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聖フランチェスコ修道院から

「アッシジに住みたい(1)」を書いてからずいぶん経ってしまった。
なんと日付を見たら9月だ。

書いたあとにいろいろ心境の変化があり、意識が違う方に向いてしまった。でもそろそろ続きを書いてみたい気持ちになって、当時のアルバムやフィルムを取り出して見ていた。

1996年はまだフィルムだった。
すごくひさしぶりに当時のネガフィルムを取り出してみたら、プリントしていない懐かしい写真もあって、思わず何枚かスキャンした。

すっかり黄ばんで古びた感じになってしまった写真たち。数えてみたら今年で25年。四半世紀前で驚いてしまう。

アッシジ1

住んでいた家の前からの眺め。
目の前に見えるのはサン・ピエトロ教会。10世紀に建てられ、13世紀に改築されたので、聖フランチェスコも見ているはず。

この眺めは、住んでいた家の2階の部屋から。滞在3ヶ月のうちに同じ家の中で3つの部屋を経験したので、その話はまた次にしようと思う。

見出しに使っている写真は、じつは私が撮ったものではない。撮った方とはこの時以来お会いしていなくて、お名前を表記すると逆にご迷惑かもしれないので、このまま使わせていただくことにした。とてもいい写真なので。
私もカメラを持っていたら、間違いなくこの場面を撮っていたと思う。

柱廊1

アッシジ滞在中、聖フランチェスコ大聖堂のうしろにある修道院にいらした日本人のT修道士によくしていただいていた。この時も、会わせたい人がいるからということで大聖堂まで出かけて行ったら、ツアーで来ていたらした日本人の母娘の方を紹介された。娘さんのほうがイタリア滞在のエッセイを出版された方だった。それで私も一緒に、ふだん観光客は入れない修道院の中に入れていただいたのだ。

大食堂から中庭、そして修道院側面にある長い長い柱廊へ。
そこから見るウンブリア平野の眺めは本当に素晴らしかった。

ふと見ると、端のほうに一人の修道士の方がいらして、瞑想でもしているようだった。

柱廊2

ポーランドだったか、どこかイタリア以外の国から来られていた方だそうで、T修道士曰く、食事も少ししかとらない仙人みたいな方だったらしい。

カメラを持っていなくて本当に悔やんだけれど、あとから写真をいただくことができた。
ここからの眺めと、あの修道士のいる情景は忘れられない記憶になった。

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