最近の記事

僕が選んだ映画の名シーン#10

「500日のサマー」。ラストシーン。 もう最高のラスト。こういうことか!とみんな唸る。 こればっかりはネタバレになるので言えないけれど、とりあえず失恋した人全員に観てほしい映画!ジョセフ・ゴードン・レヴィットのウィットに富んだクズ男っぷりが観ていて飽きないし癖になる感じ。ところどころ彼の心情でコミカルなミュージカル調になったり、暗いモノクロのサイレント映画風になったり、フランス色が強くなったり、2画面構成で対比させたり、とにかく演出と脚本が素晴らしい! 個人的に公園の「ペ

    • 僕が思う「教師は役者たれ」の本当の意味

      「ハリウッドスターが3歳の僕を救った話」3歳の謙ちゃんと妹のマットレス事件  僕には兄(3つ上)と、妹(2つ下)がいる。真ん中っ子というだけで大変なのに、末っ子が初めての女の子だからそのチヤホヤされ具合と言ったら、物心つく前の3歳とかの話なのに鮮明に覚えている程である。  さて、僕は妹にかかり切りの母を見兼ねて、ある行動に出る。かつて同じ状況になったはずなのにも関わらず、黙って耐えた兄と僕は違っていた。なんと妹のマットレスに緑色の極太油性マジックで大量の落書きをしたのである

      • カメラの前と教壇の前に立って僕が少しだけわかったこと

        「僕の好きな映画のシーンとお芝居の力が、教室で少しだけ奇跡を起こす話」 教員を一旦辞めて、芸能事務所で俳優のお仕事をしながらお芝居の勉強をしていた僕が、二年ぶりに復帰して小学校一年生の担任をしたときに、芝居で学んだことがいろいろと教育ないしは人間生活で活かせそうだなと思ったことがたくさんあった。今日はその一つを紹介したいなと思う。 1  カウンターとテーブル  二人の人間の間で行われるコミュニケーションには大きく分けて2種類があると思っている。1つは「カウンター型」、もう

        • 「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」

           星5つである。素晴らしい。演者も脚本も演出も音楽も申し分ない。キャスティングも話題性に富んでいて、とても良かったと思う。主演のティモシー・シャラメは言わずもがな、「ミスター・ビーン」でお馴染みのローワン・アトキンソンや、「ノッティングヒルの恋人」のヒュー・グラントも思わぬところで起用されていて、意外性も相まってとても良かった。  主演のウォンカ演じるティモシー・シャラメは、2017年公開の映画「君の名前で僕を呼んで」で弱冠21歳にして第90回アカデミー賞主演男優賞にノミネー

          9/26 丹治クラス

           初回だった。課題は、内面からではなく、空間からイメージをつくること。丹治先生は空間のことを表(おもて)と言っていたが、表との繋がりを持ち続けることが、ライブ感・イベント感のある演技を創り上げる。  そのために、物を利用する。段の角。箱。カバン。それらを瓦礫に、焼け跡に変換する。もし、その階段が焦げた柱なら、どういう目になるのか。どういう立ち方になるのか。どういう呼吸、どういう間、どういう台詞になるのか。それらは自分が作ってきた内面を表現するのではなく、あくまでバックストーリ

          9/26 丹治クラス

          「I' Tonya」レビュー

           1人の人の人生を観ている気分だった。事実、役の中でトーニャを演じるマーゴット・ロビーは、彼女のフィギュアスケーターの人生を生きていた。注目すべきは現役選手のときと、引退してからインタビューを受けているときの体型や顔の変化である。撮影期間の間にはっきりとした体重の増減があったことは明らかである。  そして、有名な鏡の前のメイクシーンである。様々な混乱の中で始まるオリンピックの本戦の直前、ここで初めて映画が始まって以来、彼女の1人きりのシーンが映し出されるのだが、目の前に巨大な

          「I' Tonya」レビュー

          僕の人生に影響を与えた9人のアーティストたち

          『1. トム・クルーズ』  1番目に紹介する人は間違いなくこの人である。この人がいなけれは、今の自分は無かったと言っても過言ではない。とにかく生き方がカッコ良すぎる。  2022年公開の「トップガン マーヴェリック」では、1986年「トップガン」の36年を隔てた続編という異例の企画に、さらに主演が変わらずという伝説的な出演で現れた。36年間という期間、彼は毎朝トレーニングを積み重ね、肉体、メンタル、役作り、仕事へのモチベーション、自らのプロデュースを全く怠らないどころか、益

          僕の人生に影響を与えた9人のアーティストたち