「書く人あれば読む人あり」~当て字に注意~
今回は、当て字について見てみよう。
当て字とは、さらりと言ってしまえば、
① 漢字本来の一般的な読みを無視して、意味を採用する用例
② 漢字本来の一般的な意味を無視して、読みを採用する用例
のことをいう。
たとえばこんな例。(かっこ内の①②は、上の①②に対応)
倫敦(②)、麦酒(①)などの外来語や、狼狽える(①)、拘泥る(①)などの漢語(これも外来語だ)は当て字だし、夜露死苦(②)などの暴走族系はその最たるものだ。
これらの例が当て字であることは、誰の目にも明らか。
ではこの例文の中に、当て字をいくつ見つけられるだろうか。
正解はこちら。
「飲」以外の、太字で示した漢字はすべて当て字だ。
当て字の多さにびっくりした人も多いかもしれない。
いや、そもそも中国の文字である漢字を日本語に当てはめること自体、当て字なのだから、多くてあたりまえだろう。
「飲」だって「イン」という中国の読みに対して、この文字は液体を口に入れることを意味するらしいから、日本語の「のむ」を表すときの当て字にしよう、となったのだから。
でも今日はそんな話ではなく、当て字の中でも使ってよいものと、使わないことを推奨されているものがある、という話をしよう。
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