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「本わらび餅」と「わらび餅」 どう違うの?

とろとろ〜っとやわらかい「わらび餅」のことを、これまで何も考えずに「美味しい&大好き」なんて言いながらいただいてきたウン十年。

先日、職人さんがわらびを育て根を掘り起こし、水洗いと精製を繰り返し3年かけて作り上げた「わらび粉」をつかって作られた「本わらび餅」をいただきました。
もう本当に美味しかった!

…しかし、そこで疑問が生まれます。

「はて? 今までいただいてきたわらび餅はなんだったの?」


和菓子屋さんのわらび餅から、スーパーの低価格のわらび餅まで、わらび餅はピンキリに存在します。
とはいえ、どれも美味しくいただきますけどね。

「本」とつくのは、本物なんだろうなくらいの認識で生きてきました。

本物ってなんなんでしょうか?
さらに反対のニセモノ?というのはどういうことなのでしょう。
恥ずかしいことに、これまで深く考えたことがなかったのです…


「まつ月」さんのわらび餅

わらび餅について

わらび餅は、わらび粉に水と砂糖を加えて加熱して練ったお菓子です。

きなこや黒蜜をかけていただくことが多く、その正体は「デンプン」です。

本わらび餅は、本物のわらびの根っこからつくった「本わらび粉」をつかって作ったもの。
本がつかないわらび餅は、さつまいもなどの別のデンプンで作られています。

本わらび粉は、前述のように出来上がるまで時間がかかることと、たくさんの根っこからほんの少ししか作ることができないことから、とても貴重。
そのため、もっと気軽にいただけるように、さつまいもなどのデンプンを使用したわらび餅が多く作られているのです。

本わらび餅と、わらび餅は、もちろん風味やなめらかさが異なりますが、大きく味が違うわけではありません。
つまり、よ〜く注意していただかないと、きなこや黒蜜の味に誤魔化されちゃうところがあるんですね。

「本わらび粉」が100%でなくても、本わらび粉がメインで入っていれば「本わらび餅」として売られていることもある感じもします。

本わらび粉100%が必ずしも良いわけではなくて、美味しいわらび餅のために和菓子屋さんが工夫を凝らして他の素材を入れている場合があります。
その工夫でより美味しくなっているのならウエルカムですよね。


「樫舎」さんの蕨餅 包餡と角
国産本蕨粉(鹿児島産)と甜菜糖だけで仕立てられています



わらび粉の違い

わかりやすいように、製菓材料専門店の富澤商店さんで販売されているわらび粉を比較してみます。

本わらび粉」は、「南九州で採取したわらびを100%使用した純わらび粉です」と説明があります。
お値段は100グラムで税抜1500円
原材料は「蕨根(鹿児島県産、宮崎県産)」

特選わらび粉」は、「癖のないれんこんでんぷんに風味豊かな本わらび粉を加えました。和菓子屋さんでも多く使われている高級品です」とあり、
高級品の分類ながら、本わらび粉はおそらくちょっとだけ入っているのだと思います。
こちらのお値段は200グラムで税抜530円
原材料は「れんこんでん粉(れんこん(中国産))、本蕨粉/加工デンプン」

なるほど、価格が全く異なりますね。
でもきっと「特選わらび粉」で作るわらび餅も美味しいんだろうな♪

結論

そんなわけで、違いがわかれば「本わらび餅」をたいそうありがたくいただけるという結果になりました。

最近まとめて本わらび餅をいただいたので、なんとなく違いがわかるようになった気がしますが、そんなに自信はないですね。

これからもいろいろなわらび餅を美味しくいただいていきたいです!

おまけ

実はもうひとつ気になることがあります。
「わらび餅」と「関西のくず餅」が一緒に出てきたら、違いがわかるのかな…

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