シルフに逢ったら言っといて

コロンコロン

百合の花を揺らす風は
献身的とは程遠く
ただひたすらに遊び心と向かい合っている

ゴロンゴロン

私の固く重い石頭を揺らす風は
遊び心とは程遠く
ただの一心に私のまだ石化されていない心と向かい合っている


ポロンポロン

産毛だけでは守りきれない
弱りきった泪の足跡を
消し去るように吹くそれは
あなたの優しい調べの風音

霧風が走る街の真ん中で
潤いに慣れていない孤独の虫は
突風に吹かれたかの様に眼を瞑っては報われた

誰にだって
なんにだって
表情の違う健気な風は吹くのだから

見落とさないでぎゅっと感じて
そこには悪戯で純心な言葉が
たっぷりと詰まっているから

苦しいと感じるときに
自然の力に頼る癖が
なんとか私を立たせてくれる

あなたの他者への小さな息吹も
慈悲深い自然の一部になるのだから

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