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詩/星間遊泳

月が泳ぐ

漆黒の海のなか

溺れない様に

少し欠けながら

追いかけた

夢中で

星屑が頬に当たる

うまく泳げない私

月に離される

彷徨った冷たい夜

息継ぎは白い息

高鳴る胸の鼓動が

アスファルトを遠ざける

白い浮雲が

海月の様に刺す

痛みなら

柔らかな言葉だけで包んで

そっと朝を待っている

あなたの家の上空を

泳いで通り過ぎていく

夢の中で逢いましょう

眩む程の月光

触るまでは私の夜は終わらない

鰯の群れの様な星屑のなか

月までそっと泳いでいきたい

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