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太陽の様子がおかしいので
私はドアを開けて
ビルの階段を降りて行った
 
踊り場に差し掛かると
昇って来た鬼と鉢合わせになった
 
鬼は泣きべそをかいていた
百数えて振り向いたら
誰もいなくなっていたと言う 
 
私はもう長いこと
鬼も探してくれなかったから
いっそのこと頼み込んで
鬼を代わってもらおう
 
踊り場を通り過ぎて
階段を一歩一歩降りる毎に
私は鬼になっていった
 
公園の立木の幹に
目を瞑って寄り掛かり
百数えて振り向いたら
 
木漏れ日の向こうに
いつもどおりの
眩い太陽が見えた

どこか遠くから
子ども達の遊ぶ声が
聴こえてくる




百数えて……


 


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