紛争地に赴任することになった夢《Dream Diary 43》
xxxx年07月13日(x)
生家の畳の部屋で、私と父と母、そして兄と姉が輪になって座っている。私の職業は新聞記者だった。私は家族に、近々北国の危険な紛争地帯に特派員として赴任することになったと告げた。皆の頭の中に、先ごろ中東の紛争地帯で爆撃に巻き込まれて死亡した、ガラパゴスイグアナのジャーナリストのニュースが蘇り、もう私は帰って来れないかも知れないという思いがよぎった。「ワハハハ大丈夫じゃ!」という父の笑い声が吹き抜けの家に空しく響く。「ガラパゴスピンクイグアナは脊柱最下端の会陰部にあるムーラダーラ・チャクラの締まりが弱すぎたんじゃ」。父は全く本質的ではないことを言って私を安心させようとする。そこに母が「あらそうかしら」と口を挟む。「それを言うならムーラダーラ・チャクラとかの問題じゃなくて、モロに〇ツの穴の締まりが緩かったってことじゃないか知ら」。そこに兄も口を挟む。「母ちゃんの言い方も正確じゃないよ。真相は締まりと言うよりも、モロに〇ツの穴の小せえオトコ、じゃなかったメスだったからだろ」。そこに姉も付け加える。「そうよ。あたしも兄ちゃんに賛成。あたしも初めはムーラダーラ・チャクラからスワーディシュターナ・チャクラにかけての渦巻きがバーティカル崩壊したんじゃろう思うとったけど、事態に現象学的エポケーを施して本質観取してみたら、やっぱりモロに〇ツの穴が小さかっただけとしか考えられんのよ」。やがて父は自分のテキトーな発言が招いた家族のどうでもよい議論をまとめにかかった。「まあ、わしらバーチャルハローキティちゃん一族は、2018年にバーチャルYouTuberとしてデビューしたんじゃが、以後現在までムーラダーラ、スワーディシュターナ両チャクラから頭頂部のサハスラーラ・チャクラに至る七つのチャクラの鍛錬怠りなく、現在チャンネル登録者数 37.7万人、千変万化する渦巻きの速度と色彩も問題なく制御され、締まりはまあまあ、そして何よりケ〇の穴がデカ過ぎることが自慢の一族じゃけんのう、まず絶対に大丈夫じゃわい」。父はそう言って私の頭を掌でポンと叩くと、香箱座りでくつろいでいる。ポン。ポン。ポン。母と兄と姉も私を掌で叩くと、香箱座りでくつろいでいる。みんな肉球がぷにっとしていた。