人間のほとんどが言語が使えない。
私は十代の頃からこれをいつも考えていました。
最近では、この研究をしている人がやはりいるのです。たぶん私と同じ気持ちで研究をしているのかもしれません。
物事を説明しても全く理解できない。あるいは違った解釈をしてしまう。
なぜそのような事になるのか?
甚だ疑問でした。
私はこのnoteで頻繁に、「テスト勉強の弊害」という言葉を出していくと思うのですが、それは主に社会科学に関してのことです。社会科学という学問は、曖昧な学問です。なので、どのようにでも解釈できてしまう。憲法解釈論なんかが一番いい例ですね。憲法や法律なんて国によって全て曖昧です。学問と呼べる領域か微妙なものです。 学問として不完全といっていいでしょう。
しかし、数学は違います。と言っても数学は純粋な自然科学ではないかもしれませんが・・・。
自然科学についてはテスト勉強の弊害よりも、ちゃんとテスト勉強したかどうか。そちらの方が重要になってきます。それによって、正確に的確に素早く分析し、理解し、そして行動に移す。これが求められます。
自然科学を利用した企業では、それが圧倒的に求められるのです。
私たちのような高卒者は、完全な専門書を読む事ができません。なぜなら研究者の論文はほとんどが、大卒以上の数学・数式などで書かれているからです。
くだらない例えですが、簡単な例えで言えば「2×2×2×2=16」ですね。これを端的に纏めると「2⁴=16」になりますね。何もわざわざ「2×2×2×2=16」と書く必要はない。しかし、「2⁴」を知らない人は何を意味するのかが分からない。そこに書かれている言葉の意味を理解しないと文章は読めなくなってしまうのです。
「形式論理学・命題A・逆命題・対偶命題・論理学の法則・多値論理学・二値論理学・排中律・直観主義論理・背理法」と専門語句は、長い説明文を一つの語句でまとめている。
例えば思想・哲学。
知らない人は、単純に自然言語で書かれていると思うでしょう。
一つ例を挙げますね。
この論文なんかを見るとわかると思います。
概念形成の哲学のために - OPAC
概念形成の哲学のために
――ウィトゲンシュタインの数学の哲学――
千葉大学大学院
社会文化研究科学科
入江俊夫
適当な箇所を引用させてもらいます。
どうです? 全く読めないでしょう。基礎数学ができないと思想・哲学も学べないのです。
大学の基礎数学などでちゃんと書かれているんですね。まるっきり素人には読めない。
・・・私も読めません・・・。
専門書は、このような専門用語がずらっと並んでいます。つまり私達のような高卒者以下は読めないのです。
文章というのは、なるべく的確に短く説明することができるのが一番いい文章でしょう。
私みたいに、ダラダラと長い文章を書くのは、ダメ文章です・・・・。
とにかく私たちのような高卒者以下は、勉強するにあたって専門概説書を読んでください。それだけでも充分、物事の性質はわかるはずです。
仕事の専門分野を変えるのであれば、もちろん大学に行った方が良いんでしょうけども、そうでなければ、それぞれみんな仕事や家庭を抱えているので、概説書で充分です。
さて、前にも少し載せたんですが、もう少し詳しく説明して行きます。
まずTBS報道特集。
「人工知能と生きる未来」・2017年6月24日放送
国立情報学研究所 ・新井紀子教授のインタビューが放送されていて、人工知能は東京大学に合格できるレベルまで達することが出来るのか、と言う
「東ロボプロジェクト」
を開始しました。
挑戦五年目には、有名私立大学を含む全国の7割以上の大学に合格できるほどの実力をつけたのです。
ところが、「人工知能は蓄積した情報から統計的に正しそうな答えを出しているに過ぎず意味を理解しているわけではない。そのため読解力を求められる国語や英語で得点が伸びなかった」というのです。
ウィキペディアによると、
と、あります。
やはり数学は理論的なのでかなり分析できるんでしょうけども、言語・語学は人間特有のニュアンスが入ってしまうのでいまだにAIは理解できないのでしょう。
そもそも理解という概念がAIには今のところないのです。
少し話は脱線しますが、私は脳科学を何分の一か信用していません。言語能力というのは脳科学に依存しているようには思えないからです。どちらかというと遺伝能力だと思っています。仮に遺伝能力が圧倒的に影響するのであれば、遺伝子と脳の関係性の仕組みがどうなっているのか、関連付けを理解しない限りはまともなAIは作れないと私は推測しています。
・・・専門家でもないくせに・・・。
もう少し具体的に内容を追っていくと、
新井紀子教授・「生徒の答案をみているうちに、これは計算間違えとか聞き間違いではなくて、もしかしたら中高校生は文章がそれほどちゃんと読んでないんじゃないかなって気持ちになったんです。」
と気付いたんですね。
ちなみに私はこのことについては中学の頃には気づいていました。人間は言語があまり通じてないんじゃないかと。
それで調べることにして新井教授は全国2万人の中学高校生に文章の読解力を試すテストを始めたのです。
番組内で出された例題です。
正解は「異なる」ですね。
ところがです。この問題に対して、
「中学生が44%、高校生でも23%が間違えた」
というのです。
年齢的にいろいろなことがまだ未熟だという部分もあるかもしれませんが、それでもです。この文章に関してはかなり簡単な文章なはずです。
色々な物事に対して「未成年」という概念はやはり必要になってくるということでしょう。
ところがです。
また新井紀子教授の記事になります。
この文章で分かる通りです。これは小中高生だけでなく、大人も文章が読めていないのです。人の話が理解できていないという人が圧倒的に多いのです。
私事ですが、社会人になって、上司ズラした人間や社長ズラした人間たちに話をしても全く理解できません。
それなりの数の零細企業で働いてきましたが、話が全く通じない。私が働いたほとんどの会社で給料・ボーナスが払えなくなるという状態になりました。何をどう説明しても理解ができないのです。社長レベルでです・・・。
取引先も一部上場・二部上場の大企業です。その幹部、部長・課長・係長など、このレベルの人間達もほとんど理屈が通りませんでした。だからです。大企業の効率化、これが全く進まないのは。大卒者でもほとんど言語が通じていない、文章の読解力がない、理解力がない人がほとんどです。なので大企業であってもプロジェクトが、例えば私みたいな人間が十人いたら一ヶ月で終わるプロジェクトだなぁと思うのですが、二か月から三か月かけて動きます。とてもじゃないけど信じられ無い状態です。
すべてにおいて感情論でしかものを語りません。上場企業がです。いい大人がです。
続いてです。
上記の例文はたった5行しかありません。これが50行になったら?、500行になったら?、専門概説書のように300ページあったら?、ほとんどの人間は理解できなくなってしまうのです。
だからです。ウクライナ・ロシア問題でも、イスラエル・パレスチナ問題でもほとんどの人が全く理解できず訳の分からないネットの書き込みをしているのはそういった理由です。専門書300ページぐらいの本を読まない限りこの二つの問題は理解できるはずもありません。多分読んだとしても頭に入ってこないんじゃないでしょうか。あるいは理解できない。
だからネット上の書き込みが全部感情論で書かれている。
「恐ロシア」
が一番いい例ですね。
いい大人が、まるで子供です。
何を言ってるんだかさっぱりです・・・。
私個人の経験上の感覚からしてもやはり、人類の7割はまともに言語が使えないんじゃないかと思っています。
ただです。ここからが私は重要なことだと思っています。
新井紀子・吉野次郎が指摘している次の箇所は、まるで違っています。
明らかに世間知らずで、社会を見て来ていない。
これは上場・大企業で勤めてる大卒の連中とよく衝突するのですが、(大企業>零細企業)と上下関係がはっきり決まってしまっているので、まだ経験も浅い二回りも年下の社員達にも、こちらは強く言えません・・・。完全に間違っていてでもです。
「エリート層の自惚れ」というのがやはり表れてきます。
この二つの文章は恐ろしいほどのエリート特有の「自惚れ」です。
全く、現実が投影されていない。
正に、言葉通りの「机上の空論」です。
次は、その指摘を私の経験などの実例を挙げて説明していきます。