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タカ君が迷子になった夢《Dream Diery 08》


xxxx年4月29日(x)


 壁に大きな地図が貼ってあるバス会社の事務室で、母と私が姉に向かって何か説明をしている。私と母と姉と、姉の二人の子供(兄妹)の五人で旅行をしていたのだが、途中でお兄ちゃんのタカ君が迷子になってしまった。どの地点でタカ君がいなくなったとか、その後どちらの方向に行ったのかを地図を見ながら話し合い、だから母と私と妹のチーちゃんは、バスでこの方向に行ったらタカ君を見つける可能性が高いなどと話していた。タカ君の母親である姉がどうしたのかは分からない。私はかつて父が話していたことを思い出した。息子の私に似て孫のタカ君には放浪癖があると、父はどこか嬉しそうに、面白そうに話していた。放浪の旅に出た小学生のタカ君は、国道を歩いて街を出ると、田園地帯の畑や果樹園を巡る道を歩き回り、その後は山へ入って行った。暗くなりかけた頃、タカ君は山から帰って来たが、顔がタカ君ではなくなっていた。タカ君の顔だった私の顔に向かって父は言った。「おまえには放浪癖がある」。タカ君は神隠しに会いやすい子供なんだろうか。私は神隠しに会いやすい子供だったのだろうか。タカ君は母親の元に帰って来た。私は何処へ帰って来たんだろう。



Artwork by Jim Woodring

★むかし付けていた夢日記を元に、テキトーにでっち上げを加えて書いています。


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