【22卒】ノリで挑んだGoogle 3
初めての方も,そうでない方も
こんにちは.
それがし,東京のしがない大学院生,りゅうと申します.
【前回のおさらい】
この記事は第三話となっております.これまでのいきさつは上の記事に書いておりますので,是非一読ください.
ここで,初めての方もいらっしゃるかとは思いますので,軽いおさらいを書いておきます.
田舎で生まれ育った私は,大学で上京してきました.
そのまま,同じ大学の大学院に入学し,現在に至ります.
実家は亭主関白な父が経営する中小企業で,元々はそこに就職する,つまり就活をしない予定でした.
しかし,父との関係そして,幼少時代に受けた厳しい校則からの反発から,もっと自由にいたい,社会に縛られたくないと思いから,より自由で頑張れる環境すなわち「Google」という場所を目指し始めます.
そして,紆余曲折を経,技術職つまりデーターセンターテクニシャンという職種の書類審査を通過することができました.
その後面接のための準備をし,いざ面接に挑むことになります.
ここまでが以前のおさらいです.
【いざ,面接!】
さていよいよ面接の当日となりました.
ここで突然ですが,当日のコンディションを万全にするためさまざまな策を考えていました.
それがこちら,
・起床・就寝時間等は全ていつものルーティン通りに行いいつものコンディションを再現
・座位で脚を圧迫し頭への血流が滞ることで思考力が落ちないようにスタンディングデスクを使用
・血糖値が急激に上がり思考力が落ちないように,食事は低GI食品を摂取
・開始の約1時間前にカフェイン摂取し,神経を興奮状態にさせる
・開始の30分前にジャンプスクワットを行い脳への血流を促進
・15分の瞑想を行いマインドフルネス状態で集中力を高める
・そもそも面接を午前に設定し,脳のウィルパワーが十分残っている状態で挑む
笑われるかもしれませんが,重要なイベントがある日には今でも欠かさずやっていいます.
しかしここに思わぬ落とし穴がありました.
久しぶりに脚の運動をするのにも関わらず,加減を誤りスクワットをやりすぎてしまったのです.
これから生まれるGoogleとの物語を前に筋肉痛の脚は震え,「生まれたての子鹿」のような状態になってしまいました.
これに追い討ちをかけるように,机がそびえたつ崖のように高い.
スタンディングデスクをチョイスした自分を先祖末裔まで恨みそうでした.
しかしそんなことは言ってられません,気づいたら開始5分前です.
机にしっかりと掴まり,送られていた面接のGoogle Meetのリンクへとアクセスしました.
そして,「もう新年明けたんじゃない」って思うくらい長い5分を待った後,
誰かがミーティングに入室した音が聞こえてきました.
【面接開始!】
言い忘れていましたが,今回の面接は全て英語でした.
さていざ面接開始です.(喋りの部分はニュアンスでしか記憶していなく,日本語で書いています)
まさに自分の感覚ではこういうことが起こっていました.
なんと相手の英語のアクセントがインド系のものだったのです.
まるで「上京したての高校生」のようにウブな私の英語耳は,当然全アクセント対応型なはずもなく,またインド系アクセントは特に聞き取りの苦手なものだったのです.
もはや頭が真っ白です.トンネルを抜けた雪国の世界に私は居ました.
もうこの時点で,相手が何語を喋っているのかわからなくなっていたし,沈黙が続きます.スティーヴン・セガールです.命運ここに尽きたと思いました.
相手のオフィスで有線のBGMが流れていたら多分德永英明が流れていたと思います.
しかし,またもやGoogleは私に救いの手を差し伸べてくれたのです.
面接はGoogle Meet上で行われていたのですが,なんと字幕機能が搭載されているのです.御釈迦様が地獄へと垂らした蜘蛛の糸のように,暗雲たちこめる心に一筋の希望が差し込むのがありありと感じられました.
真名解放を行い,ついに私は宝具である字幕をスイッチオンしました.
するとどうでしょう,いままで全く聞き取れなかった相手の英語もスラスラと我が宝具が文章化してくれます.
そういうわけで無事会話ができる状態になりました.
テニサーの新歓レベルの簡単な自己紹介を済ませ,いよいよ本格的な質疑へと入ります.
忘れもしません,あの最初の質問を.
完璧ではないものの必死でやった準備,説明会を見て獲得した根拠のない自信,私はそれらに酔いしれ肝心な準備を怠っていました.
全くの盲点でした,ボクシングの試合に出ていたのにいきなり蹴りが飛んできた並みの衝撃です.
バキが観戦していたらきっとこう言っていたでしょう.
技術系の質問がメインというふうに聞き,なるほど自分はこういう知識さえつければイケると勝手に納得していた愚かな自分の笑顔が脳裏に浮かびます.
しかし誰も「技術系の質問のみ」とは言っていません.アイスクライマーの通常必殺技を食らったかの様に,私はその場で凍りました.
そして3ヶ月ほど長く感じた3秒の熟考の後,私はゆっくりと勿体ぶるように,まるで余命宣告のように深刻かつ神妙な面持ちでこう答えました.
その3秒で自分が捻り出した嘘偽りない,まるで「e^iπ + 1 = 0」(オイラーの等式)のように簡潔かつ美しい答えをぶつけました.
みたいな反応だったと思います.
よかった,助かった,と思うと同時に「JK並みの軽い受け答え」に少し肩の力が抜けました.この志望動機の質問はあくまでアイスブレイク的会話の一部であってそこまで内容は重視されていないのかなと感じました.
そして面接は続きます.
その後は説明会で聞いていた通り,技術系の質問のみでした.
守秘義務等の関係により,具体的にどんな質問が出たのかはここに記すことはできませんがざっくりいうと,
・ハードウェア,OS,コマンドについての知識
・デバッグのケース問題
・ネットワークの知識
について聞かれました.
手応えとしては正直40〜50%くらいでした.
知識の質問はきちんと答えられたのなんて少しで,ほとんどが
と言った応答に始まり,「けど〜なこともできるコマンドもあるよね,名前忘れたけど.よく使うんですかね?」などと,「綾鷹〜急須でいれたような、にごりの旨み〜」レベルでお茶を濁しました.
一方ケース問題の方は正解がないので,自分が思ったどんな些細なことも全て相手にぶつけました.詳しくは言えないのですが,後から考えてみると本当に斜め上の解答ばかりで,「IPPONグランプリ」と勘違いされてもおかしくない様子だったと思います.
そして最後に数分間,いわゆる「逆質問」コーナーがありました.
私は待ってましたとばかりに,不倫騒動の記者会見並みに準備していた質問で攻め込みました.
しかし時間の関係からできた質問は3つでした.
・趣味は何か
・働かなくていいほどのお金を手にしたとしてもあなたはGoogleで働き続けるか
・人間関係や,職場環境から見て仕事は楽しいか?
と言ったことを聞きました.
詳しい回答は覚えていないのですが,ざっくりいうと,その人は家族との魚釣りが趣味で,仕事が楽しく,例え働く必要がなくなっても働くだろうと言う回答でした.
まるで「学生時代に頑張ったことは」と聞かれ,バイトリーダの話が出てくるような模範回答さと,いい意味で予想通りの回答でした.
そんなこんななやりとりをしていると30分があっという間にすぎており終了時間となりました.
【振り返って】
私は他の会社の面接を受けたことがないので,どう違うかについてはわかりませんが私が受けた印象について話します.
まず,質問が稀に曖昧であることです.
これはわざとそうしているのか,応募者がどれだけ質問の聞かんとするところを理解し,その曖昧さに対峙できるかと言ったところを探っているようでした.
実際,説明会でも「答えだけが重要じゃなくて,どれだけ相手に質問して答えに辿り着けるかその過程も重要」のようなことを言っていたような記憶があります.
他にも,人によるかもしれませんが,とにかく明るくてフレンドリーであることです.(安村が頭をよぎった君,俺と同類だ)
これにより,面接中は意外なことに緊張があまりなく,どちらかというと楽しんで,リラックスして会話を楽しめたと思います.
こうして私のチャレンジは終了しました.
終始しどろもどろでしたが,時に笑いを交え,面接というよりかは「旧友とカフェで談笑」したような雰囲気で,とても楽しめたのを覚えています.
しかし肝心の出来はというとボロボロです.
正直できる限りの対策はやったつもりで,悔しいというよりかはむしろ清々しい,「W杯後の本田圭佑」のような感じでした.
数週間後にメールが来るとだけ知らされていたので,
のメールがいかにオシャレに丁寧に送られてくるのかまた首を長くして待っていました.
しかし,,
待つこと1ヶ月,まだメールが来ません.
また年明けの上り線かっていうくらい遅い,色々とデジャブ感があります.私は「もしかして…」と思って少し色めき立っていました.
そして1ヶ月と数日が経ったある日のこと,Googleから一通のメールを受け取ります.
なんと,またしても面接に合格していたのです.
正直私は忘れかけていました.
流石に2回目もこんなに遅いわけないだろうし,
くらいに思われたんじゃないかと思っていました.
しかし,神のいたずらの様な展開により,この第二関門をまたもノリで突破してしまったのです.
【終わりに】
最後まで読んでいただきありがとうございました.
第二作も好評で,公開後たくさんスキをいただきました,読んでくださった方ありがとうございました.
さて今回は1回目の面接後までの話でした.実はまだ色々面白い話があるんですけど,もっと語っていいですか...?
はよ語らんかい,先読みたいって方は是非是非スキをお願いします.
またスキがある程度来れば続き書きたいと思います.
また,次作を逃さない様,フォローもよければお願いします!
随時質問,コメントも受け付けております.まだ一回もコメントいただいたことがなく,制作の励みになるので,もしよければお願いします!
改めて,最後まで読んでいただきありがとうございました.