発揮してこそ価値がある #167 能力の差
人は、一人で成せることには限界があります。
それ故に、同じ目的を持った人たちと組織を形成します。
企業も組織である以上、その目的を果たす必要があります。
そのための機能がマネジメントです。
故に、マネジメントは、経営者や組織を司るマネジャーが機能させるものと考えられがちです。
実際、組織を構成する個々は、組織の目的を共有していても、それを実現させるための方法論は、それぞれです。
また、それぞれの能力も均一ではありませんし、それぞれに、長所もあれば、欠点もあります。
その様な状況下にあって、組織をして成果をあげさせるためにマネジャーはマネジメントを機能させます。
しかし、組織に属する個人が、自分自身のマネジメントまでをマネジャーに委ねるのとは違います。
組織のマネジメント以前に、まずは、そこに属する個人が自分自身のマネジメントを行うことが重要となります。
その上で、組織の目的を果たすために、 個々の能力を把握してマネジメントするのがマネジャーの職務です。
個人が自身に課せられた職務を遂行する上で必要なのが持ち得た能力です。
まず、必要になってくるのがナレッジです。
ナレッジ(Knowledge)とは、目的を果たす上で必要な蓄積した情報や実績を基にしたあらゆる知識です。
そして、個人の持つナレッジを組織全体で共有し、組織の生産性の向上や新たな価値の創造などにつなげる経営手法をナレッジマネジメントと言います。
ナレッジマネジメントによって、ナレッジを共有したからと言って、マネジメントが機能するものではありません。
そこで必要になってくるのがスキルです。
スキル(skill)とは、専門的な技術のこととなります。
ナレッジを理解した上で、それを実践に反映させるのは、専門性が高くなれば、なるほど容易ではありません。
正に反復練習、訓練、多くの体験が必要となります。
良く理解しておかなければならないのが、ここでのナレッジやスキルは、自身が持ち得た発揮可能な潜在能力ということです。
能力を評価する上で、潜在能力を対象にすべきではないと考えています。
結局は、どんなに潜在能力が高かろうとも、それを発揮して顕在化させなかればマネジメントとして評価できないからです。
正直、潜在能力を高めるのは、簡単ではありませんが、不可能でなはないと思います。
また、ある意味、職務として強制的に身に着けさせることも可能なのかと思います。
これまで発揮していなかった潜在能力を発揮することは成果を高めることができるはずです。
それでも、なかなか発揮するに至りません。
人には、現状を現状のまま維持したいと思う無意識の欲求があるとされています。
結局は、職務遂行に必要な潜在能力は持ち得ているはずなのに、それを発揮する、一歩を踏み出す勇気がない人が少なからず存在してしまいます。
その様な人を、トップダウンで強要して一時的に動かすことも可能かと思います。
しかし、それでは継続性が生まれませんので、根本的な解決にはなりません。
むしろ、反発心まで湧き出てしまう可能性があります。
結局は、能力とは、ナレッジ、スキルの潜在能力を高め、それを活かして、発揮しようとするマインドの強さであると思います。
あとは、本人が、能動的に自分の職務を理解し、それを果たすために意識して、行動に移す以外にありません。
出所は分かりませんが、以前から、SNSなどでよく見かけるものに「1.01の法則」と「0.99の法則」と言うものがあります。
たった、0.01の違いでも、継続することで大きな力もなり、かたや力を減らしてしまいます。
現状維持ではなく、僅かでも良いので、決して諦めることなく、潜在能力を発揮し続けることが大切です。
また、マネジャーであれば、発揮するようにフィードバックを投げ続けるしかないのだと考えます。