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犬や猫の体重管理とその方法について

「うちの子太り過ぎですか?」
こういった体重や体型のご相談は非常に多いです。
ですが、そんな質問をしていただける飼い主様はちゃんと動物の体型を気にかけているということなので、素晴らしいと思います。

実際に体重管理を行うのは私達獣医ではなく飼い主様です。
そもそも体重や体型に問題意識を持たれていない飼い主様ですと、やはり成功率が低くなってしまいます。


今回の記事は

  1. そもそも今の体重が理想体重なのか知りたい方

  2. 減量を始めたいけど、何から始めればわからない方

  3. 食事の量や内容に悩んでいる方

に向けて作成しました。


この記事を読むことで、

  1. ペットが抱える肥満による病気のリスク

  2. 体型(ボディコンディションスコア)から考える今の理想体重

  3. 理想体重の計算から実際の減量までの流れ

  4. 減量時に気をつけなければいけない点

について知ることができます。


<肥満による動物たちへの影響>

人間では肥満によるリスクなどは広く知られていますが、犬や猫でも同様です。

具体的には以下のようなリスクがあります。

  • 糖尿病

  • 肝疾患(脂肪肝)

  • 心疾患

  • 尿路疾患

  • 呼吸器疾患

  • 高血圧

  • 免疫機能の低下

他にもありますが、代表的なものだけでもこれだけの病気が挙げられます。

『犬や猫でも肥満は病気であり、たくさんの病気を引き起こす原因』
であるという認識が必要です。

<肥満なのか?他の病気なのか?>

一見太ってるからと言って、必ずしも第一に減量を考えるべきとは限りません。

1)実は肥満ではなく、病気であるケース
実は肥満のように見えて、お腹の中で腫瘍で大きくなっていたり腹水でお腹が大きくなっていたりするケースがあります。
初期には元気や食欲に問題が出ないこともあり、そういった場合に自己判断で肥満と判断し、食事制限や運動を増やしたりすると危険な場合もあります。

2)肥満は肥満だけど、病気のせいで肥満であるケース
二次性肥満といって、太りやすくなる病気が隠れているケースもあります。
生まれつき脂質を上手に分解・利用できない子や、ホルモンの疾患などが代表的です。
こういった疾患では体重管理も大事ですが、多くの場合病気の治療が優先される必要があります

1)、2)のケースは動物病院でしっかりと診察してもらう必要があるので、肥満なのかな?と感じたらいきなり減量しようとせず、一度動物病院で診てもらうようにしてください。

3)本当に肥満であるケース
原発性肥満ともいいます。
今回話していくのはこのパターンです。
おやつ食べ過ぎで太ってしまった場合や、運動不足で太ってしまった場合などです。
実際に食事管理が必要な肥満で、病気でなければ多くの場合はこれに当てはまります。

<うちの子は理想体重?それとも肥満?>

肥満かどうかは実際には体重だけではなく、
ボディコンディションスコア(BCS)で判断します。

BCSには5段階で評価するものと、9段階で評価するものがありますが、どちらで判断してもOKです。
個人的には5段階の方がシンプルでわかりやすく、いつも5段階の方を使って説明してるので、ここでも5段階の方で説明します。

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