しかし、その前に、まず、仮説を立てて実行してみることです。
例えば、期限管理です。
期限が10日後ならば、まず、5日後に提出するようにすべきです。
それが受理されたら完了ですし、仮に差し戻しとなれば、残り5日の半分である2.5日を使って再提出するまでです。
これでも、期限より、2.5日も余裕が生まれ、結果、生産性も上がりますし、提出するモノの質も高まるハズです。
経費においては、あえて、余裕を持った予算組みをするのではなく、例えば、20%程度を予備費として別枠にして業務を進めてはどうかと考えます。
その上で、予算不足になったのであれば、その原因を検証した上で、対策を講じて、予備費から捻出することで、無駄な経費の発生を抑えることが可能です。
また、仕事には、重要度と緊急度の観点から優先順位つけることが大切です。
定例会議はその典型で、重要度の高い関係だけに絞り短時間で終わらせるべきだと考えます。
更に緊急度が高いならば、定例会議などを待たずに臨時の会議やミーティングで結論を出すことが大切です。
こうすることで、多くの人たちの時間を制約する会議の生産性を高めることができるはずです。
パーキンソンの法則は、組織が無意識に陥ってしまう無駄な事象をカタチにしたものです。
ならば、それを逆手に取って、意識的に無駄を排除し、生産性の高い、つまりは、タイムパフォーマンス、コストパフォーマンスの高い組織づくりに活かしてはどうかと考えます。