ぬま大学第10期最終講義|本吉町を会場に気仙沼市が東日本大震災から歩んだ道程を知る
2024年10月6日はぬま大学第10期の講義最終日だった。あとは11月に行われる最終報告会となる。もっとも最終報告会までの日々に、最終報告会に向けた個々の取り組みやマイプランのブラッシュアップが行われるため、あくまで講義という形で集まるのが最後というだけである。
2年振りの本吉町
最終講義が行われた会場は、気仙沼市本吉町。気仙沼市の南側に位置して、登米市などと隣接する地域である。第一回講義が行われた大谷地域から近い。筆者が本吉町を訪れたのは、2年振りくらいでなかろうか。訪れた場所がほぼほぼ今回と重なる。
2年前に訪れたときは体育館に訪れたが、今回はその隣にある本吉公民館に訪れた。本吉公民館に入るのは初となる。本吉公民館は、図書館、保健福祉センター、音楽ホールで構成される複合公共施設となっており、コンクリート造りの特徴的な構造の建物に施設群がまとまっている。
なんとなく、大船渡市のリアスホールが小規模になった建築物のように見えなくない。もっともリアスホールほど館内は複雑になっておらず、リアスホール内部に見られる一見すると用途が不透明な空間がない。些か複雑な構造に見えるが、歩いてみるとスッキリした動線になっていて、不必要な移動が生じない。
第10期のぬま大生が過ごす最終講義の時間
講義は、畳が敷かれた和室のような研修室で行われた。前半にグループワークを行い、後半に気仙沼市役所の方から気仙沼市が歩んだ復興、そこにあった考えや想いを伺うワークが行われた。前半は、前回同様各々のマイプランについて話し、コーディネーター・ぬま大生から質疑・意見を頂きながら考えを深める時間である。
コーディネーターを交えてぬま大生同士が互いのマイプランについて話し合う中で、従前まで思いつかなかった気付きや考えから抜け落ちていた点が見えてくるだけでなく、ぬま大生同士のコラボレーションやコーディネーターも含めて互いに持っているリソースや知っている地域資源との連携に関する知見を得られる。
後半は、とりわけヒトにフォーカスされた気仙沼市の復興の軌跡についてムービーの上映を挟んで話を伺う時間となった。東日本大震災から復興の歩みを進める中で、気仙沼市ほどヒトの育成に投資し続けた自治体は希有である。たとえば大船渡市は、インフラと産業の復旧への投資が中心であったり、岩手県沿岸部は同様の傾向が強く見られた。
もちろんヒトに対する投資をしなかったわけではなかったが、東日本大震災から13年の月日が流れてなおヒトに投資し続けている自治体は、少なくとも岩手県においては余りないのでなかろうか。そしてその結果として、決して好ましいとは言えない今があるように思える。
その意味において、ヒトに投資し続ける判断をした気仙沼市の選択は、恐らく大きく誤っていなかったのだと感じた。もっともそれは、ヒトへの投資に力を置き続けてこなかった自治体が失敗に近い状態に陥っている現状との比較であって、気仙沼市の選択が正解だったという話ではない。そもそも正解のない話である。
しかしながら、ヒトに投資し続けた胆力、それに呼応するように様々なポジティブトピックが生まれている現状を想うと、荒れ地を耕し、苦労して育んだ土から芽が出て来たときの喜びのような、心に訴える大きなものが確かに存在していると感じられた。その芽が大輪の花を咲かせることを願ってやまない。
講義終了後は、鮨處えんどうで懇親会が行われている。BRTの乗車体験が列車の電車体験に似ているといったBRT体験談やぬま大学最終報告会に向けた話など様々な話が飛び交い、これまで同様に賑々しい時間となった。残り1.5ヶ月。一つの区切りが近い。
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