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ミッションの視座を高める #192 パラダイムシフト
組織とは、共通する目的を達成するために情報を共有して貢献し合う個の集まりです。
故に、その組織の成員である個々は例外なく、共通目的を達成するために行動しなければなりません。
ところが、その個々のスキルや意識などにバラつきがあるのも事実です。
そのため組織が、その共通目的を達成させるため必要な指針が、ミッションであり、達成させるための機能がマネジメントです。
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そもそも人は、何らかの欲求を満たすことために行動します。
しかし、その行動を現状を現状のまま維持したいと思う無意識の欲求である現状維持バイアスが妨げます。
マネジメントでは、組織や個人に根ずく、この現状維持バイアスを外させ、目的を達成するための行動に結び付けさせることが重要になってくると考えます。
クリスマスが近づくと必ず思い出すのが、「サンタクロースのミッション」のお話です。
この話は、もう、ずいぶんと前になりますが、あるセミナーに参加した時に教えていただきました。
そもそも、サンタクロースのミッションとは何なのかです。
それを、「クリスマスに、子供たちへプレゼントを届けること」としたらどうかです。
そうなると、当事者であるサンタクロースは、このミッションをどう受け取るのかです。
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「仕事だからプレゼントを届けるけど、ホントは寒いし、夜中だし、忙しくって、心身ともに疲弊して、やってられない。」
と受け取ってしまうかもしれません。
しかし、サンタクロースの仕事とは、そのような内向きな利己的な考え方、つまりは、プロダクトアウトの発想で成り立たせて良いものなのかです。
顧客である子供たちは、こんな考えのサンタクロースから事務的にプレゼントをもらって、嬉しいのかです。
この様な、やらされ仕事で、サンタクロースはミッションを果たしたと言えるのかです。
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サンタクロースが果たすべきミッションとは一体、なんでしょうか。
マネジメントによって果たすべき企業のミッションは、「顧客の創造」であるといわれています。
対して、内向きで利己的なプロダクトアウトの発想で、「顧客の創造」は達成できるのかです。
少なくとも、「クリスマスに、子供たちへプレゼントを届けること」的なやらされ仕事で届いたプレゼントに子供たちは、心から喜んでくれないと思います。
パラダイムシフトという概念があります。
パラダイムとは、モノ事の考え方のことです。
つまり、モノ事の考え方を、より上層思考で捉えることと捉えて良いかと思います。
視座を上げると言ったりもします。
その概念から、プロダクトアウトの発想のミッションをパラダイムチェンジしてみます。
「クリスマスに、子供たちへプレゼントを届けること」
↓
「クリスマスに、子供たちへ愛を届けること」
揚げ足をとる人は、単なる言葉遊びと指摘するかもしれません。
しかし、視座を変えただけで、やらされ仕事が使命感のある仕事に変わります。
サンタクロースのミッションは、「プレゼントを届ける」ことではなく、「愛を届ける」こと。
この視座を変えたパラダイムの違いで、「働く人の意識」と「顧客に届く価値観」は180度、違って来ます。
企業の目的は、「顧客の創造」といわれています。
そして、それを実現させるために企業には、個々にミッションがあります。
今後も、サンタクロースのミッションの如く、顧客の皆様にとって価値あるご提案ができるように努めて参ります。