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酔っぱらった女/ヨハネスフェルメール(Drunken woman)

酔っぱらった女/ヨハネスフェルメール(Drunken woman)

 古来より酒そしてその酩酊状態は人間の別の側面を表出させるため、しばしば文学や美術の主題となってきた。
 フェルメールにも多大な影響を与えた同時期のオランダの巨匠『フランスハルス』には『陽気な酒飲み(蘭:De vrolijke drinker)』という作品がある。

陽気な酒飲み(蘭:De vrolijke drinker)/フランスハルス

 またハルスの弟子ともいわれているユディト・レイステルも「上機嫌の酔っ払い」という有名な作品がある。

上機嫌の酔っ払い/ユディトレイステル

 これらの作品には男女の違いはあっても「赤ら顔」に「微妙に焦点の合わない目」に「なんとも幸せそうな微笑」という共通点のある作品となっている。当時のオランダでは居酒屋や遊興の光景などがオランダ中産階級の富裕層の関心と嗜好に合致し、そのような絵画がよく描かれていたことがよくわかる。
未公開作品。制作年不明。収蔵元非公開。


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