結婚式とSnowMan

先日のお話。
大学の友達の結婚式に参列した。
30代にもなると結婚式の招待自体めっきり減っていたのだが、約3年ぶりに慶事にお呼ばれした。
まずはその友達(以降、Xと呼ぶ)とわたしの関係性について話したい。
Xとわたしの出会いは大学で同じ学科のクラスというところから始まった。
しっかり者でリーダー気質のあるXは、人と人とを引き合わせるのが上手であり、いつの間にかわたしもXがいるグループの中に入っていた。
そのグループは男6・女3で構成されており、卒業した今でも定期的に会って飲みに行ったりしている。
特にX、わたし、そしてもう1人の友達(以降、Yと呼ぶ)の女3人組で、授業のみならず遊びも何をするにも一緒にいるほど仲良しであった。
出会った当初は3人とも彼氏がいて、あけすけに性事情を話したりとお互いのノリやマインドが合致していて心地よく、2人のことが大好きだった。
しかし徐々にわたしの寝坊癖がエスカレートし、バイト疲れなどから昼過ぎに起床して授業に出られないことが増えていくと、真面目で正義感の強いXに怒られるようになった。(Xに同調するかのようにYも呆れていた)
なるべく揉め事を回避したいわたしは本能でいつもヘラヘラしまうのだが、内心では卑屈モードが発動していた。
もちろん授業に出てるのはえらいのだが、なぜ上から目線で怒られなければならないのだろうか。対等じゃない。負い目を感じる。
単位を落とすことは自己責任なのに、なぜ他人のためにそこまで怒れるのだろうか。
それでも授業以外の遊びとなると変わらず仲良くしていたので、怒られた時の居心地の悪さは我慢をしていた。

そんな3人の関係が変化したのが、大学3年の時。
同じグループの男性陣も段々と単位を落とすようになり、再履同士で助け合うことが多くなったことから、わたしはX、Yよりも男性陣と一緒にいることが増えてきた。
そしてそのうちのZという男性のことを、Xは好きだった。
当然XはZと話したり遊びたいはずなのだが、所謂Zが遊び人で、とにかく自由奔放で女性をとっかえひっかえしていた。なおかつわたしを含めた再履組ばかりで集い、遊んでいたため多少なりとも面白くないと思っていたのだろう。
いつしかわたしの知らないところでXとYが2人で遊ぶことが増え、大学生で目に見えてわかるハブられ方をした。
成人にもなってこんなくだらないことをしていることに心底呆れつつ、(自分の女性性も含め)やっぱり女は嫌だな、と苦々しい気持ちになったのを覚えている。
ただそんな子供じみた仲間はずれも長くは続かず、卒業時にはまた3人で遊ぶようになっていた。
残ったのは心のしこりだけ。

曲がったことは嫌いで、公務員系の安定した職に就き、快活で思いついたらすぐ実行、色々な人を巻き込み引っ張るX。
マイペースで怠惰な性格、楽しい方に流れて行き、根暗でひねくれており友達が少ないわたし。
人間としての気質が真逆すぎて、なぜわたしに声をかけてきてくれたのかわからない。
細胞が「合わない」と叫んでいる。
正直なところ、Xといると精神がすり減る気がして疲れてしまい、腹を割って話せない。
何を話したらいいのかわからないのだ。
全然的外れな喩えだが、なかやまきんに君に人生相談をしても、きっとこちらが望んでいる答えは返ってこない。
今欲しい答えは「パワー!」ではない。
「ヤー!」と言われ、ニカッとされても困る。
かといって、筋肉に関する話題も持ってないし、したところで盛り上がりきれない。
そんなXの結婚式に参列した。

ウエディングドレスを纏ったXは、それはそれは綺麗であった。
品の良さそうなご両親とバージンロードを歩き、凛とした表情で新郎と向き合う姿は、大学時代から変わらないまっすぐさを感じ、時の流れを感じて自然と涙が出てきた。
披露宴もXの性格が色濃くあらわれたものになっており、色々な余興やXが司会となってさまざまなイベントがあったりと、明るく笑顔の絶えない宴となった。
X側の参列者もみなまぶしいほどに明るく、こんなに根暗なのはわたしだけなのでは、と案じてしまうほどであった。

イベントとイベントの合間で新郎新婦が高砂で食事をとっているタイミングで、Yから「今なら写真を一緒に撮れるチャンスだから、一緒に行こう」と誘われた。
Xの元に2人で駆け寄るやいなや、Yが突然涙ぐんで「X、本当におめでとう。綺麗だよ〜」とXに抱きついた。
Xも「え、泣いちゃう...嬉しいよ〜ありがとう」と感極まって泣き出した。
その瞬間、大学時代に味わったハブられた感覚が一気に蘇り、興醒めしてしまった。
Xに対して、抱き合って泣けるほどの関係性が構築できていない気まずさ。
こんなところまで女の友情を持ち出された気まずさ。
その輪に入れず、にこやかに見つめることしかできない気まずさ。
幾重にも折り重なった気まずさを感じつつも、わたしもXに「おめでとう」と抱き合った。

そして最後は、Xから両親への手紙であった。
両親に厳しく育てられたことや教えなどをあげつつ、立派に育ててくれたことへの感謝を涙ながらに語っていた。
その朗読を聴きながら、わたしは別のことを考えていた。
Xは後先のことを考えず思いつきで動くタイプであるため、人と衝突することも少なくなかった。SNSによくアップされていた地元の友達がいつの間にか縁が切れていたり、卒業後にZやほかの男性と恋愛的ないざこざを起こし、グループのうち数人は招待されていなかった。
真っ直ぐすぎる行動と発言が故に、いろいろなものを薙ぎ倒し、傷つけ、踏み台にしつつも胸を張って「幸せになります」と言える、Xという女の強さをまざまざと見せつけられた気がした。
やはりこの世は弱肉強食なのだ。
Xはこちらが願わずとも、自分で幸せを掴めるだろう。

そんなこんなで無事に式も終わり、グループで二次会を開いた。
グループの大半が既婚者であるため、話題はいつまでもフラフラしているわたしの結婚について持ちきりになった。
(当たり前に叱責されそうなので、Aの話すらしなかった)
心配してくれるのはありがたいが、既婚者たちが講釈を垂れるあの時間が苦痛でたまらない。
酒臭い饒舌な酔っ払いたちから、「ゼクシィを机に置け」だの、「今日の結婚式の感想と共にさりげなく結婚を匂わせろ」だの、「いついつまでに同棲したいと自分から言わないと草食男子はわからない」などと直接的なアドバイスをいただいたが、実行しなかった。
そんなことがすぐにできていたら、苦労していないのだ。
実際、結婚式の感想と共に結婚の良さを語ったのだが、「楽しい式みたいで良かったね」としか言われなかった。
雑草がボーボー生えているレベルの脳内お花畑っぷりに、危うく手が出かけた。
早く目を覚ましてくれ、アホンダラ。
今年中に次のステップに進めるようにきちんと話し合う機会を、苦しくても設けようと思う。
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翌日のAM10時。
結婚式で飲んだ酒が身体に残りまくっているのを感じつつ、札幌へ降りたった。
この日はSnowManの5大ドームツアーである「RAYS」が札幌ドームで行われ、フォロワーさんにお誘いいただき、参戦することになっていた。
生まれてこの方、ジャニーズには全く縁もなく興味もなかったのだが、コロナ禍に暇を持て余すがあまりにたまたま観たYouTubeがきっかけでSixTONES、SnowManにどハマりしてしまった。
SnowManでの「推し」は、向井康二くんだ。
グループ内でも、率先してボケたりツッコミ役に徹することが多いムードメーカーだ。
明るく、リアクションも大仰で最初はただのやかましい関西人かと思っていたのだが、バラエティでうまく行かなかった時はちゃんと凹んで反省したり、ダンスの振り入れが遅れた時は人知れずめそめそ泣いてしまったりと、意外と人間臭いところがあり、そのギャップにやられてしまった。
テレビでは明るくお笑いキャラなのに、私生活はカメラやコーヒー、服やサウナなど多彩な趣味を持ち、なおかつ二枚目という謎の二面性を持っているところも可愛らしい。

新千歳空港に着いて、まずは空港内にあるラーメンストリート的なところで醤油ラーメンを食べた。(味噌は?)
腹ごしらえが済んだのち、荷物をホテルに預け、札幌ドームへと向かった。
人が尋常じゃないくらい多く、一緒に見るフォロワーさんとの待ち合わせにかなり苦労した。
初冬の北海道にも関わらず、薄着で肌を露出している若い女の子から、眼圧が強めのおばさままで、かなり層が広く、親子揃って応援できるのもやはりSnowManの強みだなと感じた。
肝心の席はアリーナ並みに良席で、フォロワーさんと手を取り合って喜んだ。
体感だが、札幌ドームは横アリや他のドームよりもかなりこぢんまりとしていて、どこからでも観やすいような気がした。とても良い会場だ。(規制退場以外は)

そしてライブが始まった。
まだツアーは続くので詳しいことは書かないが、カメラに抜かれた時の決め台詞やウインクに周りと同じように黄色い歓声を上げっぱなしであった。
トロッコや気球などでさまざまな場所からぐるっと一周していて、すみずみまでファンと触れ合おうとする彼らの気持ちが感じられてとても良かった。
いろいろなアレンジがなされたセットリストも非常に良く、間奏部分が長くなってダンスする曲もあったりして、やっぱりSnowManはダンスグループだなあとしみじみと感じた。
康二くんは前髪下ろしで相変わらずビジュも最高で、フェイクもばっちり。とてつもなく光り輝いていた。
(なんとなくだけど、今アルバムは康二くんのフェイクや歌唱部分がかなりある気がする。)
火花や炎の特効もブチかましていて、かなりのストレス発散になった。
最近は推し活にかなり離れていたが、やはり現場はいいもんだ。
また会えますように。

帰りは誘導が下手すぎる規制退場で足止めを食らい、終演から約2時間かけて札幌に舞い戻った。
フォロワーさんとはドームで別れてしまったので、すすきのあたりで飲み散らかしたかったが、ひとりなので寂しく寿司を食べてホテルへ戻り、泥のように眠った。

翌日はホテルで朝食を食べ、お土産を買い、アイスクリームを食べ、新千歳空港のラーメンストリートで塩ラーメンを食べた。(味噌は?)
夕方の便で羽田に戻り、帰路に着いた。
体重計で測ったところ、過去最高体重を叩き出していてさすがに焦りが生じた。
「虚弱な女ボクサー」以来、ジムに行けてない。これはまずい。
必ず今月行きます。

結婚式で現実を味わい、SnowManのライブでアイドルのケツを追っかけ、現実を忘れる。
この土日は真逆のことをしたが、どちらも楽しかった。
そろそろ彼氏と向き合わねば...。

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