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【読書感想文】『ショートショート・BAR』

田丸雅智さんの『ショートショート・BAR』を図書館で見かけ、「表紙が素敵だなあ」と思いジャケ借り。

結論から言うと、私にはあまり刺さらなかった。多分好きな作風じゃないんだと思う。
記録には残しておきたいので、感想をメモしておきます。
ネタバレ注意です。

中身はさらっと読める短編集。
そういうオチかあと驚けるものもあれば、まあそうなるよねと先が読めるものもあり。
本にはある程度読者を裏切って迷わせてほしいなあと思ってしまうので、先が読めると「あ〜…」みたいな冷めた気持ちになってしまう。
『霊鈴』『妻の秘密』『オーラの写真』など。

また、ファンタジー要素が入った不思議なお話が多い印象を受けた。
そのファンタジーもどこか浮いているというか、中には説明を聞いても「はあ…なるほど…」「何言ってんだこの人は?」とあまり興味を持てない話もあった。
この作家さんのファンタジー感と合ってないのかも。

章は違えど、共通の場所(オーストラリアのゴールドコースト)や人物が出てくることもある。
ただ、共通の登場人物の掘り下げがどうも浅い気がして(短編だから書き込む余裕がないのか…?)、結果、キャラクターが動くさまをただ傍観しているだけになったというか、感情移入ができるほどではなかったというか。
登場人物を魅力的に思う暇もなく一つ一つの話が終わってしまった。
特に『手ぶらのキャンプ』は、「夫を教育したい新婚さんなどに…」の記述でうわって引いた。
夫を教育する、という価値観が好きじゃないので。何様だよ。

この本を読んで、読書に対する自分の姿勢が間違っているんじゃないかと不安になった。
楽しもうとする姿勢が足りないのかな?実は今本を読める精神状態じゃなかったのかな?と自分を疑いたくなるほど、ピンとこない作品だった。
多分読み返さないんじゃないかなあ…と思う。

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