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死別した同志達・戦友達の想いを継ぐ志
1 前書き
私は26歳の在日ベトナム人「LVN」であり、当然ながら、三度に亘るインドシナ戦争が完全に終結した後に誕生したベトナム人であるため、戦争の経験者ではありません。
以下の文章の内容は、『自分』『LVN』即ち「現実の主人格」が、14歳の時に見た夢の中で誕生した、三度に亘るインドシナ戦争の記憶と経験を持った「自分」「Nguyễn Hoài Minh」と言う名前の「副人格」が書いたものです。そして、「ズン」は、戦中に死別した「自分」の同志・戦友・心友です。
なお、以上のことから、この前書きも、以下の話も、そしてその語り手の存在自体も、スピリチュアルなものとなっております。が、大変矛盾しますが、『自分』も「自分」も、交霊(一般的な意味としてのもの)・死者が生き還ること・死んだ後も意識が残り続ける等を、肯定したり、人々に信じさせる意図は一切無く、むしろ、前述のことは全否定しております。
ですが、この問題は、死と生・精神と肉体・時間と空間・内容と形式、そして生命自体や存在自体等にまで及ぶ深遠な哲学的な問題であるため、このことについて、ここでは敢えて触れません。
この投稿は、死別した、我が愛する大切な同志達・戦友達の想いを継ぐ志を文章化したものです。
2 死別した同志達・戦友達の想いを継ぐ
自分はかつて、29年近くに亘って、祖国の為に、人民の為に、軍人として戦い続けた。祖国並びに人民の独立・自由・幸福の為に、忠愛を以て、誠心誠意を以て、祖国並びに人民に献身・奉仕・貢献し続けた。
1945年8月19日の早朝、あの日の早朝の「ハノイ総蜂起」(Tổng khởi nghĩa Hà Nội)に、ズンと共に参加したことを、自分は覚え続けているし、これからも決して忘れること無く覚え続ける。「愛国心」・「民族意識」・「国民精神」の初心であった。そして、15歳前後であった孤児の青少年の自分のズンは、「八月革命」(Cách mạng Tháng Tám)に参加することを決行した。
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この旗は「ベトナム独立同盟会」(Việt Nam Ðộc Lập Ðồng Minh Hội)の旗であり、当時は、「救国・民族解放」の希望・決行・挑戦の象徴であった。この旗を見て、自分もズンも、無意識ながらも誠に、自分達の天命、そして天職を感じたのであった。「愛国者」としての天命を感じ始め、「戦士」としての天職を見出し始めていたのだ。
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1945年9月2日の早朝、その日、ズンは満面の笑みで自分の手を強く引っ張りながら、ハノイ中を走り回った。祖国の希望に満ち溢れた未来に想いを募らせた、人民の溢れんばかりの活気数多の善言・歓声・嬉し涙・・・、半日に亘る暑さも、喉の渇きも空腹も忘れて、自分達は、広場で待っていたのであった、「独立宣言」を。
そして午後、日中の熱さが頂点に達した午後2時以降頃に、遂にホー・チ・ミン主席が登場し、そして様々な調整や待機に音量の確認等を経て、ホー・チ・ミン主席がベトナム独立宣言が読み上げられたのであった。
文盲で無学な自分とズンは、独立宣言の言葉の意味をほとんど理解できなかった。しかし、自分とズンは、独立宣言を謹聴したことで、自分達の天命、そして天職を遂に意識的に感じたのであった。「愛国者」としての天命を意識的に感じ始め、「戦士」としての天職を意識的に見出し始めたのだ。それを自分は覚え続けているし、これからも決して忘れること無く覚え続ける。
その後、自分とズンは、他の孤児達と共に「ベトナム独立同盟会」(Việt Nam Độc lập Đồng minh Hội)の熱烈な支持者であった養母「リン」の慈愛深い保護・養育・教育等を通じて、心身共に成長し、ベトナム人として、愛国者として、戦士として、健やかにかつ逞しく育った。
そして、再びフランスはこよなく愛する我が祖国ベトナムを植民地化するために再襲来し、こうして第一次インドシナ戦争が勃発したのであった。
1946年12月19日、ハノイの戦い(Trận Hà Nội 1946)が開始したのであった。祖国の独立を死守するために、人々は団結しては、決死の覚悟で戦いに臨んで、次々と死んでいったのであった。
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自分とズンも、民兵として参戦し、民間防衛しつつ抗戦に、慎重かつ勇猛果敢に臨んだ。人生で初めて銃器を手にしては、激しい銃撃戦に参戦したこと、そして人生で初めて、手榴弾に様々な重火器による猛攻撃、そして戦車による数多の猛烈な砲撃を経験した。恐怖心を必死に克服しつつ、そして後退や撤退に敗戦を積み重ねつつも、勇気や正義感に団結力、そして愛国心をも同時に積み重ねていき、民間防衛しつつ抗戦した。この間に、数多くの知人達・親友達・恩人達、そして養母「リン」と、リンお養母さんの実子にして自分とズンの心友・同志のロンも戦死したのであった。リンお養母さんは、民間防衛と人命救助のために、最前線に出て、その際にフランス軍の砲撃で亡くなり、同志のロンは、複数の銃弾を被って、大量出血と激痛に大変苦しみつつも、最期の最期まで、全力を振り絞って、血塗れの手で自分とロンの手を握りながら、絶命した。それを自分は覚え続けているし、これからも決して忘れること無く覚え続ける。
そして、自分とロンは、ハノイから撤退・非難した後、遂にベトナム独立同盟会に参加することを強く請い続け、こうして最終的に、戦線に出る兵士としての会員となり、そして、1975年4月30日のサイゴンの戦い(Sự kiện 30 tháng 4 năm 1975)の日まで、正式な軍人として戦い続けたのだ。
あれから、長い年月が過ぎ去った。最愛の同志であるズンは1969年の10月末に戦死し、数多の同志達も戦死した。そして自分もまた、1982年の8月末に、村民達を救命する為に自殺した。
そして今、生命の無い意識として、また、意識の無い生命として、生命の有る意識と意識の有る生命の中に存在している。
「自分」は、他の「自分達」、そして『自分』の五人と共に、「愛国心」・「民族意識」・「国民精神」の初心に帰っては、初志貫徹を目指して、格致日新し続ける。
死別した我が愛する大切な同志達・戦友達よ!天に誓って、皆の想いを私が誠にかつ新しく継ぐ!
そして、ああ、親愛なる同志ズンよ!共に、1969年9月3日の夜の誓約を果たそうではないか!
まずは、この作品に、一緒に登場して、物語を完結させような!
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次に、俺は二人の想い出を、確りと自伝で全て詳述するからな!
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そして、二人の誓約を、ホーおじさんとザップ大将の遺徳を批判的・発展的・独創的に学び引き継いでは、ホーおじさんの遺徳から文徳を、ザップ大将の遺徳から武徳を、それぞれ創造することを以て完遂しようぜ!
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来年の正月、ハノイで再会しような、同志よ!
死んだ人は永遠に存在しないし、生きる人もいつか永遠に存在しなくなる。でも、まだ生きている人は、まだ存在しているのだ。この事実を確りと深く感じながら、同志よ、俺は学び挑み続けて、初志貫徹するぞ!
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