やられ損が悲壮感を打ち晴らす:「滅びの前のシャングリラ」【書評】:ウォッカの読書記録
こんにちは。
Artery図書室 室長のウォッカです!🐸
『滅びの前のシャングリラ』を読み、
思ったことをネタバレなしで、徒然なるままに書き連ねます。
最後までお付き合いを!
作品紹介とウォッカの採点
前回に投稿したので、こちらから!
Book Review
悲壮感のない滅亡ってある?
前回のレビューでも記述したように、
登場人物たちは、壮絶な経験をしています。
ですが、本書の登場人物たちは、
まったく悲壮感がないんです。
ここ!ウォッカの琴線ポイント!🎈
辛い現実、それだけで十分お腹はいっぱいなのに、
人類が滅亡するという大オマケがつき。
それにも悲壮感どころか、むしろ希望まで見出している。
それはなんでだろう?
なぜ悲壮感がない糸口
その糸口が見える、一文がこれ。
してくれたら、お返ししたくなる。
少し話は変わりますが、
人って自然と「されたことを相手にする」生き物なんです。
(心理学ではこれを「返報性の原理」という。)
だから
一度、何かをもらうと、そのお返しをしたくなり、
もらった相手は、そのお返しにお返ししたくなり、
それじゃ、お返しのお返しに、お返ししたくなり…
と、”ポジティブループ”が回り続ける。
されたら、仕返したくなる。
だが、その「お返し」したくなるのは、
ポジティブなことだけではないのが、注意ポイント⚠️
そう、ネガティブなことも同様なんですよ…。
(心理学ではこれを「敵意の返報性」という。)
だから、壮絶な経験をしていると、
同じような経験を他人にさせてしまう。
そして、仕返しが続く”ネガティブループ”が回り続ける。
ネガティブループ脱却には、やられ損
もし、あなたが仕返しをし続けていたら、
今後の人生はずっとネガティブループの中に居続けることになる
ゆくゆくは、ネガティブループ村の住人となり、夢のマイホームを建て、
眉間に「ネ」の文字が浮かび上がってくるでしょう。笑
そうはなりたくない。
マイホームはまんざらでもないが、
眉間に「ネ」は絶対にイヤだ!ダサい!
でも、それには、ネガティブループを堰き止める、
つまり、一旦のやられ損を被らないといけない。
(プライドだけはいっちょ前のウォッカには、かなりキツい…)
悲壮感がない理由は、やられ損だ!
本書の登場人物は、引用した一文にもあるように、
自分と同じ思いをさせないように、堰き止めるよう努力している。
人類が滅亡しようとも、
”ネガティブループから抜け出す” ”一旦のやられ損を被る”という、
明確な意志を持ち、現実に立ち向かっている。
その活力さに、辛い現実がもたらす悲壮感を
打ち晴らしてくれているんだろう。🤔
この言葉を胸に刻んで、一旦のやられ損を被ろう。
エベレストに肩を並べる高さを誇る、ウォッカのプライドも
富士山くらいにしといてやろう。
ウォッカの器の小ささがバレる前に、
今日はこのへんで!
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最後までお読みいただきありがとうございました!🐸
次回もお楽しみに!✨
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