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かるくて

着なくなった古いセーター
遊ばなくなった玩具
私の部屋にはいくつの面影が隠れているのだろう

私の元を離れてどこかへ羽ばたいてくれるのなら
それがいい

しかし
野暮ったるく足腰が大鬱の様に重い私は
彼等を陽下に出そうとはせず
押し入れの奥の暗がりにズドっと置いたまま

自身のていたらくのもと
命の口を封じ置き去りにしている

私がこの世を去る時に
この手で掴んでいけるのは
たったひとつかふたつだろう

それだけ持っていればいい
それだけ抱いて向かえばいい

だから今の私は沢山の荷物と共に橋を渡ることになる
これじゃあ重さで橋が崩れるか
私が途中で倒れるかの競争だ


スッとすれば
パッとするのに


私はなにもいらないからと
心身想える人になりたい

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