お茶の時間/ヨハネスフェルメール
フェルメールにしては珍しく絵画全体が明るい色調で構成されています。それでも左側の暗い部分があることで性質上暗い画面になりがちなカメラオブスキュラの使用を伺わせています。
さてフェルメールといえばラピスラズリを使った青色が有名ですが、同じくらい好んで使用したのがこの絵でも多く使われている黄色『鉛錫黄色』です。
この『鉛錫黄色』は、13 世紀から 18 世紀にかけてヨーロッパ絵画で最も広く使用されてきました。ルネッサンス期にはラファエル、バロック期にはレンブラント等によって使用されたことで有名です。フェルメールでは『牛乳を注ぐ女』で有名ですが、当時はもっと鮮やかな黄色であったと考えられています。
残念ながら現在は安定して発色の良いカドミウムイエロー等に取って代わられてしまっています。
未公開作品。制作年不明。収蔵元非公開。