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丘の上の町コルトーナをスケッチ
カフェタイムの時短スケッチばかり続くと、いくら好きでもさすがに飽きてきそうだなと思い(受講中だからそうなるんだけど)、"旅の時短スケッチ"にチャレンジしてみようと思いました。
"旅の時短スケッチ"はあべまりえさんの本でも販売されていて、描けたらいいなあと思ってはいたけど、風景などはちょっとハードルが高いんですね。パースとかめんどくさそうだし(基本的にめんどくさがり)。
だからその本だけ持っていなかったのでした。
でも、先日新宿で旅の時短スケッチ帖を購入したのをキッカケに、昔訪ねたイタリアの小さな町の情景を描いてみることに。
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イタリア中部のトスカーナ州にコルトーナという丘の上の町があります。
その時住んでいたアッシジの駅からフィレンツェ方面の列車に乗って、カムチーアという無人のローカル駅(96年当時。今はどうだろう)で降り、バスで丘の上まで上って行きました。
アッシジも丘の上にあるけれど、もっと高くて急勾配な印象が残っています。
着いた時間がちょうどシエスタで、お店はほとんど昼休み。
平日だったのか観光客もあまり見当たらない。
中世の建物が残る静かな旧市街をぶらぶらと歩きます。
私は窓やドアといった開口部が好きで(フェチといってもいい)、壁やドアの色、花が飾られている窓に惹かれて撮った写真が何枚か。
ということで、お気に入りのコルトーナの情景写真をスケッチ。
![](https://assets.st-note.com/img/1649849106635-PW70OFLxSc.jpg?width=1200)
上段は「中世の家」と呼ばれる独特な家。
ガイドブックにも載っていて、2階部分が前に出ている面白い建物が坂道に沿って並んでいる、歴史を感じる通りがあるのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1649912598609-X9JenRhz7K.jpg?width=1200)
スケッチでは正面から描きましたが、横から見ると2階の迫り出し具合がよくわかります。
それにしても、自分で描いてみると細かいところがあらためてわかって面白い。
せっかくなので、広場の写真も。フィルムで撮ってプリントをスキャンしたので、鮮明ではありませんが。
![](https://assets.st-note.com/img/1649912946091-SlSjlYFQzE.jpg?width=1200)
丘の上のほうに教会や聖堂があるので、散策しながら坂道を登っていきます。
お天気が良すぎるくらいで日差しが強く、人がほとんどいなくて静か。
お花がたくさん咲いている時期でどこも可愛く、写真を撮ったのですが、日差しのせいでコントラストが強すぎて白く飛んでしまいます。
なので、お気に入りだった一角の写真をスケッチしてみました。
![](https://assets.st-note.com/img/1649849122137-LA40EnsTzS.jpg?width=1200)
石畳が白くすっ飛んでいるので、日差しの強さがわかると思います。
バラやゼラニウムなどお花がいっぱいで可愛かった。
スケッチは以上ですが、せっかくなので町をもう少し紹介します。
どんどん上っていくと聖マルゲリータ聖所記念堂があります。
![](https://assets.st-note.com/img/1649913481441-W350Uu5bgQ.jpg?width=1200)
断食の聖女といわれるマルゲリータの遺体(ミイラ)がガラスケースに入っている・・・と記載してある本を今見ているのだけど、「壺に聖遺物が入っている」と書いてあるガイドブックもあるし、でもミイラを見たような気はするし、どうだったか、今となっては思い出せません。
![](https://assets.st-note.com/img/1649914237015-R2Huz7l1RQ.jpg?width=1200)
聖堂からマルゲリータ通りを下って行きます。
すこし行くと丘からの眺めが楽しめる道。
![](https://assets.st-note.com/img/1649914317171-26oCvTNfUO.jpg?width=1200)
城壁の外側にあるマドンナ・デル・カルチナイオという教会。
下から丘とともに見上げる写真が町の絵葉書になっていたりします。
司教区美術館に入ってみると、フラ・アンジェリコの「受胎告知」がありました。
予備知識がなかったので、こんな小さなところにもフラ・アンジェリコがあるのか、とちょっと驚きました。
ほとんど人のいない美術館や教会の中で、有名な画家の絵とひとり静かに対峙する。
日本ではあり得ないけど、イタリアでは時々あります。
何百年も前にこれを描いた画家も、こうしてこの絵を前にしていたんだと思い、時空を超える感覚になる幸せな時間です。
それから、コルトーナ出身の画家ルーカ・シニョレッリの「キリスト降下」もありました。
シニョレッリは足場から転落して亡くなったのだそうです。
![](https://assets.st-note.com/img/1649915933018-ogIF8NPsM7.jpg?width=1200)
コルトーナは、ダイアン・レイン主演の映画「トスカーナの休日」で舞台になりました。
アメリカの詩人フランシス・メイズのエッセイ「イタリア・トスカーナの休日」が原作で、一時期かなり愛読していました。今でもときどき好きなところを読み返します。
メイズがパートナーのエドと購入し修復した館がコルトーナの郊外にあり、本の中にも町のことが出てきます。
初めてホームページを作成して公開した1998年。
こんなふうにイタリアの街を写真と文章で紹介していて、そのときもコルトーナの写真をアップしています。
20年以上たっても、また同じことをしている。
進歩したのは、すこし絵が描けるようになったことかな。
人間、結局やることはあまり変わらないのか、ぐるっと回って戻っていくのか。
人によって違うかもしれませんが、ぐるぐる回ってしまうところが本当に好きなことなんだろうな、と思います。
海外で撮ったけれども写真としてはイマイチなものがたくさんあります。
そういうものをスケッチできたら楽しいかも、と思っています。
「イタリア・トスカーナの休日」のことは以前にも紹介しています。
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