マクドナルド《ハッピーセット》に見る価格戦略
昨日、久しぶりにショッピングセンターのフードコートに家族で行きました。
店舗の中央にある供用の客席は《新しい生活様式》に合わせてテーブルを間引きしたり、席を減らしたりしたりして見た感じですが3割は減っているように思います。
しかし、出店している飲食店の数は変わりません。
そうなると、イートインの売上は全店が平均的に減ったとしても3割減。
実際は店舗で差があると思いますので、悪いところでは5割以上、良いところでは1~2割の落ち込みかと思います。
そんな中、一人勝ちだったのがマクドナルド。
日本フードサービス協会の発表では4月度の外食売上高(全店ベース)は前年比39.6%減と大幅な減少となっていますが、マクドナルドは前年比6.5%増と軒並み外食産業が新型コロナウイルス感染症の影響で売上を落とす中、前年対比の売上を伸ばすという凄い業績をたたき出しました。
マクドナルドも時短営業や店内飲食を自粛しており、客数は18.9%減少しています。
18.9%しか減っていないというのもすごいですが、それ以上に凄いのが客単価の伸び率です。
なんと前年対比31.4%増と大幅の増加です。
記事にもありましたが、ドライブスルーや宅配などで個人単位の購入から家族単位の購入になった事が寄与していますが、それだけではないと思います。
それはしっかりとした価格戦略に基づいた《客単価を上げる事》に取り組んだ成果が出てきていると思います。
私が注目したのは《ハッピーセット》の価格です。
私も子供が3人いてこの《ハッピーセット》には本当にお世話になりました。
子供達はこのセットについてくるおもちゃが欲しくて、いつもマクドナルドに行こうと言われていました。
お子様をお持ちの親御様ならこの経験はお持ちかともいます。
その《ハッピーセット》、今の価格をご存じですか?
なんと《500円!!》
アプリなどで様々なセット商品の割引を行う中、《ハッピーセット》は割引をされていないのです。
アプリなどを利用して購入したことがある方なら分かるかと思いますが、この《ハッピーセット》はほとんどの場合、クーポン適用で390円程度で購入できていたかともいます。
その《ハッピーセット》が500円!
今は子供利用で家族を呼びこむ戦略的商品を値下げしなくても、家族単位購入が増えているのでわざわざ利益を落としてまで値引する必要が無いという考え方がハッキリと分かります。
実にクーポン利用時との客単価の差は128%!
28%も高く販売できます。
元々の値段が500円だと考える事も出来ますが、このセットを4人家族で2人の子供が購入すると220円もの粗利の違いが出ます。
他のセット商品の価格も高単価商品が多く、1セット当たり20~30円は客単価向上に寄与しているのではないでしょうか。
安いと思われているファストフードがしっかりと客単価を上げて売上を確保している。
他の飲食店は席を減らして、価格を下げて集客をメインにしている。
この事をしっかり考えていかないと、結局事業としてお店も会社も残すことは出来ず、お客様も従業員も守れません。
お客様が納得していただける《今までより高い客単価》の実現こそ、飲食店の生き残り戦略の要だと私は思います。
是非一度検討してください。
ちなみにマクドナルドの5月の前年対比は15.2%増!
客数は20.7%減
客単価は驚異の45.3%増でした。
いただいたサポートは飲食店への支援活動に使用させていただきます。 ありがとうございます。