菜園から始めるわたしのSDGs②~心も世界もヘルシー!フレンドリー!ピースフル!
第2回 世田谷にも農家がいた!85歳のオーバーオールじいちゃん
コロナ禍の2020年、わたしが提案したコミュニティFMの番組スポンサーになってくれたJA世田谷目黒では、ちょうど春から体験農園の運営を始めたところでした。
体験農園とは、畑の地主である農家が運営を第三者に任せて市民に貸し出し、市民が体験料を払って、野菜作りをするというもの。
わたしは電動自転車で、自宅から5キロ離れた農園へ通うこととなりました。
都内23区で最も人口の多い(93万人)を誇る世田谷ですが、マンションや邸宅の中に、畑がぽつりぽつりと残っています。
農園主の早川さんは85歳。
高校を卒業後67年、農業に勤しんできました。
農地が次々と宅地になる時代、遺産相続で相続税を払うたびに農地を手放さなくてはならず、祖父の代には80aあった土地は20aになっていました。
時代が移りゆく中、先祖代々の土地を耕し続ける早川さんを見て、
世田谷にも農家がいるんだなあ、
今さらながら思ったのでした。
と同時に、早川さんの第一印象は、
「都会の農家はコミュニケーションがうまい!」ってこと。
町の中にある畑には、日中、ご近所さんが直接野菜を買いに来ます。
日々のおしゃべりで鍛えられた切れ味の良いトーク、トレードマークのデニムのつなぎ、何より早川さんの野菜は味がよいと評判です。
おいしさの秘訣は土づくり。
以前は近くにある馬事公苑で出る馬糞のたい肥を使っていたそうです。
家畜の堆肥には、牛糞、馬糞、豚糞、鶏糞があり、それぞれ含まれる栄養成分やバランスが異なりますが、
中でも馬糞たい肥は土壌改良に良いとされます。
稲わらを食べるので繊維質が含まれ、微生物がよく働いて土をふかふかにするそうです。最近は、自宅の落葉を集めた落ち葉堆肥をメインに、
昔ながらの循環型農業です。
まだまだ現役の早川さんですが、さすがに85歳、作業労力を軽減しようと、今回、畑の一部を体験農園にしたのでした。
JA世田谷目黒の体験農園は、1区画10㎡で、年間利用料は11万円。
これを高いとみるか安いとみるかは~その人次第!
募集開始と同時に30区画が満員になりました。
ご近所の皆さん、じつは毎日畑を眺めながら、自分でも野菜を作ってみたいと思っていたのですね。
農家にとって当たり前の「生産の喜び」、「成長のワクワク」ってどんなものだろう~、って街の皆さんも密かに憧れていたに違いない。わたしはそう確信しました。
この世田谷体験農園では、様々な人たちと出会いました。 つづく