無味無臭

平成生まれの残党、独身、ただひたすらに漂う女。

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何者にもなれない32歳

「大人になったわたしへ 勉強を頑張って、なりたかった図書館の司書さんになれていますか? 家族を大切にして、素敵な大人になっていますか? 後悔のない人生を送れますように」 数多の可能性と夢と希望に満ち溢れていたあの頃、小学校の卒業アルバムでこんなことを書いていたような気がする。 あれから20年、図書館の司書にもならず(まあそれなりに近しい仕事には就いたが)、惰性で働き、家族とも離れ、東京のど真ん中で一人ぽつんと暮らしている。 32歳独身、金なし、夢なし。 二十歳で思い描いて

    • 結婚式とSnowMan

      先日のお話。 大学の友達の結婚式に参列した。 30代にもなると結婚式の招待自体めっきり減っていたのだが、約3年ぶりに慶事にお呼ばれした。 まずはその友達(以降、Xと呼ぶ)とわたしの関係性について話したい。 Xとわたしの出会いは大学で同じ学科のクラスというところから始まった。 しっかり者でリーダー気質のあるXは、人と人とを引き合わせるのが上手であり、いつの間にかわたしもXがいるグループの中に入っていた。 そのグループは男6・女3で構成されており、卒業した今でも定期的に会って飲み

      • 道を歩いていたら、ド陽キャ外国人がパーティーで食べるときのような大きさのピザを箱ごと大事そうに抱えながら食べ歩いていた。なんでだよ

        • 「生まれてきてくれてありがとう」とはまだ言えない

          先日、彼氏が誕生日を迎えたのでお祝いデートをした。 8年ぶりの彼氏なので何をどうやってお祝いすればいいのか皆目検討がつかず、プレゼントももらって嬉しくないものをあげても双方気まずいだけなので、何度も事前に「誕生日、行きたいところとか欲しいものがあったら言ってね」と伝えていた。 それに対して「特別なことは何もしなくていいよ。祝ってくれるだけで嬉しい」という非常に困る返しをしてくるので、誕生日ギリギリまで頭を悩ませていた。 悩みに悩んだ挙句、彼氏が好きそうな場所をめぐるデートプラ

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        • 「生まれてきてくれてありがとう」とはまだ言えない

          日記を書きたいのに、急に仕事が修羅場を迎え出したもんだからパニックになっている。 床が本まみれだ。 流しでトマトまるごとひとつかぶりつき、親子丼の具の中に冷やご飯をぶち込み、汁物をレンチンし、魚を焼いて急いで胃の中に流し込む。 余裕がない。 けれど味は確かに感じる、美味しい。

          日記を書きたいのに、急に仕事が修羅場を迎え出したもんだからパニックになっている。 床が本まみれだ。 流しでトマトまるごとひとつかぶりつき、親子丼の具の中に冷やご飯をぶち込み、汁物をレンチンし、魚を焼いて急いで胃の中に流し込む。 余裕がない。 けれど味は確かに感じる、美味しい。

          「悪い女」の定義

          水曜日の19:00、赤坂。 わたしはある男と待ち合わせ、食事をした。 その後二軒目で酒を飲みながら談笑したのち、閉店時間になり店を出た。 肩を並べながら夜の街を歩くなかで自然と手を繋がれ、解く理由もなく歩いていると、男が「◯◯さん家、行きたいな」と言った。 わたしはしおらしく「家なんて散らかってるけど、それでもいいなら...」と言って家に招いた。 家は散らかってなんかいない。 本当は来ることを見越して、入念に掃除をしていた。 男がわたしの家に来るのは何回目だろうか。 タクシー

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          メンヘラ依存女に付ける薬はない

          昨日は出社前に汚い繁華街に繰り出し、寿司を食べた。 某チェーン店の寿司屋に入ったのだが、店内にいた15人程度のうち、日本人がまさかのわたし1人だけで、外国人に囲まれていた。 店内は異国の香りが漂い、日本にいるはずなのに、あの空間だけはとんでもなくアウェー感があった。 彼らははiPhoneでしきりに動画を回し(明らかにわたしの顔も入っていたのであからさまに不機嫌な顔をしてみせた)、アボカド握りにテンションを上げ、板前の「わさび、OK?」という問いによくわからないまま「OK」と答

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          虚弱な女ボクサー

          “起きたら胸が痛かった 心とかじゃなく右側が” BUMP OF CHICKENの「モーターサイクル」という曲で、藤くんはこんな風に歌い始める。 今日、わたしは起きたら胃が痛かった。 原因はわからない。 こんな胃が痛いことを訴えるだけの歌詞では、誰の心も惹きつけられない。オーディエンスも帰ってしまう。 とりあえずベッドから身体を起こし、パソコンを開き、メールチェックをしつつ適当に返信をする。 リモートワークかつ、フレックス制なのをいいことに近頃はろくに働きもせずやりたい放

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