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渡辺 杜太朗
2021年11月24日 22:36
私はこの頃風に煽られていません吹く風は白く抜けてくだけです私はこの頃月を見ていませんやはりぼんやり浮かんだ透明色なのです私はこの頃街を歩いていませんレールの上を弾くトロッコの様に押し流されて転がるばかりです私はこの頃誰とも喋っていません口から吐き出るは未完の手紙だけでして私はこの頃何も食べていません感謝のひとつも忘れていましたこのうたは私が反省する為のうたこのうた
2021年11月23日 11:41
緩やかな斜面にふわっと足を降ろす転がらないようにここはゆっくり眠りながらそおっと滑っていく斜面ゆっくり ちょっとねみんなよちよち滑っていくがぱちっと目を覚ましてからはだんだんとスピードが出る転がる者ぶつかる者止まる者いろんな滑りになるみたい私は斜面を登ろうとしたが爪が割れてしまい登れなかったこの斜面にふわっと足をついたから滑っていくのもふわっとさら
2021年11月16日 10:28
潮騒を五月蝿く感じたら私が私じゃない合図可憐で繊細な波粒の欠片が私の傷口に刺さっているのカモメに笑われたら私の胸中にある海の水量が溢れてしまう合図気高いカモメの群れさえも敵だと認識してるみたいそんな私は私じゃないからここでのお話は内緒にしてね海はいつでも無垢で綺麗に問いかけてくるあどけない水平線からこちらへ
2021年11月14日 21:00
癇癪起こした太陽燃えたのは心構えのない白球ひょろっと好天に打ち上がるぽつんと回転 青に白見上げた熊の外野手は大きな左手をガブリと開いた瞬間は空白のページ手繰り寄せたのは目は眩む閃光太陽炉に灼かれた両目視界は黄色いインクに染まった灼球は何食わぬ表情で矢継ぎ早に向こうの芝と仲良く遊ぶ歓声は落胆に落胆は歓声に熊は転がりヌクヌク遠ざかる灼球を目指した川上で狩を
2021年11月11日 14:28
もの悲しい もの悲しい高い美空はもの寂しい大地と空が離れた分だけ私の身体は小さくなるのそしたら私の心まで縮んでしまってもの悲しい熱を出したもみじに言われたあんたの色素が羨ましい身体が熱くて野暮ったいもの寂しいのは温度のわからぬ風に吹かれて頭がカラカラするからなのか遠くでカラスに笑われた
2021年11月9日 16:36
踊るイカ海中の奥 アンコウの光足は流れる 水流のうねり今宵は月が落ちてきてミラーボールが回る様みなさまどうか観ていってちょうだいなんなら一緒に踊ってちょうだい暗い筈の海中は今宵は煌々のお立ち台命が燃えたら残りかすにはならないもんで燃えた分だけ生きれるもんでだから今夜は激しく生きる踊るイカ踊るって情熱あちちちち