コタニ アユミ

農ライフ研究所代表/ 農ジャーナリスト/ 野菜をつくるアナウンサー/ベジアナ/ 世界農…

コタニ アユミ

農ライフ研究所代表/ 農ジャーナリスト/ 野菜をつくるアナウンサー/ベジアナ/ 世界農業遺産専門家  地域の伝統・民族文化、環境が喜ぶ農を取材、執筆、動画で記録、発信。自分のあたまで考える、自分の言葉を見つけることをだいじに、ウケたらよろこび、すべるのを恐れず、希望を胸に。

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お米、どこで買ってますか?スーパーの次に多い意外な入手経路とは!?

みなさんこんにちは。 写真は「茶飯釡(ちゃはんがま)」 お茶事の一種で、釜でご飯を炊いて、その後にお湯を沸かしてお茶を点てます。 このお釡は、茶飯釡専用の形で、炊いたご飯をつぎやすいように開口部が広くなっている。 「皆口」みなくち(口まわりが胴まわりと同じ寸法)という。 お茶用にお湯を沸かす時は、付け替え用の蓋があり、両方に応用できる優れもの。 お稽古に通う鈴木先生のところで4/13に開かれたお茶事です。 炉に竹筒でふーっと、みんなで順番に息を吹きかけ、まず炭に火を起こす。

    • 家族経営で自給的な生産を大切に  「かごしま小農塾」設立

      鹿児島の萬田正治先生から、「かごしま小農塾」設立趣意書が届きました。 先生と最初に知り合いったのは2016年の阿蘇での山羊サミットで、 その後、2019年に小農学会にも参加させていただき、霧島の萬田農園へもお邪魔しました。 そんなご縁で時々メールでやりとりさせていただいていますが、 今回、「かごしま小農塾」を設立されたというすてきなニュースが届きました! ぜひ多くの人に知って頂きたく、ここに紹介します。 鹿児島大学の副学長まで務められた萬田先生は、アイガモ農法とヤギの研究

      • 米不足ではないとすれば、何が起きているのか?お米問題を考える(その4)

        こんにちは 書けば書くほどわからないことがでてきます。 一昨日のつづき~ コメは不足していない、だから政府は備蓄米を放出しない、と言いました。 コメ不足ではないとすれば、何が起きているのか。 需給バランスの崩れです。 本当はあるのに、しかるべきところに回らない。 農水省が8月に出した「米をめぐる状況について」を見ていきましょう 食料安全保障、国民の命に関わるお米には、 政府の備蓄以外に「民間在庫」というのがあり、国が

        • お米は誰のもの?(2)売買関係ではなく喜びを分け合う仲間としてつながる

          お米の品切れや品薄の報道。 連日、商品のない空っぽの棚を映し出すテレビを見ていると、メディアによる影響も、消費者の買い込み行動に拍車をかけているように思えます。 米穀安定供給確保支援機構では毎月、消費動向調査を行い、公表しています。 7月までしか出ていませんが。これによると、 スーパーでお米を買う消費者は50%を超え最も多い入手経路です。 そして、次に多いのは、「家族や知人などから無償でもらう」で、全体の約13%を占めています。 こうした売買ではなく親戚や知人に贈答したり

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        • わたしたちの暮らしを豊かにする100の提案
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          生物多様性を五感で体験!!ぶどう園の生き物調査ボランティアに参加して、 小さな虫の命に感動したり考えたりした

          世界農業遺産に認定されている山梨県、峡東地域へ行ってきました。 9/14〜15、環境NPOアースウォッチジャパンによる果樹園の生き物調査に1泊2日で参加したのです。 JR中央線、山梨の塩山駅に降り立って、車で牛奥みはらしの丘へ。 これが甲府盆地か~! 左側にこんもりと見えるのが塩ノ山、標高556m 世界農業遺産「峡東地域の扇状地に適応した果樹農業システム」、 峡東地域では、ぶどう、桃、スモモなど様々な果樹園があります。 扇状地の地形や条件に合わせてつくる品種も様々、小規

          生物多様性を五感で体験!!ぶどう園の生き物調査ボランティアに参加して、 小さな虫の命に感動したり考えたりした

          お米は誰のもの?!食べる人と作る人の手に取り戻す「石高プロジェクト」

          スーパーなどでお米が品薄となり、ニュースでは米騒動として騒がれています。お米が本当に買いたいのに手に入らない人のためには、短期の解決策が必要ですが、 そうした議論とは別に、いまこの国における(主食だったはずの)米のあり方、価格、仕組みを問い直す長期的な議論も必要だと考えています。 そんな矢先、出会った新しい提案が、西会津町の石高プロジェクト。 特徴の一つは「自分が働いた分だけ、お米がもらえる」という仕組み。 お米が報酬になるというものです。 今の市場は、 足りない

          お米は誰のもの?!食べる人と作る人の手に取り戻す「石高プロジェクト」

          ベランダの白ゴーヤ育ってくれてありがとう~自己肯定感と自分満足度の関係  

          6/23 日曜日きょうは雨のち曇り。 フィリピン・世界遺産イフガオの棚田ツアーから帰国。留守の間に東京は梅雨入りしたとあって、ベランダ菜園はほどよく成長。 ふとベランダを眺めると、白ゴーヤができてたーー!! おお!おまえ、育ってくれてたんか~、と思った。 ありがとうと思った。 こっちはちびちびゴーヤ 愛おしい。 毎年、夏の日よけのグリーンカーテンと思って、ゴーヤを育てているけれど、ニガウリ、特に食べたいわけでもないので、いつも完熟しても収穫せず放置している。 観賞用な

          ベランダの白ゴーヤ育ってくれてありがとう~自己肯定感と自分満足度の関係  

          なぜ社会は、有機給食を求めるのか

          有機給食、オーガニック給食が注目を集めています。 みなさんは、有機農業と言うと、どんなイメージを持っていますか? 不勉強なわたしは長いこと、有機農業でできた農産物(野菜)は手間がかかるので高くつく。なので、限られた人にしか買うことができない。(自分で作ったりしない限り) という認識で終わっていました。(恥ずかしながら) でも、そうじゃない方法があることが、わかったのです。 それが「有機給食」です。 「有機給食が地域を変える」農政ジャーナリストの会 去年、2023年の

          なぜ社会は、有機給食を求めるのか

          会津喜多方の堰さらい(水路清掃)で生産と消費、giverかtakerかの関係を考えた

          連休恒例の堰(せき)さらいに行ってきました。 去年に続き2回目でした。 去年2023の様子はこちら ↓↓↓ 会津の山里~本木・早稲谷の「堰さらい」で学んだこと~ミッションがあると人は離れて行かない。 堰(せき)とは、田んぼへ水を引く用水路のこと。 こちら「本木上堰」(もときうわぜき。本木地区の上にある堰)は、 江戸時代、1700年代に12年かけて会津藩の命により開かれた長さ6キロに及ぶ山腹水路のこと。 お米をつくるには水田が必要。 田に水を引くには水路(堰)が必要。 水が

          会津喜多方の堰さらい(水路清掃)で生産と消費、giverかtakerかの関係を考えた

          能登で何が起きているのか。なにが問題なのか。どう進めばいいのか。みんなで考えませんか。

          5/7(火)から農政ジャーナリスト研究会4回シリーズで 能登半島地震シリーズが始まります 能登半島地震~復興への展望 第1回は「3.11の教訓から能登の復興を考える」 高橋博之さん(雨風太陽 代表)に伺います。 能登半島地震は、人口減少と高齢化が進む農山漁村の課題を改めて浮き彫りにしました。 住民避難の長期化に加え、農地や漁港など生産設備の被害も大きく、農林水産業や伝統産業の再開は厳しい状況です。 被災者の暮らしと生業をどう取り戻していくのか、復興の在り方が問われています。

          能登で何が起きているのか。なにが問題なのか。どう進めばいいのか。みんなで考えませんか。

          「タネの交換会」作業見学会に参加して~タネとは受け継ぎ、託す手紙~

          「誌上タネ交換会」ってなに!? 1940年に創立の老舗出版社「農文協」で、昨日3 月 26 日(水)取材と見学会が開かれ、埼玉の戸田市にある農文協(一般社団法人 農山漁村文化協会)へ行ってきました。 農家を伝えるドキュメンタリー映画「百姓の百の声」(柴田昌平監督)を見て、おもしろそうだなー、「現代農業」の編集部すごいなーと思って、行って見たかったからだ。 農家のための月刊誌『現代農業』では、毎年「誌上タネ交換会」というイベントを開催。 今年で6回目になるという。 『現代

          「タネの交換会」作業見学会に参加して~タネとは受け継ぎ、託す手紙~

          JA全農兵庫×労働力マッチング!淡路島へハクサイの収穫体験で感動したこと

          皆さんこんにちは。 野菜をつくるベジアナです。 淡路島へハクサイの収穫体験取材に行ってきました。 一日からでも気軽に農業現場で働くことができるJA全農兵庫とパートナー企業の労働力マッチング! 農業の仕事を体験すると起こるイノベーションについて考えました。 まずはこちらの4コマフォト漫画をごらんください~ ①農業への意識が変わる ②ハクサイをいとおし~~~く思う ③農家さんに感謝する これは大きなイノベーションですよね JA全農兵庫が企業と取り組む『人手不足の解決法』、

          JA全農兵庫×労働力マッチング!淡路島へハクサイの収穫体験で感動したこと

          農民詩人,星寛治さんの教え。歩み続けることが大事、たとえ足跡が消えても…

          「有機農業」を社会に、地域ぐるみで広める、活動の農家リーダーの草分け的存在であり、農民詩人でもあった星寛治さんが、去年12月、88歳でなくなった。 東京でも偲ぶ会をやろうと有志が集まり、昨日、東京農大で開かれました。 山形県高畠町有機農業提携センターの作付会議に合わせて開かれたらしい。 有機農業研究家の吉田太郎さんに教えて頂き、出席させて頂きました。 星さんといえば、高畠の有機農業のリーダーで農民詩人として知らない人はいない、けれど、もしも知らなかったとしても、 有吉佐和

          農民詩人,星寛治さんの教え。歩み続けることが大事、たとえ足跡が消えても…

          金沢から帰ってきて考えたこと。

          4日から昨日6日の朝まで金沢へ帰っていました。 社会人1年目から10年住んだ金沢は、わたしにとって故郷。 だから帰省です。 去年11月に「能登の世界農業遺産」のシンポジウムが和倉温泉であり、 その帰りに立ち寄った金沢で、昔からの知り合いのお店(赤城)が50周年記念の会を1月5日に開催するというので、もともと行く予定になっていたのだった。 元日の大地震を受けて、帰るべきかどうか迷ったが、 赤城さんへ電話をすると、予定通り開催すると言うので、帰ってきました。金沢へ帰るといつも

          金沢から帰ってきて考えたこと。

          環境か経済か、はもう古い。そういう社会は構造を変えなければならない

          Q、農業はどうしても経済が優先され、環境は後回しにされがちですが、これからはどのように考えればよいのでしょうか? という積年の疑問に、先生はこうおっしゃった。 A. 環境を大事にした農業は儲からないという社会構造は変えなければならない。 わたしはふるえた。 解を頂いてしまったのだ。 その答えの一つが、FAOが認定する「世界農業遺産」。(緑の革命の反省から生まれたプランBとして、伝統農業ととりまく農業システムを評価する)。 そしてその考えを発展途上国だけでなく、先進

          環境か経済か、はもう古い。そういう社会は構造を変えなければならない

          「自助、共助、公助」が大原則。食の問題を自分ごとに!わが家の自給と地域の自給が国の自給につながる

          おはようございます。 1月3日、朝8時前、きょうは嬉しい電話で飛び起きた。 秋田県由利本荘の有名な酪農家で、天皇杯もとった経営成績優秀な生産者であり、 地域および酪農連盟のリーダーでもある柴田牧場さんからであった。 夫人の誠子ちゃんとは仲良しなのだが、夫の輝じいの声だったので、 何があったのかと思って姿勢を正して聞くと、 「今朝の新聞読んだよ」であった。 どんなこと書いてるかと思って読んだら、そういうこと書いてたんだな。 うちも「由利牛」という和牛を東京のデパートで扱ってもら

          「自助、共助、公助」が大原則。食の問題を自分ごとに!わが家の自給と地域の自給が国の自給につながる