創業400年の老舗酒蔵×一般消費者で創る“健康”架空商品【第2回ワークショップレポート】
あなたの「あったらいいな」が商品になる未来、想像できますか?
AIと消費者のあるあるを掛け合わせ、革新的な商品アイデアを生み出すプラットフォーム『架空商品モール』。2024年12月の本格リリースに向け、全国各地で一般消費者とメーカーが企画会議を行い、「架空商品」を開発するワークショップを開催中です。
第2回ワークショップは2024年10月29日、東京・渋谷にて開催しました。特別ゲストにはタレントの最上もがさんをお招きし、石川県・金沢で創業400年の歴史を持つ老舗酒蔵「福光屋」様と商品開発を行いました。福光屋様は酒づくりで培った発酵技術を活かして、日本酒をはじめ、食品や化粧品などさまざまな商品を展開しています。
今回のワークショップのテーマは「健康的でいたいけど、できないこと」。福光屋が誇る発酵技術と消費者のリアルなニーズ、そして生成AIとのコラボレーションによってどのような商品アイデアが生まれたのでしょうか?
本記事では、架空商品モールのサービスや商品開発の過程が気になっている方、全国のメーカー様に向けて、企画会議当日の様子をお伝えしていきます!
【オープニングトーク】ママ・パパ共感!最上もがさんのリアルな「あるある」とは?
オープニングトークに登壇したのは福光屋14代目の福光さん、タレントの最上さん、架空商品モール事業責任者である朴の3名。
金沢で最も長い歴史を持つ酒蔵・福光屋の米発酵技術を活用し、生活者の「健康」にさらに貢献できるのでは、と生まれた今回のワークショップ。福光さんからは、「消費者の潜在ニーズから“発酵”の新たな可能性を秘めた商品アイデアが生まれてほしい」と、今回のワークショップへの期待が語られました。
また、美容や健康が好きで、11月にはスキンケアブランド『mrum's(モルムズ)』をリリースされたという最上さん。
ブランド立ち上げの際はクラウドファンディングを実施するなど、新商品開発にも強い関心を抱いており、「モノがあふれる時代で、どれが良い商品なのかがわかりづらくなる中、架空商品モールの“本当に消費者が求める商品を生み出す”というコンセプトが素晴らしいと感じています」と話します。
朴からの「健康的でいたいけど、できないことは何ですか?」との質問に、最上さんは「早寝したいけれど、子どもを寝かしつけた後の一人のフリータイムがうれしくて寝られない」と話し、会場のママ・パパからは共感の声も上がりました。
ここで、そのリアルな「子育てあるある」を、実際に架空商品モールに投げかけてみると、AIアバターから「楽しくてついつい時間が過ぎてしまうの、わかります!具体的にはどのようなことが原因で夜更かしをしてしまうのでしょうか?」と追加のヒアリングが。
最上さんは「こんなに寄り添ってくれると、どんどん喋りたくなりますね!」と興味津々でした。「皆さんが生み出す、ユニークな架空商品も楽しみにしています」と話し、オープニングトークは幕を閉じました。
健康的って難しい!ブレスト会議で高まる、あるあるの解像度
今回は、約20名の一般消費者と福光屋の社員の皆さん、架空商品モールの運営チームが参加しました。さっそく4チームにわかれて架空商品の企画会議がスタートします!
今回のテーマは「健康的でいたいけど、できないこと」。まずは「誘惑」「手間」「お金」「その他」の4つの原因を基準に、一人ひとり「あるある」を出していきます。
寝る前の習慣のビールをやめられない
お風呂を沸かすのが面倒で、湯船につかれない
ジムには通っているものの、自宅で筋トレが続かない
定期的に整体に通えない
野菜ジュースなど、健康ドリンクの味が苦手で飲めない
他の参加者の考えを見て、「そういえば!」と新たな「あるある」が生まれる瞬間も。年代も性別も異なる初対面の参加者同士が、日常のリアルな「あるある」をきっかけに、自然と打ち解け合っていました。
全員の意見が出そろったタイミングで、自身が強く共感するものに投票し、架空商品の生成に進むべく9つにまで絞ります。ユニークな架空商品を生み出すために、福光屋の技術が活かせそうな食品の分野からあえて離れた「あるある」を選ぶチームも。
最短30秒!? 「あるある×AI×発酵技術」で生まれる架空商品
「健康的でいたいけど、できないこと」にもとづいた「あるある」を9つに選定したら、いよいよ架空商品の生成へ。福光屋の発酵技術を学習させた生成AIをインストールした架空商品モールに、今抱えている悩みを打ち込みます。
たとえば、「20代」「女性」「眠りの質を高めたいが、マットレスを替えられていない」と入力すると、
替えられないのはなぜですか?
今、どのようなことに困っていますか?
などと、架空商品モールのAIアバターから追加で質問が返ってきます。それらの質問に具体的に答えていくことで、ヒアリングの結果を踏まえて、30秒ほどで架空商品の画像、名前、コンセプト、特徴、使用方法などが生成されます。
アイデアが気に入らなければ、もちろん再生成や微調整も可能です。各チームでもより良い架空商品をつくるために、生成された商品の内容に対して「飲み物ではなく食べ物にしたい」「もっと“集中力”をアピールする画像にしてほしい」など、細かな要望を伝えて試行錯誤を繰り返している様子が見受けられました。
参加者であり、消費者でもある方の悩みや「あるある」が、AIアバターとの対話を経てより研ぎ澄まされていく。そうして実際に使用するシチュエーションに近い、消費者のニーズを汲み取った商品アイデアが生まれることが、架空商品モールの大きなポイントです。
参加者からは「人間の想像を超えたユニークなアイデアを出してくれて、新商品開発の可能性が広がりました」などと、ポジティブな感想が寄せられました。
架空商品開発を通して可視化された、消費者の“真の”ニーズ
生成された9つの架空商品の中から、次は4チームそれぞれに発表する商品をひとつ選定し、全体で4つの商品にまで絞り込みます。そして、最終的に福光さん、最上さん、プロダクトデザイナーの松林さんの3名の審査員と、参加者投票によって代表の架空商品がひとつに決定します。
各チームの発表後には審査員からの質問やフィードバックも実施。アイスを開発したチームには「どんなフレーバーを予定していますか?」「サイズ感は?」など、企業の企画会議さながらの真剣な様子に思わず緊張感が走る場面もありました。
本企画の勝敗を分けるポイントは、いかに「日常のリアルなあるある」に沿って、企画を考えられているか。福光さんからは「手軽に発酵を取り入れられる、アイデアの新鮮さに驚きました。実際に商品化を検討できるアイデアも多数誕生しています」と、前向きなフィードバックをいただきました。
新商品開発で重視している観点や消費者のニーズを深く理解できたことで、メーカー様も参加者も新たな視点を得られたようです。
今回の企画会議で挙がった4つの架空商品の中から、実現可能性やユニークさの観点から3つに絞り、プロダクトデザイナーがリデザインを行い、完成したものがこちら!
公式Xにてどの架空商品が消費者から多くの「欲しい」を集められるのか、実際に商品化して欲しい商品No.1を投票で決める「第2回 架空商品モール総選挙」を開催中です!
メーカーと消費者がつながる、新商品開発の未来
一般消費者に架空商品モールを使っていただくのは2回目となった今回。約4時間半にわたるワークショップを経て、これまでにない新商品開発を、これまでにないスピードで行うことをみなさんに体感していただけたのではないかと思います。
参加者からは、「どのような会議になるのか不安だったが、“あるある”を通して知らない人とも楽しくディスカッションできて豊かな時間を過ごせた」といった感想をいただいています。
私たちにとってもメーカー・消費者双方のメリットや課題がさらに明らかになり、12月の本リリースに向けて、たしかな手応えを感じる機会となりました。
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