今までになかった新しい水産流通を生みだす事業開発プロセス
なんだかんだで水産現場にどっぷり浸かって、もうすぐ3年。
ウーオで事業開発をしている、セールスチームの神崎です。
実際のところ、何をしてるの?と聞かれることが増えたので、2022年12月22日に行われた自社イベント「UUUO Developers Meetup #2」に登壇をした際の内容を、検証からサービス化した事例を中心に発信してみます。
自己紹介
株式会社ウーオの神崎(@shotarokanzaki)です。
2020年4月にウーオに入社して以来、事業開発中心に動きながら、事業成長に必要な戦略/体制/予算管理等にも携わっています。
それまでは、屋外広告物を扱うベンチャーで営業中心のキャリアを積んでました。
昨年登壇した際の詳細資料はこちらに貼っておきます!
ウーオにおける事業開発とは
”事業開発”という言葉はスタートアップ/ベンチャー界隈ではよく聞くフレーズですが、一般的には「事業機会やその価値を最大化させること」と考えられています。
売上/利益の最大化や、顧客への提供価値の創出などさまざまな観点があるなかでも、「普段取り組んでいる事業をもとに視点を変えて着想し、新しい価値を生み出すこと」と定義したうえで、お話しできたらと思います。
事業の変遷
ウーオは鳥取の産地仲買から事業をスタートし、昨年まで鳥取の港(産地)で買参権を持ちながら、セリで魚を買い付けて全国へ出荷をしていました。
そのプロセスで顧客が増え、全国各地で連携する港も増えていき、各地の港の魚をかんたんに買えるマーケットプレイスを築いてきました。
アナログな水産現場でアプリを使った受発注サービスが受け入れられるのに、相当の時間と苦労を要しましたが、やっとこさ事業が伸び始め、コッカラッス!!!という状況です。
今トライしていること
今までは産地→消費地の一方方向のみだった水産流通から、2次流通を生み出し、価値を高められないかトライしています。
ウーオとしてのメリットは、GMV向上が見込め、出品者にとってはさらなる販路の拡大、購入者にとっては今まで以上に仕入れの選択肢が拡がります。
実際に市場に足を運んでトライ
実際に豊洲市場に行くと、売れ残った魚が膨大な量、膨大な種類存在しており、今日売れなければ冷蔵庫に保管し、明日また全く同じ顧客に売るため、
商品価値が下がり、安く売られていくという課題があります。
莫大な量の売れ残りを目の前に、下記のような発想に至りました。
「この場で、このタイミングでは売れなかっただけで、他にもこの魚を欲しがっている人は日本各地に無数にいるんじゃないか?」
↓
「この在庫情報をUUUO上に掲載すれば、高値であっても欲しい人が買っていくんじゃないか?」
↓
「お客さんは産地直送の魚にこだわらず、売れる鮮度の魚が欲しいので、産直でも在庫でも理論上は関係なく売れるんじゃないか?」
仮説が生まれれば、あとはそれを実行して検証するのみです。
実際に在庫を出品して検証
実際に卸売業者に在庫として残る魚を出品してもらい、売れ行きをみたところ、名古屋・大阪・広島・福岡といった消費地に魚が売れていきました。
これは僕自身も驚きましたし、お客さんも驚いていました。
他の地域には売れないと思っていた魚が売れていくことで、販路が拡がり、利益も向上したため、大変喜んでいただきました。
在庫出品開始後の変化
今まで「産地の新鮮な魚が買える」マーケットプレイスだったUUUOは、
消費地の水産会社が出品者に、水揚げ直後以外の魚も流通することになったことで自分に適した業者・魚と出会い、繋がり続けられるマーケットプレイスに変化しました。
下記で土谷さんも触れていますが、その変化に伴って新たなイシューが生まれ、そのイシューを解決する機能が実装され、サービスのアップデートにつながっています。
事業開発のポイント
魚の売買というアクションそのものは今までと変わっていないものの、既存の構造を組み替えることで新たな取引を生み出せた今回の事例から、着想次第で新たな価値が生まれる可能性を感じました。
また、それには先入観・固定観念を手放すのが重要ということや、ゼロベースで立ち上げることだけが事業開発ではない、という学びもありました。
新しい価値を生みだすのは大変ですが、めちゃくちゃ楽しいです!
水産業におけるウーオの存在価値
水産業で働いてる人達は、魚が好きで詳しくて、目利きも出来ます。
毎日目の前で実際の魚に触れているので、僕らよりも魚の知識がある人達ばかりです。
ただ、僕らは水産流通における水揚げ〜消費者に届くまでのオペレーションに関しては、誰よりも理解している自信があります。
それは、自分たちで港のセリで買付出荷をし、市場に届くまでの物流の動きや、市場に届いたあとに誰の手に渡り、どうやって飲食店やスーパーまで魚が運ばれ、どう売られているのかといった、川上から川下までを全て自分たちの目で見て、解像度を上げ続けているからだと思います。
ウーオはそういったプロセスを踏んできたからこそ、構造を理解したうえで本当に必要とされるサービスを開発・展開できていて、ゆえにアナログな業界内でも受け入れられ、PMFしはじめているのだと自負しています。
これからも泥臭く現場に出向いて、解像度を高めながら表面化していない課題を発見し、手数をどんどん増やして打って仮説検証していきます!
ウーオでは現在、セールス/BizDevメンバーを募集中です。
このnoteを読んで少しでも気になったという方は、気軽にカジュアル面談に申し込んでもらえたらと思います!
CSチームやプロダクトチームとも議論しながら仮説を立て、すぐに当てに行って検証できたり、今はまだ概念としても存在していないものをサービスとして作っていける面白さがあったりと、やりがいが無数にあります。
これまで水産業界に縁がなくても(僕もそうでした)、事業や課題の背景を全体観で捉えられて、ビジネスの勘がはたらく方であれば活躍できると思うので、まずはお話ししましょう!
TwitterのDM等でもぜひご連絡ください!
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