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トトノウを体験したい。応用編”no title”
90℃。
腕に溢れるシャンパンを育む温度。
87℃でも、88℃でも、89℃でもない。
90℃。
優しく溢れる表面に立つ泡。
汗という名前のデトックス。
トトノウための優しいホップ。
それが90℃。
誰にも見せない、私のすっぴん。
一番むぼうびな私。
お気に入りのファンデーション。
お気に入りのアイライナー。
お気に入りのクリームチーク。
きらりきらりとした薄めなハイライトに
大人っぽいティント。
くるりとしたまつ毛も、真っ直ぐに伸ばして
はだかに、なる。
それが、わたし。
これが、わたし。
肌荒れもあるし、
毛穴も広がるし
くすみは広がってるし、
小さなソバカスもあるし、
それでも、
この瞬間は全てを許そうと思う。
ドライサウナの扉を開ける。
一歩踏み出すと、まだ温度は開けてなくて、
奥に進めば進むほど体を包んでくれる。
90℃。
いつからこんなにも、
私にfitする心地の良い温度になったのだろう。
no titleな優しい時。
情緒をトトノエル心地の良い刺激。
砂時計をひっくり返すと
ちろりちろりと、
静かに時を刻む。
秒針を砂に変換すると、
時は、緩やかに広がる。
薪ストーブを眺める。
柔らかい揺らぎの中で、私はじっくりと水泡の汗を育て上げる。
シャンパン。
小さく細かく、霧のように控えめに。
シャンパンの質。
細かければ細かい程良いのだ。
雨ではなくて霧。
細かい霧をすこーしずつ腕に溢れさせる。
私はそれを口角を上げて眺めている。
汗すら愛おしい。
きっかりと、12分。
体は正直で、蒸された体を解放したがる。
水風呂に手招きされ、16℃きっかりの黒く広がった水風呂に足を踏み入れる。
はあっと吐息をこぼせるようになった。
色付けするならこれはきっと桃色。
体を潜らせる程度に水に浸ったあとは、外気浴。
肌は柔らかい。
表情もきっとそう。
並んだインフィニティチェア。
体重にしなりながらも、私を支える。
何より名前が良い。
インフィニティ。
中2病みたいだ。
目の前には檜の香りと、
ラジオ体操をするお婆様がいる。
垂れた尻に目を細め、私は眠る。
気付くと私の胸元は赤みがすーっと
滲み出す。
”あまみ”
紅斑が体の至る所に姿を表す。
サウナに適応してるし
サウナに馴染めてることが嬉しい。
私は、90℃に溺れたい。
シャンパン
あまみ
インフィニティ
90℃
私は箇条書きみたいに楽しみを重ねる。
ひとりよがりな、こんな時間を。
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