会話にならない英会話のゆくえ
語学の成長?
必要に駆られ英語を学びはじめて早数年、成長の実感が全くない。
先生が話す英語でわからないところがあれば毎回what is~と質問攻めにし、会話のこしをおりまくっている。
そうなると英会話で真っ先に重要視される「リズム感」なるものは立ち所に不調をきたし、きっと大いに先生を困惑させているだろう。
そんな不出来な生徒を見捨てない優しい先生。いつもありがとう。
先日も当たり前のように出てきた「nauseous」という知らない英単語。
真っ先にこれはなんだと先生に聞く。
するといつものように例文を出して懇切丁寧な説明をしてくれたのち、まず英英辞書でその英単語の意味を調べてくれた。
nauseousとは
という意味らしい。だがさらに「vamit」という新たな敵に遭遇する。
もはや無限ループであることは間違いない。
※ちなみにvamitは吐く、とか戻すという意味でした。
きっと見ていられないくらい不可思議な顔をしていたんだろう。先生は気を使ってさらに日本語辞典で検索をかけてくれた。
おしんってなんですか?
すると何個か羅列される日本語たち。そこでやっとnauseousが吐き気を催すという意味の形容詞であることを理解した。
やっとこの「吐き気」にまつわる、永遠にも似た時間から解放される…。
しかし当たり前だが会話がここで終わるはずもなく、先生はいくつも並んだ「吐き気」に関する日本語の中で、もっとも現代人が使わないであろう「悪心」という日本語を指差し「これはどういう時に使う日本語なのか?」とにこやかに難しい質問をぶっ込んでくる。
なんでこれ?と内心思いながら「I've never used it」と息も絶え絶えに返すと、先生は苦笑いしつつ「OK」と不出来な生徒を見逃し、そこでその日の授業は幕を閉じた。
英語の前に日本語の学習が必要かもしれない
英語を学んでいると日本語を学ぶ瞬間によく出会う。
悪心という読めるけど使ったこともない、多分今後も使う予定もない日本語。もしかしたら英語を勉強することにならず、今日授業を受けなかったら疑問にも思わなかっただろう。
こうなってくると急に自分の日本語力に自信を失う。特に朝のニュース番組を見ていると、当たり前のように知らない単語がちらほらいるのだ。
だが母語というものは厄介で、なんとなく全体のニュアンスで知っているかのように振る舞うことができてしまう。本当は虫食いみたく、意味の分からない日本語がぼこぼこあるのに。
会話にならない英会話のゆくえ
最近は小学校3年生くらいから英語を習うんだよと友達に聞いた。
もはや自分は何歳から、学校で英語を強要されるようになったのか記憶が定かではない。でももっと遅かったかな。
確かに小テストちゃんとやっときゃよかった。
というか帰国子女になりたかった。
なんていうどうしようも無いことを考える時もある。
高校生の頃、初めて帰国子女の女の子のイケてる英語を聞いて「すげ〜」という謎の高揚感と共に、自分には永遠に無理では?と深い諦念を抱いた。
だが学生という勉強していれば大抵のことは許された時代から解放され、英語を半強制的にやる必要がなくなったから今だからこそ、新しい語学を学ぶことの面白さ、同時に日本語という母語の奥深さと自分の無知さを知らしめられる。
もちろん学校で英語を学ぶことが悪いとは思わない。
これからの日本社会を憂い、国際競争力をつけ我が子の可能性を広げるため「とりあえず英語」という親御さんの気持ちはよく分かる。
でも英語はやったほうが得だと言われたあの頃、その得が何を意味しているのか分からなかったし、知りたいとも思わなかった。
親も先生も必要だからという割に、自分たちはまるで海外に興味はないようだったし。
現在毎日のように英語に翻弄されているのは事実だ。
人間若い方が記憶力もいい。
だけど何歳からでも、必要に駆られれば人間やる時はやるし、歳を経たからこそ分かる知らないことを知る楽しさもあるのかな。
とも思ったりするのです。