秋の散歩とアジアの純真
日本のおいしいラーメンが食べたくなり、パリのラーメン屋さんに行こうと思い立ったけれど、いつも通りグダグダしてたら(休日恒例バトルみたいなの含む)出発が遅くなってしまった。
バカンス中の週末だし、並んでいるに違いなく、人気のラーメンは諦めて気になっていた台湾料理になった。
トイレは、頭にも足元にも注意する階段を降りた地下で、蛇口は珍しく足元に踏むボタンがあるタイプ。
ルーロー飯という豚バラ煮込みのごはんが名物らしくこれを選んだ。ごはんか麺か選べるのだけど、ラーメンからまだ抜けてなかったので麺にした。
メニューに唐揚げがあったので、夫が店員さんに何ですか?と聞いたら、ニコニコしたお姉さんはあなたの奥さん日本人だから分かるでしょう、とメニューの漢字を見せてくれたが分からなかった。高雄風らしい。
断定されたけど、正解なんだけどなぜ私が日本人と分かったんだろう。
バブルティーを初めて飲んだ娘は好みじゃなかったらしい。女子は好きになるものと勝手に思っていたが偏見だったかもしれない。
メタリックのストローは太くて重く、最後の数個のタピオカはやっぱり吸えなかった。
ルーロー麺は、ごはんにすれば良かったと後悔。
娘の、煮込んだ鶏のごはんは生姜がきいてて美味しかった。
おかずに付いていたのは、白菜の漬物とパイナップル入り野菜のカレー炒め。
酢豚とハワイアンピザ以外にパイナップルを入れる料理に初めて出会った。台湾はパイナップル名物だものね、パイナップルケーキすきです。カロリーメイトとサクサク度が似ていると思っている。
唐揚げは塩と胡椒が効いてて美味しかった。
子供もよく食べた。
お店を出るともう昼下がりで、大通りは日が出て気持ちよかった。
アイスの季節は終わったのに、道にせり出ているアイスのボックスにぶつかって甘いパパは子供に買う。
店主はインド系と見えた。野菜はオーガニックとのことで少しこだわりがありそう。
お会計の時、入り口のところに、花火の持ち手のような、濃いピンクの細いお線香が数本刺さった丸い土色のものがお皿に置かれてお供えしてあるのが目に止まった。
近づくと小ぶりのジャガイモに刺しているようだった。少し芽が出ていた。
これはジャガイモ?と夫に聞いたらそうみたいね、とまるで興味なし。
店主に聞こうと思ったが、さっき気づいたアイスのボックスの汚れを落とすのに忙しそうで声をかけそこねてしまった。
美しい毛色の犬がくつろいでいた。
ミルクティー色の犬も飼い主も誇らしげだった。
人間以外の動物は白髪とは無縁なんだろうか。
不動産屋さんのウィンドーがハロウィン仕様でとてもうまくできていて、よく見ると「関係ないものがあるよ、見つけたらお菓子プレゼント」と書いてある。
探していると中からお姉さんが出てきてくれた。
ヒントをくれるが全然分からない。難しい。
あ、筆だ!
見つけたのは娘。
お姉さんがお菓子を持ってきてくれて、アメとグミをくれました。
不動産屋さんなのに不動産の話はゼロで終わったのが、いい。
息子が食べているアイスとアメを交換しようとしたのも、いい。
子供たちが公園に行っている間、私は少し休んでから中華スーパーへ。
入り口に大きな桜の木が満開で咲いていた。季節外れのギミックだけどなかなか立派で写真を撮っている人も。
桜といえば日本…と思うのは私が日本人だからか。
客層は中華系が多いが、その中ではふと私は背が高い方になっていることに気づいた。秋っぽいスカート履いたせいかもしれない。
背筋伸ばさねば。
この店で買うものはだいたい同じ。
たとえば柔らかいとんがりキャベツ。
ただ、新鮮すぎて芯の方に茶色いものが見える子を発見、トトロに出会ったメイの「あなたはだあれ?」が頭の中でこだまする。
なるべくあなたがいない玉を選んだつもりだけど、付いている可能性はゼロではないけど買う。
さっきの台湾レストランも似ているけれど、中華スーパーは独特のにおいがする。
雑多ないろんなものがたくさん混じり合ったにおい。
きっと苦手な人もいると思う。
しかし私とおなじアジアの方から来て、異国に根付いてアジアの食材を提供してくれて、フランスのスーパーでは満たされない何かを補ってくれるのはとてもありがたいなと思うとです。
アジアの純真、ってこれのこと?
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